婚約破棄された令嬢は、失意の淵から聖女となり、いつか奴等を見返します!

ぽっちゃりおっさん

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『どうしたらいいだろう……』

父親はうなだれている。

私の態度が悪かったのか……?

私の容姿が……?

いや、そんな事はない!

あの親子の様子は、明らかにおかしかった。

約束の時間を守らず、謝罪するどころか、悪態をついてきた。

悔しい……

あんな親子のせいで、私は……

『スズリーナよ……すまなかったな……あんな奴らと婚約させた私のせいだ……』

「お父様のせいじゃないわ!あんな奴等と結婚して家族にならなかっただけ、ラッキーだったのよ…」

お通夜のような雰囲気のまま、私は自室に戻った。

ベッドに横になるが、悔しくて悔しくて眠れない。

そして、これからの事を思案した。

私は婚約破棄された女だ。今後条件の良い相手とは巡り合わないだろう。

さらに悪い事に女神様の加護を受ける事が出来る《神技落としの儀》を受ける事が出来なかった。儀式を通過しないままだと、スキルを授与される事なく生きていかなければいけない。来年の儀式の時に、受ける事が出来るだろうか?

一方的に婚約破棄された悔しさと、将来への不安で涙が止まらなかった……




泣き疲れて眠っていたのだろう。一晩寝るといくぶん気分が晴れていた。

屋敷の中は、今日もお通夜のような静けさである。

息をつくために、外に出てみた。

道行く人が、私を見て何か言っている。

まさかもうバレたのか!?

私の方を指差して、ニヤニヤ笑っている。

間違いない……この狭い街では、私の婚約破棄なんか格好のネタだ。

たまらず屋敷に駆け戻った。

誰だ!?誰が話を広めた?婚約破棄を知るのは、屋敷の中の人間しか居ないのではないか?しかし朝出会った奉公人に不審な素振りを見せた者は居なかった……

もうこの街にも、この屋敷にも居られない……

この街を出ようと決意した。

しかし私1人では、何も出来ない。去年嫁いだ姉のアリスの家にしばらく居候させて貰うのは、どうだろう……居候の間に、何か仕事を見つけて生きていく……大変厳しい未来しか見えない……

えーい!迷っていても何も変わらない。

当面の着替えをバックに詰めて、今までに貯めておいたお金をかき集めた。私の部屋の机の上には、心配しないようにと両親に書き置きを残した。

ほとぼりが冷める間だけでもいいんだ!と気楽に考えて、私は生まれ故郷を後にした。



ちょうど街から出る馬車に乗り合い出来ることになった。馬車ならば、他にも人が居るし、自分1人で街道を歩くより安心だ。

ガタガタとリズム良く揺れる、馬車が眠りを誘っていた。




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