身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される

絵麻

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身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される(また、25歳差)

三話『好きだ』

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 似ている。
 里中美弦は、あの薬屋の青年に似ていた。

「あの青年の生まれ変わりか」
 前世で義孝が、嫉妬を抱いた青年。花と同じく、医学の心得のある人当たりの良い青年、花と似合いだった。
「ならば、今度こそ彼と」
「今度こそ、なんですか?」
 背後で響いた声に、透匡は振り返る。そこに居たのは、美弦だった。
「先生、今度こそって・・・何の話ですか?」
「里中くん」
「自分は身を引いて、杉崎さんに僕と付き合えと?」
 美弦が近づいてくる。
 その瞳には、確かな怒りがある。
「そんなことして、勝っても楽しくありませんよ」
「な、なんの・・・話だ?」
「先生、杉崎さんのこと好きですよね?で、杉崎さんも先生のことが」

 違います?
 にっこり、美弦が笑う。

「第一、そんなことして、杉崎さんに失礼だと思わないんですか。勝手な独り善がりで、知ったら傷付くんじゃないですか?彼女」
 美弦の言葉は、まるで過去を見たのようだ。
「やっと再会したのに、僕はこんなチャンスを手放さないなぁ。今度は何ヶ月も海にいる海軍じゃないし、ずっと彼女といられる。時東さんが一番欲しかったものを手にしたのに」
 キッ、と美弦は眉を上げる。
「先生は前世の自分に嫉妬してるんですよ。彼女が愛した、時東義孝という男に!」

 義孝に嫉妬している。
 確かに、そうかもしれない。

 花はこれからも、自分を通して義孝を想い続けている。

(なら、私は?)
 ふと、自分を振り返る。
「私とて、桐島花を忘れていないじゃいか」
 あんなに、もっと一緒にいる時間を艦に戻る度に、名残惜しく感じた。
「つまらない嫉妬だな」
 
 義孝は配布物を取りに来た花に、声をかける。
「ふ・・・ぇっ」
 花が涙をあふれさせる。
「いいんですかぁ?」
 ふるふると、花が涙で声を震わせる。
「ああ、構わない。私も、同じだ」
「本当に、好きになっ・・って」
「私も、君が好きだ。だが、いいのか?私は君より二十歳以上も、年上だが」
 コクコクと、花が頷いた。
「嬉しいです、とっても!英語の授業、楽しみですっ」
 花が微笑う。
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