人質同然だったのに何故か普通の私が一目惚れされて溺愛されてしまいました

ツヅミツヅ

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 初めて私付きの侍女の皆さんに会った。
 総勢25名。
 皆口々に命を救われたと、お礼を言う。

「レイティア姫様に救われた御恩は働きで返させて頂きます」

 頭を下げて言ったヨハンナという女の子に声をかける。
「あの、ありがたいのだけど、一つ忘れてはいけない事があると思うんです」

 皆がはたと顔を上げる。
「私を含め、皆、陛下があるじであるという事を忘れてはいけないのですよ?感謝はどうか陛下にして下さいね?」

「いえ、姫様がいらっしゃらなければ、きっと陛下は御追従を命じられました。姫様が進言して下さったから私達は今ここにいられるのです」

「マリから聞きました。私達の代わりになると仰ってくださったと」

 マリが言う。
「姫様、ここにいる一同は諸侯や官吏の娘ですが、皆地の民との混血なのですよ」

 ヨハンナが続く。
「厄介払いとばかりに奉公に出されましたが、この城でも立場が弱いのです」

 イーリスと名乗った女の子が引き継ぐ。
「海の民の正当な血筋の方はそこに誇りを持っておられますから、私達の様な混血にはとても冷たいのです」

 きっと皆辛い思いをしてきたのだろう。

「そんな私達を庇って下さる方なんて姫様をおいて他にいません」
「私は姫様にお仕えしたいです」

 私は溜息が出そうなのを堪える。
 正直言うと、とても、重い。
 海の民と地の民の軋轢はマグダラスで貧しいとは言え、のほほんと暮らしていた私には今一つわからない。
 例えば、陛下はもちろん、軍師様はじめ、陛下の重臣の皆さんは名家の家柄で純粋な海の民の血を引いている方ばかりだけど、私に冷たく接した事なんてない。
 寧ろ、いつも優しく迎え入れてくれる。

 自分の中に純血だとか混血だとか、地の民だからどうだとか、そういう観念が無いので、
 皆の期待は凄く重くて、そして怖い。

 これから先の私の言葉は多分、凄く重たい意味を持つようになる。
 正妃になるってそういう事なんだろう。
 でもそれ以上にこの話は言葉を選ばなきゃいけない。
 彼女達を傷つけてはいけないから。

 そう思うととても、重い。

「ありがとうございます。とても嬉しいです。これからよろしくお願いしますね。
 でもくれぐれも陛下が何より優先されると覚えておいて下さいね?」
 私は笑って皆に言う。

 皆への目下の相談をする。
「早速皆に相談なのですけど……、お披露目のドレスなんですけど、私はこういう物にとても疎いんです。お任せしてしまって良いですか?」

「お任せ下さい! 我々が姫様を誰よりも可憐に仕上げさせて頂きます!」
 マリが張り切って声を上げる。

 そこから、布選びから始まって、ドレスのデザインなんかで皆盛り上がってた。
 ただあまり時間がないので、装飾品は陛下のお母様、今は亡き前正妃様が使っていた物を使いましょうという事になったらしい。

 ある物で充分なので、ほっとした。
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