【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬

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(六)

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 十一月になり、勝見中佐は大佐に、厨屋少佐は中佐に、それぞれ昇進した。なお、万代大尉も同時期に少佐となっている。

 もともと、小型の改造空母とはいえ、空母は空母であり、艦長は大佐が通例である。

 艦長となるべき艤装員長が中佐ということ自体が異例であり、元々が昇進を見越した配置だったことが判る。

 とはいえ、海戦で艦を失った艦長がその後、どのような処遇を受けるかについては、厨屋も確たることは言えなかったのであるが。

 十一月末。

 「浅間丸」は、勝見大佐らの昇進を待ちかねたかのように、水密試験を終えたのち、第三船渠から引き出されて再び洋上に浮かぶ日を迎えた。

 船渠内に注入された海水が海面と同じ高さまでせり上がり、「浅間丸」の船体が盤木から離れる。

「感慨無量といったところですね」

 水門が開かれた船渠から洋上へと、「浅間丸」は曳き船によって船尾側から導き引き出されていく。

 その姿を船渠の脇から見つつ、厨屋は傍らの勝見大佐に話しかける。

「そうだな」

 勝見大佐は言葉少なに応じた。まだ道半ばだ、との思いが固い表情に現れている。

 事実、最低限の工員以外乗っていない「浅間丸」を、勝見大佐らが船渠の外から眺めていることからも自明であるとおり、空母への改装がすべて完了したわけではない。

 現状の「浅間丸」は、自走できる状態にすらない。

 台湾檜の飛行甲板こそ貼られているものの、まだ白木そのままである。

 また、かろうじて油圧式射出機一基も前部に埋め込まれている他は、飛行甲板には何もない。

 昇降機もまだ取り付けられておらず、四角い穴が二か所、大きく開いたままの状態だ。

 この後、「浅間丸」は飽の浦の艤装岸壁まで運ばれて、艤装工事を行うことになる。

 最後まですべて船渠の中で工事ができれば手間がないようにも思われるが、船渠の数は限られている。

 効率的な建造や修理のためには、いつまでも一隻が占領しているわけにはいかない。

 したがって、船渠以外でも設置できるものは、進水後に艤装岸壁で取り付けられるのが普通である。

 現に第三船渠では、十二月から「浅間丸」と入れ替わりに「あるぜんちな丸」の空母への改装が予定されている。

 艤装工事においては、真っ先に「ぶらじる丸」用に準備されていた二基の昇降機が取り付けられた。

 続いて、かねてより艦政本部に依頼していた難燃性の塗料による飛行甲板の塗装が、昇降機部分も含めて施される。

 勝見大佐は軍艦色と同系色の塗装を施すよう要望し、了承を得ていた筈だった。

 だが、難燃性の成分の都合なのか、実際に塗装してみると艶消しの群青色に見え、「浅間丸」は一種独特の風格をまとうことになった。

「空からみると、まるで装甲板でも背負っているように見えるかもしれませんな」

 と、舷側の発着指揮所から飛行甲板の具合を眺める万代大尉などは、眉間にしわを寄せる勝見大佐を横に、まんざらでもない。

 もちろん迷彩色といっても、白い航跡を曳きながら航行する空母が上空から見えなくなるはずもない。

 しかし、たとえ一瞬でも正確な位置を見誤らせることができれば、急降下爆撃の当弾のタイミングをずらすことができるかも知れないのだ。

 塗装を終えた飛行甲板には、続いて着艦制動索や滑走制止索など、空母の機能にに必須となる装備が手際よく施されていく。

 あわせて、舷側では起倒式の無線檣(無線アンテナ)や信号檣といった装備一式に加え、「浅間丸」を守るための対空兵装を左右の舷側に取り付ける工事が進められている。

 「浅間丸」の対空兵装は、八九式十二・七ミリ連装高角砲が四基八門と、九六式二十五ミリ三連装機銃が八基二十四門となっている。

 昭和十四年時点で定められた改装計画と比較すると、十二・七ミリ連装高角砲は計画通りであるが、二十五ミリ機銃は連装六基十二門を設置予定となっていた計画から倍増となっている。

 これもまた、勝見大佐が「あるぜんちな丸」の改装案を知り、同等程度の武装の強化を求めて艦政本部を説き伏せた成果だ。

 艤装工事の完成が近づくにつれて、連日のように乗組員の着任が続くようになった。
 彼らを出迎えた艤装員たちは、さっそく「浅間丸」の艦内を案内して、構造を覚えさせようと奔走する。

 厨屋が見たところ、着任する乗組員の前歴は、乗り組んでいた艦が撃沈なり大破するなりして他艦への異動を余儀なくされた者、乗り込むはずだった艦を撃沈されて行先を失った者、そしてはじめて海上勤務する者である場合がやけに多いように思われた。

 建艦計画の外にある「浅間丸」だけに、集まってくる乗組員もまた、計画通りの異動を命じられる事例が多いためだろう、と厨屋は思う。

 むろん、本当のところは判らない。

 ただ一つ、判っていることがある。

(いよいよ、公試の時期が近づいてきた)

 厨屋は心中ひそかに気持ちを引き締めた。



 日本海軍は五月の珊瑚海開戦に勝利して、ポートモレスビー占領に成功したものの、その維持に苦労して、MI作戦によるミッドウェー攻略と米機動部隊の撃滅を見送っている。

 なお、作戦中止に絡んでは、一つの事件が起きている。

 MI作戦にあたっては、事前に哨戒のために潜水艦を配置して哨戒線を構築する計画となっていた。

 潜水艦は速力が遅いため、機動部隊より先行して指定海域に進出する必要がある。

 しかし実際には、命令が伝えられた時点で作戦発動日までの日数に余裕がなく、本来の作戦開始日には予定位置にたどり着けなかった潜水艦が続出する。

 加えて、ようやく彼らが苦労して現地に到着した頃には、すでに作戦の中止が決まってしまっていた。

 しかし、とんだ無駄足を踏んだはずの潜水艦のうちの一隻、伊一六八号が、米空母と接触したのだ。

 「ヨークタウン」または「ホーネット」と思われた空母に対して、当然のことながら、伊一六八号は攻撃をもくろんだ。

 しかし結局、位置関係が悪く、雷撃位置につけないまま伊一六八号は引き離されたため、攻撃の機会は得られなかった。

 手傷を負わせられなかったことはともかく、ミッドウェーの北東沖に米空母が出現したとの報せは、連合艦隊司令部を戸惑わせた。

 伊一六八号から報告された位置は、ミッドウェーを狙う日本軍をまちぶせしていたとしか考えられなかったからだ。

 スパイが紛れ込んでいるのか、暗号の解読によるものか、日本の作戦を読み切った天才が敵陣営にいるのか、手の内がつかまれた原因を確かめるすべはなかった。

 いずれにせよ、アメリカの情報分析能力が思いのほか高いことを窺わせる一幕だった。



 MI作戦を中止した連合艦隊は、軍令部が推進した米豪遮断作戦を推し進めることとなった。

 連合艦隊側は、米空母が日本が占領する手薄な島を通り魔的に奇襲してくる懸念が依然として残る以上、決戦を強要したい意向は強かった。

 だが、軍令部側は、「仮にアメリカが他の海域に寄り道をするのなら、我々はその間に米豪遮断作戦を完遂するまでだ」との強固な方針を示すと、これに明確な反論を加えることができなかった。

 加えて、ここにきて日本の陸海軍の基地設営能力の低さが問題視されるようになる。

 本来、基地化したポートモレスビーに進出した基地航空隊が輸送船団の護衛につかねばならない。

 だが、度重なる連合国側の空襲に遭い、ポートモレスビーの基地化は遅々として進まないのが実情だった。

 しかし、オーストラリアの連合国からの脱落をもくろむ軍令部肝いりの米豪遮断作戦は、早々につまづきをみせた。

 ポートモレスビーの基地化が、八月になってもまだケアンズ、タウンズヒル、クックタウンなどの連合軍基地から発進する航空隊の攻撃に妨害されて手間取っていたのに対して、米軍は九月初旬にガダルカナル島に上陸するや、たちまち飛行場を完成させてしまったのだ。

 この動きに、日本側は虚を突かれた。

 正確に言えば、日本側もガダルカナル島に飛行場の適地があることはつかんでいた。

 しかし、ポートモレスビーに向かっていた設営隊が、なけなしの機材もろとも輸送船を撃沈されて失われるなどの被害が続出しており、ガダルカナル島に測量隊を派遣することすらままならないのが実情だった。

 ガダルカナル島に上陸した米軍が、飛行場を建設すべく活動していること自体は、日本側も飛行艇などによる偵察をおこなって掴んでいた。

 ところが、シービーズと称される機械化された建設部隊の設営能力の高さを、連合艦隊司令部も、ニューギニア島およびソロモン諸島方面を担当するため新編された第八艦隊司令部も見誤った。

 特に、第八艦隊では早急に動かせる戦力がなかったこともあり、敵に飛行場を建設させ、完成直前に占領しようという欲張った作戦を立てたため、飛行場の完成をみすみす許してしまったのだ。

 ソロモン諸島を南下して、ニューカレドニアまで至る要所に飛行場を建設するためには、まずガダルカナル島に進出しなければならない。

 しかし、仮にガダルカナル島を米軍から奪うことに成功したところで、飛行場の建設能力競争となれば、日本側の不利は否めない。

 日本とて、ブルドーザー程度が作れない訳がない。

 土木機械を軽視していたというよりも、短時間で飛行場を建設することが勝敗を左右する重要な要素である、との認識がそもそも欠けていたと言わざるを得ない。

 いずれにせよ、ポートモレスビーがいわば日本の攻勢限界点だとすれば、ソロモン諸島からニューカレドニアに陸上基地を連ねて米豪を遮断するなど、夢のまた夢である。

 九月中旬になって、海軍は「乙号作戦」を発動した。

 これは、米豪遮断を基地航空隊に頼らず、空母の搭載機によって輸送船団を襲撃することによって達成するという作戦である。

 一隻たりとも突破を許さない、というのは現実的には不可能である。

 しかし、たとえ運び込まれる物資の量が二割減るだけでも、少なからず打撃となるのだ。

 空母への着艦の技能を持つ貴重な搭乗員を、輸送船団への攻撃で損耗することには参謀達からの反対意見も強かったが、山本五十六連合艦隊司令長官は強引に作戦の発動を押し進めた。

 山本五十六の決断の理由の一つには、事前に攻略目標を定めて作戦を発動した場合、MI作戦のように敵に勘付かれて待ち伏せされるとの懸念を抱いていたためとも伝わる。

 大まかな作戦海域のみを指定され、航空戦隊単位で遊撃的に活動し、輸送船団を探し求めて攻撃する限り、米軍に動きを読まれる懸念は少なかった。

 作戦名である「乙号」の由来には諸説があるが、最善ではなく次善の策だ、との意味が込められている、というのが通説である

 もちろん、通商破壊戦の実施が主目的ではあるが、作戦を複雑に組みがちな日本海軍らしく、船団攻撃によって米空母を誘い出して撃滅する思惑も含まれていた。



 ハワイの真珠湾からは、ニューカレドニア島のヌーメア、あるいはニューヘブリディズ諸島のエスピリトゥサント島を経由地として、輸送船団が次々と送り出されていた。

 それらの船団に積まれた物資は、ガダルカナル島をはじめとするソロモン諸島の各飛行場や、オーストラリアへと向かうことになる。

 戦隊単位に分散してソロモン諸島の北東部へと進出する空母機動部隊の参加数は、正規空母六隻、軽空母四隻に達した。

 もちろん、全艦が同時に活動するのではなく、トラック島を拠点にローテーションを行いながら作戦に参加することになる。

 トラック島で重油を担当する主計士官が、「島じゅうの重油タンクが空になる」と嘆くほど、燃料事情が厳しい中で作戦は行われた。

 連携を取りつつ、輸送船団を狙って攻撃を仕掛けると、面白いように成果が上がった。

 当初は、輸送船狙いに不満を漏らしていた艦攻、艦爆の搭乗員も、実際に輸送船が沈む光景を目の当たりにすると、次第に文句を言う者は減っていった。

 むしろ、戦隊間での撃沈数を競う意識が高まり、こぞって出撃したがるようになった。

 もちろん、フィジー、サモアなど、米軍の手中にある拠点からは哨戒機が出ており、日本側の艦隊が完全に所在を秘匿することは難しく、時には発見されることもあった。

 しかし、それらの島々に配備された航空機のうち、航続距離の長い陸軍の双発爆撃機や攻撃機では水平爆撃しか行えず、有効な攻撃は行えない。

 一方、海軍の単発の艦上攻撃機や艦上爆撃機は、概して日本海軍機よりも航続距離が短い。

 動かない島に配備されている以上、攻撃範囲の内側に入らない限り、日本の空母の上空に姿を見せることはない。

 それどころか、時には日本の空母機が早朝にそれらの島々の飛行場を爆撃し、地上で米軍機を破壊するようなことも行われた。

 島の占領を意図しない日本側の動きは神出鬼没で、けっきょくのところ、米軍はなけなしの空母を投入して船団を護衛し、数的劣勢を承知で航空戦に応じるほかなかった。
 
 結果、ソロモン諸島沖海戦、南太平洋海戦と呼称される空母同士の海戦が数度にわたって繰り返された。

 輸送船の護衛という目的に縛られた米空母は、本来有する機動力を充分には発揮できなかった。

 米側は「ヨークタウン」と「ワスプ」を撃沈され、残存空母が「ホーネット」と、修復なったばかりの「サラトガ」の二隻のみまで落ち込んだ。

 だが、日本側も無傷ではない。

 第二航空戦隊の空母「飛龍」と、第四航空戦隊の軽空母「龍驤」を失ったほか、第一航空戦隊の「赤城」が大破して内地へ回航された。

 他にも、沈没するほどではないにせよ、正規空母はいずれも大なり小なり損傷を負っていた。

 それでも、米側の輸送船を海の底に沈めていることを考慮すれば、作戦はおおむね成功していると判断された。

 一方、次第に輸送船団がクック諸島やポリネシアよりさらに南側を大周りする航路を取るようになると、手が出せないまま目的地への入港を許すことが多くなってきた。

 輸送距離が伸びて効率を低下させているだけでも効果があるのだ、との評価もあったが、米軍が進出している島々を占領しない限り、いつまでも消耗戦が続くとの声は懸念の強かった。

 しかし、日米の国力差を考えれば戦力を温存している場合ではなく、積極的に討って出て敵艦を撃沈しなければ、いずれ手に負えなくなる規模になってしまうとの危惧も強い。



 そのような情勢の中で迎えた昭和十八年(一九四三年)。

 特設航空母艦「浅間丸」は、一月の下旬になってようやく、公試の日を迎えることとなった。
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