13 / 200
13
しおりを挟む
朝、目が覚めると、陛下が横に居た。
陛下は気持ち良さそうに眠っている。
私はボンヤリと窓の外を見てもう随分と日が高いなとそんな感想を思って……
驚愕した。
私は慌てて、でも出来るだけ優しく、不敬のない様に、陛下を起こす。
「起きて下さい、陛下?」
優しく揺すってみたりする。
陛下は目を覚まして、でもまだ覚醒してない様で微睡んでいる。
「…………姫か……」
そう言って急にグッと私を抱き寄せる。
「⁉︎ 陛下⁉︎」
急に抱き締められて恥ずかしくなる。
「……」
陛下はまだ覚醒しないらしくて黙って私を抱いたままだ。
「陛下? あの……、起きて下さいっ! 大変ですっ」
陛下は瞼を閉じたまま私の声に答える。
「……ん? 何がだ……?」
「もう昼前です! どうしましょう! ご政務が……っ」
「……ああ、政務は全て宰相に任せてある……。儂のすべき事は無い……」
「⁉︎」
私はびっくりする。王様というのはとっても忙しい。
少なくともわたしの父、マグダラス王は毎日忙しく働いていた
「……陛下。それでは……この国の王が誰なのかわかりません……。宰相様はこの国の王なのですか……?」
陛下の腕が緩んだので、その腕から抜出して起き上がり、改まってベットの上に座る。
「……起き抜けに説教か……」
陛下の纏う空気が冷たくなる。
「……申し訳ありません……でも、ダメです。私は王が責任を果たさずに遊び暮らしていて良いとはどうしても思えません。」
陛下もノロノロと起き上がる。一つ大きな欠伸をした。
「……民が、血税が、と言った所か?」
「はい。責務を果たさない王は首を落とされてしまいます。」
「では聞く、姫。」
陛下は胡座をかき、その長い脚の上に頬杖を作ってこちらを見る。
「儂の首が落とされて、それがなんだ?儂が死んでもどうせ新たな王が即位し、国を存続させるだろう。
首一つ変わるだけで後は何も変わらぬ。
儂である意味などどこにも無い。
寧ろ儂であるよりマシかも知れん」
私はとても悲しい気持ちになった……
だって、それじゃまるで陛下は……
「陛下でなければいけません。」
きっぱり告げた。
「何故?」
陛下は姿勢を変えず、私をじっと見据える。
「陛下が首を落とされるという事は、その間動乱があります。無益な殺生がたくさん起きます。それが今現在の陛下が背負ってるモノです。それから……」
私は俯く。
悲しい気持ちを抑えられない。
陛下は俯く私を黙って見ている。
「……陛下に死んで欲しくありません……」
なんだか考えただけで悲しくなった。
……陛下は重責が辛いんだ。
多分背負ってるものの重みなんて全部全部わかってるんだ。
だからこそ、首を落とされたいんだ……
重責を果たせない自分は罰せられて当然だと思ってるんだ……
泣きそうになるけど、絶対ダメだ。
ここで泣くのは卑怯だ。
グッと手のひらを拳にして握りしめて、
ギュッと目を閉じる。
そして陛下の方を向き直す。
陛下は驚いた様な顔をしていた。
私の顔をじっと見つめてる。
私も陛下をじっと見つめ返す。
しばらくして、陛下が私の頬に優しく触れる。
「……そうか。わかった。」
陛下がフワリと笑った。私も気が緩んで、にへらと笑ってしまった。
陛下は気持ち良さそうに眠っている。
私はボンヤリと窓の外を見てもう随分と日が高いなとそんな感想を思って……
驚愕した。
私は慌てて、でも出来るだけ優しく、不敬のない様に、陛下を起こす。
「起きて下さい、陛下?」
優しく揺すってみたりする。
陛下は目を覚まして、でもまだ覚醒してない様で微睡んでいる。
「…………姫か……」
そう言って急にグッと私を抱き寄せる。
「⁉︎ 陛下⁉︎」
急に抱き締められて恥ずかしくなる。
「……」
陛下はまだ覚醒しないらしくて黙って私を抱いたままだ。
「陛下? あの……、起きて下さいっ! 大変ですっ」
陛下は瞼を閉じたまま私の声に答える。
「……ん? 何がだ……?」
「もう昼前です! どうしましょう! ご政務が……っ」
「……ああ、政務は全て宰相に任せてある……。儂のすべき事は無い……」
「⁉︎」
私はびっくりする。王様というのはとっても忙しい。
少なくともわたしの父、マグダラス王は毎日忙しく働いていた
「……陛下。それでは……この国の王が誰なのかわかりません……。宰相様はこの国の王なのですか……?」
陛下の腕が緩んだので、その腕から抜出して起き上がり、改まってベットの上に座る。
「……起き抜けに説教か……」
陛下の纏う空気が冷たくなる。
「……申し訳ありません……でも、ダメです。私は王が責任を果たさずに遊び暮らしていて良いとはどうしても思えません。」
陛下もノロノロと起き上がる。一つ大きな欠伸をした。
「……民が、血税が、と言った所か?」
「はい。責務を果たさない王は首を落とされてしまいます。」
「では聞く、姫。」
陛下は胡座をかき、その長い脚の上に頬杖を作ってこちらを見る。
「儂の首が落とされて、それがなんだ?儂が死んでもどうせ新たな王が即位し、国を存続させるだろう。
首一つ変わるだけで後は何も変わらぬ。
儂である意味などどこにも無い。
寧ろ儂であるよりマシかも知れん」
私はとても悲しい気持ちになった……
だって、それじゃまるで陛下は……
「陛下でなければいけません。」
きっぱり告げた。
「何故?」
陛下は姿勢を変えず、私をじっと見据える。
「陛下が首を落とされるという事は、その間動乱があります。無益な殺生がたくさん起きます。それが今現在の陛下が背負ってるモノです。それから……」
私は俯く。
悲しい気持ちを抑えられない。
陛下は俯く私を黙って見ている。
「……陛下に死んで欲しくありません……」
なんだか考えただけで悲しくなった。
……陛下は重責が辛いんだ。
多分背負ってるものの重みなんて全部全部わかってるんだ。
だからこそ、首を落とされたいんだ……
重責を果たせない自分は罰せられて当然だと思ってるんだ……
泣きそうになるけど、絶対ダメだ。
ここで泣くのは卑怯だ。
グッと手のひらを拳にして握りしめて、
ギュッと目を閉じる。
そして陛下の方を向き直す。
陛下は驚いた様な顔をしていた。
私の顔をじっと見つめてる。
私も陛下をじっと見つめ返す。
しばらくして、陛下が私の頬に優しく触れる。
「……そうか。わかった。」
陛下がフワリと笑った。私も気が緩んで、にへらと笑ってしまった。
10
あなたにおすすめの小説
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
イケメンとテンネン
流月るる
恋愛
ある事情から、イケメンと天然女子を毛嫌いする咲希。彼らを避けて生活していた、ある日のこと。ずっと思い続けてきた男友達が、天然女子と結婚することに! しかもその直後、彼氏に別れを告げられてしまった。思わぬダブルショックに落ち込む咲希。そんな彼女に、犬猿の仲である同僚の朝陽が声をかけてきた。イケメンは嫌い! と思いつつ、気晴らしのため飲みに行くと、なぜかホテルに連れ込まれてしまい――!? 天邪鬼なOLとイケメン同僚の、恋の攻防戦勃発!
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる