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身代わり花嫁と軍服のこじれた初恋
三十五話『休日前夜』
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「鏡弥さん」
額に、口に―――。
鏡弥は全身に口付けの雨を降らせる。
「も、いいですから」
体が小さく震える。羞恥と快感で、清華は涙があふれる。
「清華」
口付けられ、言葉を遮られる。
(鏡弥さんは、とても大切に扱ってくれる。もう大丈夫だと分かっていても、強引にすることはない)
涙が流れ落ちる。
「清華?痛かったか?」
「違います」
「なら、なぜ?」
鼻を鳴らす。
「鏡弥さんが優しくて、嬉しいからです」
「普通だと思うが」
不思議そうに、鏡弥が首を傾げた。
「鏡弥さん」
清華は自分から口付けた。
(もう、何度も――いえ、数え切れないほど交わした接吻だけど、私から鏡弥さんにしたのは数えるほどしかなくて。鏡弥さんは、驚いた顔をする)
「鏡弥さんは、いつも優しいです。普段もですが、その――褥でも」
とても、大切に扱ってくれていると、清華は思う。
「まぁ、それがたまに暴走してますけど」
暴走、と言われて鏡弥は「ん?」となる。
「清華、たまに暴走というが・・オレの何が、暴走だと」
「んと、例えば土産物?」
それは、半月前のことだ。清華が甘い物が好きと知った鏡弥は、仕事帰りに駄菓子を買ってきた。
「土産だ」
「ありがとうございます」
大きな紙袋に、ずっしり重い。清華がガサガサと開けてみれば、中には駄菓子がたっぷり入っていた。
「これは?」
「駄菓子だ」
ーーーーー
言葉がなかった。
「あんなに沢山の駄菓子は」
「そんなことも、あったか」
鏡弥が笑った。
「鏡弥さんは、たくさんの優しさをくれました」
「優しいというより、暴走だな。たしかに」
「ちょっと驚きましたけど、嬉しかったです。鏡弥さんのお陰で、嫌な夢も見なくなりました」
いつだって、楽しい夢のあとは悲しい過去の夢を見てしまう。
「清華」
「恐い夢ばかりでした。父や母を亡くした日の、辛い夢ばかりで」
幸せは、いつか壊れると。
「鏡弥さんはいつだって、抱きしめてくれますから」
悪夢を見るたびに泣く清華を、鏡弥はずっと抱きしめていた。
「大丈夫だ、オレはいなくならない。爺さんになっても、傍にいてやる」
「はい」
「だから、ずっと傍にいろ」
「はい」
清華は頷いた。
「あの、一つだけ行きたい場所があるんです」
「なんだ?」
「子宝祈願の神社に行きたいです」
結婚して二ヶ月になるが、まだ子供が出来る兆しがない。
「鏡弥さんの赤ちゃんが、早く欲しいので」
「構わないが」
「ありがとうございます」
「清華」
再び組み敷かれ、深く口付けられる。
「んぅ」
「祈願だけでなく、こちらもしないとな」
「やだ、そういう意味じゃな」
「頑張らないとな」
意地悪く笑い、鏡弥は深く繋げた。
額に、口に―――。
鏡弥は全身に口付けの雨を降らせる。
「も、いいですから」
体が小さく震える。羞恥と快感で、清華は涙があふれる。
「清華」
口付けられ、言葉を遮られる。
(鏡弥さんは、とても大切に扱ってくれる。もう大丈夫だと分かっていても、強引にすることはない)
涙が流れ落ちる。
「清華?痛かったか?」
「違います」
「なら、なぜ?」
鼻を鳴らす。
「鏡弥さんが優しくて、嬉しいからです」
「普通だと思うが」
不思議そうに、鏡弥が首を傾げた。
「鏡弥さん」
清華は自分から口付けた。
(もう、何度も――いえ、数え切れないほど交わした接吻だけど、私から鏡弥さんにしたのは数えるほどしかなくて。鏡弥さんは、驚いた顔をする)
「鏡弥さんは、いつも優しいです。普段もですが、その――褥でも」
とても、大切に扱ってくれていると、清華は思う。
「まぁ、それがたまに暴走してますけど」
暴走、と言われて鏡弥は「ん?」となる。
「清華、たまに暴走というが・・オレの何が、暴走だと」
「んと、例えば土産物?」
それは、半月前のことだ。清華が甘い物が好きと知った鏡弥は、仕事帰りに駄菓子を買ってきた。
「土産だ」
「ありがとうございます」
大きな紙袋に、ずっしり重い。清華がガサガサと開けてみれば、中には駄菓子がたっぷり入っていた。
「これは?」
「駄菓子だ」
ーーーーー
言葉がなかった。
「あんなに沢山の駄菓子は」
「そんなことも、あったか」
鏡弥が笑った。
「鏡弥さんは、たくさんの優しさをくれました」
「優しいというより、暴走だな。たしかに」
「ちょっと驚きましたけど、嬉しかったです。鏡弥さんのお陰で、嫌な夢も見なくなりました」
いつだって、楽しい夢のあとは悲しい過去の夢を見てしまう。
「清華」
「恐い夢ばかりでした。父や母を亡くした日の、辛い夢ばかりで」
幸せは、いつか壊れると。
「鏡弥さんはいつだって、抱きしめてくれますから」
悪夢を見るたびに泣く清華を、鏡弥はずっと抱きしめていた。
「大丈夫だ、オレはいなくならない。爺さんになっても、傍にいてやる」
「はい」
「だから、ずっと傍にいろ」
「はい」
清華は頷いた。
「あの、一つだけ行きたい場所があるんです」
「なんだ?」
「子宝祈願の神社に行きたいです」
結婚して二ヶ月になるが、まだ子供が出来る兆しがない。
「鏡弥さんの赤ちゃんが、早く欲しいので」
「構わないが」
「ありがとうございます」
「清華」
再び組み敷かれ、深く口付けられる。
「んぅ」
「祈願だけでなく、こちらもしないとな」
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「頑張らないとな」
意地悪く笑い、鏡弥は深く繋げた。
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