人生5周目!!5度目の人生はマッタリ冒険者になります。

ぽっちゃりおっさん

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ユートピア村

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 最強の魔法使いと呼ばれるアルギルス・モンテギューは腰を抜かして茫然としている。

 「いいですか?もう僕に関わらないで下さい。僕の家族を人質に取ろうなど愚の骨頂です。国中を燃やし尽くされたくなければ、僕に近付かないで下さい。分かりましたか?」

 モンテギューは無言のまま何度も首を縦に振っている。

 何度転生してもいつもこうだ。僕を利用しようと俗物どもが寄ってくる。俗物どもから離れマッタリ生活がしたいというのに……

 不安が残るものの、これで僕の情報収集をギルドで行い、僕を追い掛ける輩は追い払えるだろうか?

 「ノア君、お待ち下さい……君の力は充分過ぎるほど分かりました。私どもの卑劣な言動も伏して謝罪致します。なにとぞ私の話に耳を傾けて下さいませんか……」

 精神的ショックを受けているモンテギューは、なんとか声を絞り出している。

 「なにとぞ…なにとぞ…」

 最強の魔法使いと呼ばれる男がこんなに惨めな姿を晒しているのである。話だけでも聞いてやろう。またしつこく追い掛けられても迷惑だし……

 「分かりました。話だけは伺いましょう。」

 その言葉を聞いたモンテギューは、ぼつぼつと語り出した。

 現在この国には、敵対している2国がある。アルングリフ神国と国境を接する隣国のノルディア皇国である。

 ノルディア皇国は【鉄の国】と呼ばれ、武力が高く好戦的な国家だ。

 アルングリフ神国は、ドラゴンを神として崇める宗教国家である。

 特に隣国のノルディア皇国は最近我が国との国境である、魔物の森に頻繁に姿を見せているという。

 好戦的で武力の高いノルディア皇国を、僕に調査して貰いたかったらしい。

 なるほど、状況を聞けば魔法が強いと思われている僕に調査を依頼してきたのも分からないでもない。

 またしてもちょっと早まってやり過ぎたかな……と思っていた。

 「いくら権力者と言えども、お互いに美味しい話にしてくれればいいのに……」

 「脅す様な言動をして反省しております。まさかノア君が本当にこんな魔力があるとは思わずに……」

 「今更感がありますが、僕からの提案です。調査する代わりに、校舎を破壊した事の不問。と僕の開発している村に冒険者ギルドを解説する事。さらに魔石を収集する権利を認めて欲しいです。もちろん僕の家族や開発中の村への手出しの無用もですが。」

 「おお!その条件ならば、私の権限で可能です。国王陛下にも認めて頂けるかと存じます。その条件で調査をお受け下さいますか?」

 モンテギューの顔色に血色が戻ってきた。
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