婚約破棄された令嬢は、失意の淵から聖女となり、いつか奴等を見返します!

ぽっちゃりおっさん

文字の大きさ
5 / 33

しおりを挟む
「お姉様おはよう!ちょっと早いかもしれないけど、ギルドに行ってくるわ!」

早朝の街は、空気も冷たく気持ちがいい。

屋台の準備や、散歩をしている人がおり、思っていたより人が多かった。

冒険者ギルドに到着すると、ギルドにはすでに多くの人がたむろしていた。

早朝からギルドに来ている人の目的は、依頼のようである。依頼掲示板にその日に発注された依頼が貼り出される。依頼を受注するのは早い者勝ちのようだ。そこで冒険者達は、少しでも条件の良い依頼を受注しようと早朝から並び、他に先んじて依頼を受注しているのであった。

冒険者も大変なんだな……

ギルド受付と書かれたカウンターには、依頼受注手続きをしようとする冒険者達が殺到している。初心者があの中に入るには自殺行為だ。

ひと段落するのを、ギルド内をぶらぶらしながら待っていた。

依頼掲示板には、薬草採取の依頼も出ていた。

《薬草の採取》
根元から切られた薬草10本を1把に括る。1把単位での買取り。1把銀貨10枚。状態の悪い物は買取り不可となる。

成人の男が1日に金貨1枚(銀貨100枚=金貨1枚)稼げれば一人前と言われているので、薬草を10把採取しないといけない。そんなに採取出来るだろうか……少し不安になってきた……

カウンターに殺到していた、手続きを終えた冒険者達は各々の依頼を達成するために、ギルドから出ていった。私は静かになったカウンターに向かった。

「初めてなんですが、依頼を受ける事は出来ますか?」

『お嬢さんギルドに登録はされていますか?ここは冒険者ギルドですが、大丈夫ですか?生産者ギルドは隣の建物になりますが?』

「登録していません。生産者ギルドは、生産者のスキルが必要なんでしょ?私スキルを持っていなくて……薬草採取なら出来るかなって来たんですが……」

『登録はどなたでも出来ますよ。実際に冒険しなくても、身分証明書がわりにしている方も多くいらっしゃいます。しかしスキルがないんですか……?それはお困りですね……薬草を採取する事に特段スキルは必要ではないですが、道中魔物が現れたりしますので、ある程度戦闘出来る方の方がよろしいんですが……』

「そうなんですか……魔物が出る事があるんですか……?」

『とりあえずギルド登録はされますか?登録料として、年間に銀貨5枚必要ですが』

「銀貨5枚ですか…?登録しないと、依頼受注は出来ないんですよね?分かりました。登録お願いします」

『了解致しました。少々お待ちください』
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

婚約破棄が私を笑顔にした

夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」 学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。 そこに聖女であるアメリアがやってくる。 フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。 彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。 短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

天宮有
恋愛
国を守る聖女として城に住んでいた私フィーレは、元平民ということもあり蔑まれていた。 伝統だから城に置いているだけだと、国が平和になったことで国王や王子は私の存在が不愉快らしい。 無能だと何度も言われ続けて……私は本当に不必要なのではないかと思い始める。 そうだ――自らを封印することで、数年ぐらい眠ろう。 無能と蔑まれ、不必要と言われた私は私を封印すると、国に異変が起きようとしていた。

聖女アマリア ~喜んで、婚約破棄を承ります。

青の雀
恋愛
公爵令嬢アマリアは、15歳の誕生日の翌日、前世の記憶を思い出す。 婚約者である王太子エドモンドから、18歳の学園の卒業パーティで王太子妃の座を狙った男爵令嬢リリカからの告発を真に受け、冤罪で断罪、婚約破棄され公開処刑されてしまう記憶であった。 王太子エドモンドと学園から逃げるため、留学することに。隣国へ留学したアマリアは、聖女に認定され、覚醒する。そこで隣国の皇太子から求婚されるが、アマリアには、エドモンドという婚約者がいるため、返事に窮す。

聖女は王子たちを完全スルーして、呪われ大公に強引求婚します!

葵 すみれ
恋愛
今宵の舞踏会は、聖女シルヴィアが二人の王子のどちらに薔薇を捧げるのかで盛り上がっていた。 薔薇を捧げるのは求婚の証。彼女が選んだ王子が、王位争いの勝者となるだろうと人々は囁き交わす。 しかし、シルヴィアは薔薇を持ったまま、自信満々な第一王子も、気取った第二王子も素通りしてしまう。 彼女が薔薇を捧げたのは、呪われ大公と恐れられ、蔑まれるマテウスだった。 拒絶されるも、シルヴィアはめげない。 壁ドンで追い詰めると、強引に薔薇を握らせて宣言する。 「わたくし、絶対にあなたさまを幸せにしてみせますわ! 絶対に、絶対にです!」 ぐいぐい押していくシルヴィアと、たじたじなマテウス。 二人のラブコメディが始まる。 ※他サイトにも投稿しています

【完結】私は聖女の代用品だったらしい

雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。 元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。 絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。 「俺のものになれ」 突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。 だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも? 捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。 ・完結まで予約投稿済みです。 ・1日3回更新(7時・12時・18時)

処理中です...