40 / 105
40
しおりを挟む
「実は、僕冒険者になります。」
一緒にダンジョンに潜った僕以外の、同僚の顔がポカンとしている。
「最近の魔石の急騰を知っていますか?ちまちま働くより、一攫千金を狙って僕は冒険者になります。」
「ちょ……ちょっとササ!お前あのダンジョンでの悲惨な体験をしたんだろ?お前自身、僕を置き去りにした時みたいに岸本さんだっけ?あの人達も置き去りにしようと逃げ出してたじゃないか?」
笹川は僕の方をチラッと見た。
「ああ……本田さん。あの時僕達を助けたっていい気になってるらしいですね?オモチャの鉄砲で撃ってるのが効かなくなって僕が守ってあげてたのに?あれから僕のアイデアの金属バットを真似して鉄パイプなんか使ってたんでしょ?」
冷めた眼で僕のおっさんの身体を見定めている。
「だいたいそんな締まりの無い身体じゃ無理なんですよ。僕を見て下さい。あれから更に身体を鍛えて、この身体に!あの時は意表を突かれて驚いただけだけど、結局は身体がモノを言うんですよ。本田さんと違って、僕は職業冒険者としてスカウトもされてますしね?」
おいおい……えらく食ってかかるじゃないか?僕が何をしたっていうんだ?
「そりゃご立派な事で。どこにスカウトされてるって?」
「そんな事まで本田さんに言う必要ないでしょ?今後、僕は週末冒険者とは違うって事ですよ。」
なんだコイツ!?いちいち噛み付いてきやがって!
「じゃ笹川!お前ホントにダンジョンで稼いでいくつもりなんだな?」
僕に対する笹川の言葉の辛辣さに、主任が話を割って入ってきた。
「そうです。僕が有名になる前にサインでも残して置きましょうか?しがないリーマン週末冒険者から一躍、トップ冒険者になったって取材が来るかも知れませんよ?」
笹川の横柄な態度に、僕はこれ以上関わる気は無かった。
「どうせ大した仕事してなかったし、引き継ぎなんてしなくてもいいでしょ?」
捨て台詞を吐いて、笹川は後ろ足で砂をかける様に部屋を後にした。
◇ ◇ ◇ ◇
「いやーーびっくりしたな?どうしたんだ笹川の奴。あれが本性か?」
しばらくは笹川の噂話で盛り上がっていたが、日が経つにつれ話題にも登らなくなっていった。
僕は相変わらず、会社勤めをしながら、週末冒険者を続けていた。
変わった事といえば、ヒールを得た事により負傷しても、即座に治療できるためダンジョン保険に加入しなくなった事だ。そしてダンジョンには素人冒険者が圧倒的に多くなっていた。
一緒にダンジョンに潜った僕以外の、同僚の顔がポカンとしている。
「最近の魔石の急騰を知っていますか?ちまちま働くより、一攫千金を狙って僕は冒険者になります。」
「ちょ……ちょっとササ!お前あのダンジョンでの悲惨な体験をしたんだろ?お前自身、僕を置き去りにした時みたいに岸本さんだっけ?あの人達も置き去りにしようと逃げ出してたじゃないか?」
笹川は僕の方をチラッと見た。
「ああ……本田さん。あの時僕達を助けたっていい気になってるらしいですね?オモチャの鉄砲で撃ってるのが効かなくなって僕が守ってあげてたのに?あれから僕のアイデアの金属バットを真似して鉄パイプなんか使ってたんでしょ?」
冷めた眼で僕のおっさんの身体を見定めている。
「だいたいそんな締まりの無い身体じゃ無理なんですよ。僕を見て下さい。あれから更に身体を鍛えて、この身体に!あの時は意表を突かれて驚いただけだけど、結局は身体がモノを言うんですよ。本田さんと違って、僕は職業冒険者としてスカウトもされてますしね?」
おいおい……えらく食ってかかるじゃないか?僕が何をしたっていうんだ?
「そりゃご立派な事で。どこにスカウトされてるって?」
「そんな事まで本田さんに言う必要ないでしょ?今後、僕は週末冒険者とは違うって事ですよ。」
なんだコイツ!?いちいち噛み付いてきやがって!
「じゃ笹川!お前ホントにダンジョンで稼いでいくつもりなんだな?」
僕に対する笹川の言葉の辛辣さに、主任が話を割って入ってきた。
「そうです。僕が有名になる前にサインでも残して置きましょうか?しがないリーマン週末冒険者から一躍、トップ冒険者になったって取材が来るかも知れませんよ?」
笹川の横柄な態度に、僕はこれ以上関わる気は無かった。
「どうせ大した仕事してなかったし、引き継ぎなんてしなくてもいいでしょ?」
捨て台詞を吐いて、笹川は後ろ足で砂をかける様に部屋を後にした。
◇ ◇ ◇ ◇
「いやーーびっくりしたな?どうしたんだ笹川の奴。あれが本性か?」
しばらくは笹川の噂話で盛り上がっていたが、日が経つにつれ話題にも登らなくなっていった。
僕は相変わらず、会社勤めをしながら、週末冒険者を続けていた。
変わった事といえば、ヒールを得た事により負傷しても、即座に治療できるためダンジョン保険に加入しなくなった事だ。そしてダンジョンには素人冒険者が圧倒的に多くなっていた。
41
あなたにおすすめの小説
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
転移術士の成り上がり
名無し
ファンタジー
ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました
まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。
ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。
変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。
その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。
恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる