アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん

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 「ダンジョン協会と言いましても、私が所属しているのは九州ダンジョン協会ですが。九州協会では、今までにも巻物を手に入れた事はございます。全国の協会では、どのぐらい所持しているかは判りかねますが、当然どの支部も喉から手が出るほど求めている事だと思います。」

 「それじゃ、東京の方の協会に売った方が高く売れるとか?」
 岡部は急に顔色が変わる。

 「本田様!?お売りするなら是非私共でお願い致します。」

 「いやいや冗談ですよ。冗談。」

 「そうですか……私共にお売り下さるなら……」
 巻物の買い取り金額を言おうとしているのか?ゴクリと唾を飲む。

 「現金一括で、一千万で如何でしょうか?」

 まぁそのぐらいが妥当でしょう……え……ええーー!!??一千万!!??
 岡部は、僕の表情を窺っている。動揺している素振りを見せるわけにはいかない。

 「そのぐらいが相場ですか?」

 「ぐっ……安いと言われますか……?私の裁量目一杯で、千二百万で如何でしょうか?もうこれで目一杯です。」

 下手な駆け引きなんかはしないという誠意の表し方なのだろう。好感は持てる。なによりほとんど苦労もなく、手に入れた『巻物』にこんなに高額の値段がつくのか?

 「分かりました。しかし決断する前に私も、ダンジョン協会に話をお伺いしたい所があります。宜しいでしょうか?」

 岡部は仰々しく頷く。
 「もちろんでございます。私がお答え出来る事は何でもお話し致します。それでは……少し場所を変えた方が良いですね?」

 予約の取れない寿司屋を充分に堪能して僕達は、次の店へと向かう。

 「酔い覚ましに少し歩きますか?」

 ネオン街に吹く冷たい風が気持ちが良い。火照った頬が覚まされていく。

 「本田様、こちらです。大人の社交場として古い歴史のあるクラブです。」

 腹が充分に満たされているという僕の言葉で、岡部が選択したのはクラブ「ジャルダン」であった。なるほど……僕でも、その名だけは聞いた事がある。

 黒服が僕達が店を訪れた事をイヤホンで知らせている様だ。一階の大階段の下にはすでにクラブのママが待ちかねている。

 「ママ、いきなりすまないね。こちら大事な方なんで、しばらく奥の部屋を貸して貰えるかな?女の子達も呼ぶまでまだ良いから?」

 「大事な商談ですのね?ようこそいらっしゃいました。ママをしております、亜矢と申します。」

 ママさんは、僕に向かって名刺を差し出してきた。

 「わざわざすいません……プライベートなんで、今ちょっと僕は名刺を持って来てなくて……」

 
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