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レイティア姫の主宰で、爺の葬儀が執り行われた。
式が始まるまで忙しく働き、儀宰を中心にあれこれ指示していたが、
式が始まってからは委細は儀宰に任せ、儂の横に侍らせた。
それだけで姫が特別な存在である事を内外に示す事が出来る。
葬儀はなかなか上手く整えていた。
儀式の主宰など初めてだと言っていたレイティア姫だが、マグダラスでは母親である王妃と祭典の手伝いなどをしていたと言う。
祖父様の葬儀の時は100人の追従があった。
本人は1000人などと遺言したらしいが爺が聞き間違いだろうと流した。
故に簡素と言われ、儂は20人としたのだが、姫にはそれでも不満だったらしい。
儂の時には追従など要らんと言うつもりだったが、そんな悠長な事は赦されなかったようだ。
流石に今日は儂も軍服の正装で、髪は高い位置でまとめてある。
黒いベールのかかった帽子と黒服に身を包んでいる姫は、
やはりポロポロと涙を流して太公の死を悼んでいる。
逢魔が刻になり、篝火の焚かれた船団と共に太公の遺体を乗せた舟と追従の代わりとなった人形を乗せた舟団が沖へと進んでいく。
紫の空の中、どんどん沖へ沖へと流されて、篝火の灯りももう海の彼方に見えなくなった。
その後は酒席が開かれる。
その際も姫は儂の横に侍る。
儂になされる挨拶を一緒に受ける形になる。
姫が次期正妃である事は周知の事実になっているので、粗略に扱う者はさすがにいない。
表面的には官吏、諸侯、妾妃達、それぞれが姫に概ね丁寧な挨拶をしていた。
……腹の内は知らんが。
パーテロの一件は恐らく見せしめになったのだろう。
「陛下、この度は太公様の薨去お悔やみ申し上げます」
この深紅の髪と薄い灰の瞳の派手な女は儂の初めての妾妃となった、エルシー・ユーリア・マルッティネンだ。
この女は庶民の出だがその美貌を買われ、マルッティネン家の養女となり、儂の妾妃になった。
周知では、儂の初めての女という事になっている。
「ああ」
この女は妾妃達の派閥の一派の長だ。
「あら、次期御正妃様。
ご挨拶がなかったものですからこれがお初にお目にかかりますわね。エルシー・ユーリア・マルッティネンと申します。」
「レイティア・エレオノーラ・アルテーンと申します。お目文字叶って光栄です。ご挨拶が遅れました事、お詫び申し上げます。太公様のお見舞いとお慰めが第一かと思いまして」
「まぁ、それで太公様の懐に入られて覚えもめでたくていらしたのね、本当に羨ましいわ」
刺々しい言葉が次々と口から出てくる女だ。
「はい!太公様は本当にお優しくて、とても良くして下さいました」
ニッコリと笑顔で応えるレイティア姫。
恐らく姫は含みに気付いていない。
この返しが第一妾妃には嫌味に聞こえたのだろう。
「失礼致しますわ」
と、悔しそうに去っていった。
「……私何か怒らせる様な事しましたか?」
姫はキョトンとする。
「気にせずとも良い」
妾妃達が黙っている筈はないとは思っていたが、
恐らく、姫の正妃の派閥が出来て、三派閥になるのだろう。
……姫にその様な面倒を背負わせる気はないがな
式が始まるまで忙しく働き、儀宰を中心にあれこれ指示していたが、
式が始まってからは委細は儀宰に任せ、儂の横に侍らせた。
それだけで姫が特別な存在である事を内外に示す事が出来る。
葬儀はなかなか上手く整えていた。
儀式の主宰など初めてだと言っていたレイティア姫だが、マグダラスでは母親である王妃と祭典の手伝いなどをしていたと言う。
祖父様の葬儀の時は100人の追従があった。
本人は1000人などと遺言したらしいが爺が聞き間違いだろうと流した。
故に簡素と言われ、儂は20人としたのだが、姫にはそれでも不満だったらしい。
儂の時には追従など要らんと言うつもりだったが、そんな悠長な事は赦されなかったようだ。
流石に今日は儂も軍服の正装で、髪は高い位置でまとめてある。
黒いベールのかかった帽子と黒服に身を包んでいる姫は、
やはりポロポロと涙を流して太公の死を悼んでいる。
逢魔が刻になり、篝火の焚かれた船団と共に太公の遺体を乗せた舟と追従の代わりとなった人形を乗せた舟団が沖へと進んでいく。
紫の空の中、どんどん沖へ沖へと流されて、篝火の灯りももう海の彼方に見えなくなった。
その後は酒席が開かれる。
その際も姫は儂の横に侍る。
儂になされる挨拶を一緒に受ける形になる。
姫が次期正妃である事は周知の事実になっているので、粗略に扱う者はさすがにいない。
表面的には官吏、諸侯、妾妃達、それぞれが姫に概ね丁寧な挨拶をしていた。
……腹の内は知らんが。
パーテロの一件は恐らく見せしめになったのだろう。
「陛下、この度は太公様の薨去お悔やみ申し上げます」
この深紅の髪と薄い灰の瞳の派手な女は儂の初めての妾妃となった、エルシー・ユーリア・マルッティネンだ。
この女は庶民の出だがその美貌を買われ、マルッティネン家の養女となり、儂の妾妃になった。
周知では、儂の初めての女という事になっている。
「ああ」
この女は妾妃達の派閥の一派の長だ。
「あら、次期御正妃様。
ご挨拶がなかったものですからこれがお初にお目にかかりますわね。エルシー・ユーリア・マルッティネンと申します。」
「レイティア・エレオノーラ・アルテーンと申します。お目文字叶って光栄です。ご挨拶が遅れました事、お詫び申し上げます。太公様のお見舞いとお慰めが第一かと思いまして」
「まぁ、それで太公様の懐に入られて覚えもめでたくていらしたのね、本当に羨ましいわ」
刺々しい言葉が次々と口から出てくる女だ。
「はい!太公様は本当にお優しくて、とても良くして下さいました」
ニッコリと笑顔で応えるレイティア姫。
恐らく姫は含みに気付いていない。
この返しが第一妾妃には嫌味に聞こえたのだろう。
「失礼致しますわ」
と、悔しそうに去っていった。
「……私何か怒らせる様な事しましたか?」
姫はキョトンとする。
「気にせずとも良い」
妾妃達が黙っている筈はないとは思っていたが、
恐らく、姫の正妃の派閥が出来て、三派閥になるのだろう。
……姫にその様な面倒を背負わせる気はないがな
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