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身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される(また、25歳差)
二話『先生が好き』
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それは、あまりに酷い点だった。
「・・・」
「杉崎」
「はい」
ふるふる、と花が涙目になる。
「このままじゃ、特待生が取り消しになるぞ」
一教科・英文だが、花は九十点以下をとった。
「・・・はい」
「どうした、悩みか?」
――――花は黙り込む。
「いえ」
ふるふると首を振る。
「なら、なぜ」
「えとっ」
適当な答えが見つからない。
ただ、授業に集中できないのだ。
「もしや、わざと・・・か?」
「え!?」
ビクッと、花が肩を震わせる。
「居残り・・・したくて、わざと成績を下げたのか?」
「・・・・違い、ます」
か細い声で、花は言った。
「そうだな」
小さな溜め息が出た。
(・・・わざとかも?先生と二人でいたくて、わざとかも)
ところが、花は小テストでも九十点以下をとった。このままでは、本当に特待生ではなくなる。
透匡は相談室に、呼び出した。
「これは、前回・・・これはその次の小テスト、で―――」
透匡が厳しい顔つきになる。
「何故だ?杉崎さんはずっと、満点以外は取らなかった。成績に関係なく、全力を尽くしてきたようだが。なぜ、高等科になって」
「すみません、嘘を吐いていました」
「嘘?」
透匡が瞬く。
「わざとかも、・・・知れません」
「は?」
眉間にシワが入る。
「先生と、二人になれますから」
リンゴのように赤い顔で、目は潤んでいた。
「何をっ」
「私、先生が好きです」
透匡が固まる。
「何故だ」
だが、すぐに我に返る。
「私は君より、二十歳以上も年上だろう。もっと、釣り合いのある」
「私は、先生がいいです。年に関係なく、先生が好きなんです」
涙が流れ落ちる。
「私、ずっと小さな頃から同じ夢を見ていて、その人は前世で私の旦那様でした。私には分かります、先生はその人の」
「無理だ」
透匡は首を振る。
「そんな話、私にはついて行けない」
「・・・ですよね」
すぅ―――と、花は息を吸う。
「ごめん、なさい」
項垂れて、ふるふると震えながら帰っていく。
―――また、泣かせてしまった。
頭に声がする。
それが、誰の声なのか、透匡には分かりすぎていた。
(・・・彼女が愛しているのは、私じゃない。時東義孝という男性だ、自惚れるな)
胸がジリジリする。
その感覚が何であるかは、透匡はもう、知りすぎている。
その感覚の名前は、嫉妬。
透匡は前世での自分に嫉妬していた。
「杉崎さん、一緒に帰らない?」
「うん」
あれから、花は透匡を避けるようになった。淋しげに微笑うが、言葉を発することはなくなった。
―――ごめん、なさい。
淋しげに笑った花の顔が、夢に出る女性と重なった。
(―――馬鹿だ、私は。あんなに願った時間を手にしたのに、つまらない嫉妬でふいにした)
――――先生が好きです。
どんな想いで伝えたのか。
あの泣きそうな眼差しは、まっすぐに透匡を映していた。
―――わざとかも、知れません。
赤い顔で告げられた時、内心では嬉しかったのに。
「私は、大馬鹿だ」
透匡は額を抑える。
泣きたいくらいに、花が好きだと自覚したのだった。
「・・・」
「杉崎」
「はい」
ふるふる、と花が涙目になる。
「このままじゃ、特待生が取り消しになるぞ」
一教科・英文だが、花は九十点以下をとった。
「・・・はい」
「どうした、悩みか?」
――――花は黙り込む。
「いえ」
ふるふると首を振る。
「なら、なぜ」
「えとっ」
適当な答えが見つからない。
ただ、授業に集中できないのだ。
「もしや、わざと・・・か?」
「え!?」
ビクッと、花が肩を震わせる。
「居残り・・・したくて、わざと成績を下げたのか?」
「・・・・違い、ます」
か細い声で、花は言った。
「そうだな」
小さな溜め息が出た。
(・・・わざとかも?先生と二人でいたくて、わざとかも)
ところが、花は小テストでも九十点以下をとった。このままでは、本当に特待生ではなくなる。
透匡は相談室に、呼び出した。
「これは、前回・・・これはその次の小テスト、で―――」
透匡が厳しい顔つきになる。
「何故だ?杉崎さんはずっと、満点以外は取らなかった。成績に関係なく、全力を尽くしてきたようだが。なぜ、高等科になって」
「すみません、嘘を吐いていました」
「嘘?」
透匡が瞬く。
「わざとかも、・・・知れません」
「は?」
眉間にシワが入る。
「先生と、二人になれますから」
リンゴのように赤い顔で、目は潤んでいた。
「何をっ」
「私、先生が好きです」
透匡が固まる。
「何故だ」
だが、すぐに我に返る。
「私は君より、二十歳以上も年上だろう。もっと、釣り合いのある」
「私は、先生がいいです。年に関係なく、先生が好きなんです」
涙が流れ落ちる。
「私、ずっと小さな頃から同じ夢を見ていて、その人は前世で私の旦那様でした。私には分かります、先生はその人の」
「無理だ」
透匡は首を振る。
「そんな話、私にはついて行けない」
「・・・ですよね」
すぅ―――と、花は息を吸う。
「ごめん、なさい」
項垂れて、ふるふると震えながら帰っていく。
―――また、泣かせてしまった。
頭に声がする。
それが、誰の声なのか、透匡には分かりすぎていた。
(・・・彼女が愛しているのは、私じゃない。時東義孝という男性だ、自惚れるな)
胸がジリジリする。
その感覚が何であるかは、透匡はもう、知りすぎている。
その感覚の名前は、嫉妬。
透匡は前世での自分に嫉妬していた。
「杉崎さん、一緒に帰らない?」
「うん」
あれから、花は透匡を避けるようになった。淋しげに微笑うが、言葉を発することはなくなった。
―――ごめん、なさい。
淋しげに笑った花の顔が、夢に出る女性と重なった。
(―――馬鹿だ、私は。あんなに願った時間を手にしたのに、つまらない嫉妬でふいにした)
――――先生が好きです。
どんな想いで伝えたのか。
あの泣きそうな眼差しは、まっすぐに透匡を映していた。
―――わざとかも、知れません。
赤い顔で告げられた時、内心では嬉しかったのに。
「私は、大馬鹿だ」
透匡は額を抑える。
泣きたいくらいに、花が好きだと自覚したのだった。
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