37 / 61
新人冒険者
11
しおりを挟む
特に難しい規則などはなさそうだった。
汚さない事。汚した場合は綺麗に清掃する事が唯一の規則の様だった。
「お待たせしました。こちらが営業許可証です。屋台の見える場所に掲示しておいて下さい。それでは、今月分の土地代として半月分の銀貨25枚を頂きます。」
屋台を置ける場所を確保した。大通りに面してはいるが、少し人通りが少ない場所であった。余っていた場所なんで仕方がない。
僕は宿屋に戻り、購入した材料で果物飴を製造していった。屋台でよく見る串焼き屋をヒントに、果物飴に串を刺し、手を汚さない様に食べれる工夫を足していた。次々に製造しては、アイテムボックスに収納していった。
さらにアイテムボックスから粘土を取り出して、僕と同じぐらいの大きさの人形を形作り、心臓部に魔石を入れる。特別魔法学校で働いていたホムンクルスの様に、ヌイグルミの身体にしたかったが、僕が前世で作製経験があった粘土製ホムンクルスを作製した。
元々魔力が含まれている魔石に対して、さらに僕の魔力を注入した。複雑な動作を実施させるための指令魔法を構成しながら魔力を注入していく。
粘土製の身体が、魔力が注入されていくに連れ、命が吹き込まれ、血が通っていくのが見てとれる。
果物飴を製造する製造係、販売をする係、在庫を補充して、荷出しをする裏方係の3体のホムンクルスを作製した。
まだ日が高い。
今から店を出してみよう。幸い木材の在庫もたっぷりとある。
宿から出て急ぎ割り振られた、屋台の場所に向かう。産まれたばかりのホムンクルスは僕の後ろをぎこちない早歩きで付いてきている。
「錬成!」
木製の屋台が完成した。屋台の後ろに果物飴を製造出来る調理場も完備している。
屋号はもちろん《カフマン商会 屋台店》とした。
串に刺した果物飴を並べてみる。
客側から見ると、お祭りの屋台の様にワクワクした魅せ方になっていると思う。
あっという間に屋台ができ、商品を並べているのを見た人が早速偵察に来た。
「もうやってるのかい?これはなんだい?」
最初の客は、見すぼらしい格好をした老婆であった。
「はい、いいですよ!これはオッフェンベルグで大人気の果物飴です。串に刺しているので、手を汚さずに食べる事が出来ます。」
「ほう!じゃひとつおくれ。いくらだい?」
「ひとつ銀貨3枚です。」
ちょっと高いかな……未だにこの時代の貨幣価値がよく分からない。
銀貨を老婆から受け取り、ホムンクルスが商品を手渡した。
「この人形はないだい?人形が売り子をするのかい?」
汚さない事。汚した場合は綺麗に清掃する事が唯一の規則の様だった。
「お待たせしました。こちらが営業許可証です。屋台の見える場所に掲示しておいて下さい。それでは、今月分の土地代として半月分の銀貨25枚を頂きます。」
屋台を置ける場所を確保した。大通りに面してはいるが、少し人通りが少ない場所であった。余っていた場所なんで仕方がない。
僕は宿屋に戻り、購入した材料で果物飴を製造していった。屋台でよく見る串焼き屋をヒントに、果物飴に串を刺し、手を汚さない様に食べれる工夫を足していた。次々に製造しては、アイテムボックスに収納していった。
さらにアイテムボックスから粘土を取り出して、僕と同じぐらいの大きさの人形を形作り、心臓部に魔石を入れる。特別魔法学校で働いていたホムンクルスの様に、ヌイグルミの身体にしたかったが、僕が前世で作製経験があった粘土製ホムンクルスを作製した。
元々魔力が含まれている魔石に対して、さらに僕の魔力を注入した。複雑な動作を実施させるための指令魔法を構成しながら魔力を注入していく。
粘土製の身体が、魔力が注入されていくに連れ、命が吹き込まれ、血が通っていくのが見てとれる。
果物飴を製造する製造係、販売をする係、在庫を補充して、荷出しをする裏方係の3体のホムンクルスを作製した。
まだ日が高い。
今から店を出してみよう。幸い木材の在庫もたっぷりとある。
宿から出て急ぎ割り振られた、屋台の場所に向かう。産まれたばかりのホムンクルスは僕の後ろをぎこちない早歩きで付いてきている。
「錬成!」
木製の屋台が完成した。屋台の後ろに果物飴を製造出来る調理場も完備している。
屋号はもちろん《カフマン商会 屋台店》とした。
串に刺した果物飴を並べてみる。
客側から見ると、お祭りの屋台の様にワクワクした魅せ方になっていると思う。
あっという間に屋台ができ、商品を並べているのを見た人が早速偵察に来た。
「もうやってるのかい?これはなんだい?」
最初の客は、見すぼらしい格好をした老婆であった。
「はい、いいですよ!これはオッフェンベルグで大人気の果物飴です。串に刺しているので、手を汚さずに食べる事が出来ます。」
「ほう!じゃひとつおくれ。いくらだい?」
「ひとつ銀貨3枚です。」
ちょっと高いかな……未だにこの時代の貨幣価値がよく分からない。
銀貨を老婆から受け取り、ホムンクルスが商品を手渡した。
「この人形はないだい?人形が売り子をするのかい?」
1
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる