錬KING 〜目指せ！魔道具製造してガッポリ生活〜

新たなスタート

１６

　「１つ目の条件は、叙勲パーティーに私を招待する事。いやなにお前の屋敷と、もてなし方を見てみたいだけだ。２つ目はお前が作製している道具、高級雑貨屋に置く予定の道具だよ。コップやらあるんだろ？それを私だけのデザインにした物を、それぞれひと通り私にプレゼントするんだ。いいか。他と違うデザインの物だよ。」

　簡単といえば簡単な条件である。

　「その条件でいいのですか？」

　「ああ……出来るだろ？受けるかい？」

　「ありがとうございます。喜んで受けたいと思います。」

　「そうかい、じゃあ頑張って良い屋敷を建てるんだよ。調度品も手を抜くんじゃないよ。時間はないが、お前の道具を世に見せる絶好の機会だからね。」

　そうだ！ありきたりの調度品や道具だけじゃなく来訪客が驚くような屋敷にするべきだ。

　「お婆さん、貴重な意見までありがとうございました。」

　「誰がお婆さんかね？ふざけた事を言うと叩き出すよ！さっさと帰って働きな！明日にでも契約書を持たせるからね。」

　僕は婆さんに感謝しながら、急いで店舗に戻った。

　途中、道具屋とギルドにより魔石を買えるだけ購入した。魔道具を作製するのだ。

　「アレクさん、こっち側の土地とこの奥の土地２区画をお借りする事が出来ました。」

　「なんと！ナカムラケイタ様は、人脈も豊富なのですね。しかし今からですと建物の建設は間に合いません……来月には叙勲パーティーを開催しないといけませんので、屋外パーティーになるかと……」

　「いえ、大丈夫だと思います。今ある屋敷を撤収して奥の２区画と今屋敷が建っている土地を使いましょう。」

　「え？どういう事ですか？」

　「アレクさんは見ていて下さい。」

　奥の大通りに面した方を正面にしよう。

　正面から入ってくると中庭や庭園が必要だろうな……噴水も良いかもしれない。

　何十台、何百台という馬車も来るだろう。玄関で降りてぐるっと回れるロータリーにすると便利が良さそうだ。
　
　よし、なんとなく構造が決まった。

　まずは土地の整地だ。馬車が通る所は石畳が良いだろう。石と石の隙間にはモルタルで埋め強度を上げ、ガタツキを防止しよう。正面に噴水を設置して、噴水の周りをぐるっと回るロータリーにする。玄関で降りて、馬車はロータリーを進めば馬車置き場に行けるというわけだ。

　周りには煉瓦れんがで区分けした花壇を設置する。特に花好きというわけではないが、貴族の庭には綺麗な花が咲き誇っているイメージがある。

　今までの屋敷が邪魔だ。いったん収納して材料を再利用する事にしよう。