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身代わり花嫁と軍服のこじれた初恋
三十六話『永遠の誓い』
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神社には、赤ん坊を連れた夫婦も何組かいた。
「ーーーいいなぁ」
清華は思わず呟いた。
「鏡弥さんに似た、男の子とか」
「清華に似た女の子のほうがいい」
鏡弥の言葉に、清華は紅くなる。
「オレに似た男の子じゃ、清華が大変だ」
「なんで、頭が良いからですか?」
「いや、わんぱくだから、きっと手を焼く。それに―――」
「それに?」
清華を抱き寄せる手に、力が込もる。
「オレが妬く」
ふ、と清華が笑った。
「自分の子ですよ」
「それでも、嫌だ」
「あはは」
きっと、幸せな光景になる。鏡弥に似た息子と、自分に似た娘が駆け回る庭。
「早く、欲しいです」
清華は呟いた。
お参りの帰り、清華と鏡弥はカフェに寄った。
「飲み物は紅茶にするか?」
「いえ、鏡弥さんと同じ物がいい」
「珈琲か、苦いぞ」
「大丈夫です」
(今日は私の十九の誕生日。だから、少しだけ背伸びして)
それまで珈琲を飲みたいと思ったことはなかった。
「お待たせしました」
ウェイターが珈琲を運んだ。
「ほら、ミルクと砂糖」
鏡弥が差し出すが、清華は首を振る。
「大丈夫です」
清華はカップに口をつけた。
――――苦い。
「にが」
涙があふれる。フルフルと震え、清華は苦いと訴える。
「言わんこっちゃない」
「苦ーい」
「ほら、ケーキ」
生クリームがたっぷり載せたシフォンケーキが、清華の前に出される。
「――――あまい」
清華が笑顔になる。
「無理するな」
「だって、鏡弥さんの隣にいて、恥ずかしくない女性になりたいですから」
「背伸びするのが大人だとは思わない」
「う」
「自分にあったやり方があるだろ」
(初めて飲んだ珈琲は、私には苦すぎて薬のようだった。目の前にある幸せは夢ではないと教えてくれる、幸せの薬だった)
「少し、寄り道するが構わないか?」
「はい」
清華が頷いた。
鏡弥は町の片隅にある、小さな教会に清華を連れてきた。
「きれい」
ステンドグラスが木漏れ日に輝いていた。
「清華、十九の誕生日おめでとう」
「!」
「改めて誓う。オレは生涯、清華を愛し続けると」
「ご存知、だったんですか?今日が、私の誕生日だと」
「妻の誕生日を忘れる夫がいるのか?」
優しく笑う鏡弥に「ずるい」と、清華は俯く。鏡弥が膝をついた。
「愛している、これからも傍にいて欲しい。いて下さい」
「―――はい」
涙が流れ落ちる。
「清華」
涙を拭われる。
「鏡弥さん」
もう、何度目か分からないほど交わした口付けに、涙が止まらなかった。
(永遠に続いて欲しい、そう思える数秒だった)
「ーーーいいなぁ」
清華は思わず呟いた。
「鏡弥さんに似た、男の子とか」
「清華に似た女の子のほうがいい」
鏡弥の言葉に、清華は紅くなる。
「オレに似た男の子じゃ、清華が大変だ」
「なんで、頭が良いからですか?」
「いや、わんぱくだから、きっと手を焼く。それに―――」
「それに?」
清華を抱き寄せる手に、力が込もる。
「オレが妬く」
ふ、と清華が笑った。
「自分の子ですよ」
「それでも、嫌だ」
「あはは」
きっと、幸せな光景になる。鏡弥に似た息子と、自分に似た娘が駆け回る庭。
「早く、欲しいです」
清華は呟いた。
お参りの帰り、清華と鏡弥はカフェに寄った。
「飲み物は紅茶にするか?」
「いえ、鏡弥さんと同じ物がいい」
「珈琲か、苦いぞ」
「大丈夫です」
(今日は私の十九の誕生日。だから、少しだけ背伸びして)
それまで珈琲を飲みたいと思ったことはなかった。
「お待たせしました」
ウェイターが珈琲を運んだ。
「ほら、ミルクと砂糖」
鏡弥が差し出すが、清華は首を振る。
「大丈夫です」
清華はカップに口をつけた。
――――苦い。
「にが」
涙があふれる。フルフルと震え、清華は苦いと訴える。
「言わんこっちゃない」
「苦ーい」
「ほら、ケーキ」
生クリームがたっぷり載せたシフォンケーキが、清華の前に出される。
「――――あまい」
清華が笑顔になる。
「無理するな」
「だって、鏡弥さんの隣にいて、恥ずかしくない女性になりたいですから」
「背伸びするのが大人だとは思わない」
「う」
「自分にあったやり方があるだろ」
(初めて飲んだ珈琲は、私には苦すぎて薬のようだった。目の前にある幸せは夢ではないと教えてくれる、幸せの薬だった)
「少し、寄り道するが構わないか?」
「はい」
清華が頷いた。
鏡弥は町の片隅にある、小さな教会に清華を連れてきた。
「きれい」
ステンドグラスが木漏れ日に輝いていた。
「清華、十九の誕生日おめでとう」
「!」
「改めて誓う。オレは生涯、清華を愛し続けると」
「ご存知、だったんですか?今日が、私の誕生日だと」
「妻の誕生日を忘れる夫がいるのか?」
優しく笑う鏡弥に「ずるい」と、清華は俯く。鏡弥が膝をついた。
「愛している、これからも傍にいて欲しい。いて下さい」
「―――はい」
涙が流れ落ちる。
「清華」
涙を拭われる。
「鏡弥さん」
もう、何度目か分からないほど交わした口付けに、涙が止まらなかった。
(永遠に続いて欲しい、そう思える数秒だった)
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