38 / 61
新人冒険者
12
しおりを挟む
老婆は驚いた表情で果物飴を受け取った。
初日こそ、そんなに売れなかったが、翌日から、果物飴の美味しさと、ホムンクルスが接客をするという奇抜さがウケて、長蛇の列となっていた。
[マスター、材料が足りません。]
製造するホムンクルスから、材料を補充を頼まれた僕は、街の店から材料となる果物を砂糖、串を買い集めた。
ふぅー、これでなんとか品切れを起こさないだろう……
と安心した時、長蛇の列の中に知った顔を発見した。
特別魔法学校でクラスメイトだったクラウディアと、僕が魔法のコツを教えたミアとリリーだった。
「ノア君!?」
素知らぬ顔で横切ろうとしていた僕に3人は気付いたようだ。
「ノア君でしょ?どうしてここに?あ!この屋台ノア君のお店?そうなの?」
「ミア、リリーちょっと列並んでて!ノア君おいで!」
僕は強引にクラウディアに袖を引っ張られ、人目が付かない路地裏に連れ込まれた。
「あれ、ノア君の仕業でしょう?教官達は、実験中の事故で校舎が壊れたと言っていたけど、そんな訳ないじゃない。学校も辞めて一体何があったの?」
相変わらずお節介だな……
「いや、ただ学校が退屈だったんで、辞めただけだよ。」
「ゲルパルト第3皇子も、あれはノア君の仕業だって吹聴してたわよ。A組の生徒はみんなノア君が校舎を壊したと気付いてるわよ。あのテストの時のとんでもない魔法を見てるんだもの。」
しまった……教官達だけでなく、A組の生徒にも[忘却魔法]をかける必要があったか……
「それで校長先生はじめ教官達は何か言ってた?」
「それがおかしいのよ。教官達はノア君自体の記憶がないみたいなの。それでゲルパルトが学校で起きた状況をわざわざ自分の父親、つまり国王様に何通も手紙を書いて知らせていたわ。」
あの皇子は余計な事をしてくれる……
「この街にいるつもりなら、王様直属の近衛兵士も居るから用心した方がいいわよ。」
「クラウディア!それは貴重な情報だ。助かるよ。ありがとう。」
この街の中にのんびり居る事は危険かもしれないのか……
店はホムンクルスに任せて、僕は街外に出る方がいいのかもしれない。
街外に出るついでに出来る依頼があればいいなと、ギルドの依頼掲示板を何気なく見に行った。
【復興の手伝い】
ゴブリンの襲撃によって、大破してしまった村の復興を手助けしてくれる者を募集中。
報酬一日で銀貨10枚。
これは、あの村じゃないか?そして報酬が安すぎる……せっかくゴブリンの巣穴から回収した財宝があったのに……これでは人は集まらないだろう。
初日こそ、そんなに売れなかったが、翌日から、果物飴の美味しさと、ホムンクルスが接客をするという奇抜さがウケて、長蛇の列となっていた。
[マスター、材料が足りません。]
製造するホムンクルスから、材料を補充を頼まれた僕は、街の店から材料となる果物を砂糖、串を買い集めた。
ふぅー、これでなんとか品切れを起こさないだろう……
と安心した時、長蛇の列の中に知った顔を発見した。
特別魔法学校でクラスメイトだったクラウディアと、僕が魔法のコツを教えたミアとリリーだった。
「ノア君!?」
素知らぬ顔で横切ろうとしていた僕に3人は気付いたようだ。
「ノア君でしょ?どうしてここに?あ!この屋台ノア君のお店?そうなの?」
「ミア、リリーちょっと列並んでて!ノア君おいで!」
僕は強引にクラウディアに袖を引っ張られ、人目が付かない路地裏に連れ込まれた。
「あれ、ノア君の仕業でしょう?教官達は、実験中の事故で校舎が壊れたと言っていたけど、そんな訳ないじゃない。学校も辞めて一体何があったの?」
相変わらずお節介だな……
「いや、ただ学校が退屈だったんで、辞めただけだよ。」
「ゲルパルト第3皇子も、あれはノア君の仕業だって吹聴してたわよ。A組の生徒はみんなノア君が校舎を壊したと気付いてるわよ。あのテストの時のとんでもない魔法を見てるんだもの。」
しまった……教官達だけでなく、A組の生徒にも[忘却魔法]をかける必要があったか……
「それで校長先生はじめ教官達は何か言ってた?」
「それがおかしいのよ。教官達はノア君自体の記憶がないみたいなの。それでゲルパルトが学校で起きた状況をわざわざ自分の父親、つまり国王様に何通も手紙を書いて知らせていたわ。」
あの皇子は余計な事をしてくれる……
「この街にいるつもりなら、王様直属の近衛兵士も居るから用心した方がいいわよ。」
「クラウディア!それは貴重な情報だ。助かるよ。ありがとう。」
この街の中にのんびり居る事は危険かもしれないのか……
店はホムンクルスに任せて、僕は街外に出る方がいいのかもしれない。
街外に出るついでに出来る依頼があればいいなと、ギルドの依頼掲示板を何気なく見に行った。
【復興の手伝い】
ゴブリンの襲撃によって、大破してしまった村の復興を手助けしてくれる者を募集中。
報酬一日で銀貨10枚。
これは、あの村じゃないか?そして報酬が安すぎる……せっかくゴブリンの巣穴から回収した財宝があったのに……これでは人は集まらないだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
143
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる