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妾妃達がやりそうな事は大方想像がついた。
茶会に招待し針の筵にする、茶会を主宰させ失敗させる、その辺りだろう。
実際、レイティア姫宛に招待と要望の文が示し合わせた様に全員から届いていた。
全部儂が断らせた。
妾達の手出し出来ない、王家で主宰するお披露目の舞踏会を開く事にする。
その際に正式に正妃としての婚約を発表する事になった。
王妃の間のドローイングルームで夕食を摂った後、
その旨を姫に伝える。
「舞踏会を開く。正式な婚約を知らせるものだ」
姫は何故か恥入っている。
「……お恥ずかしいのですが、私来て行けるドレスがありません……」
「無いとはどういう事だ?」
「その、グリムヒルトに来る時にパーティドレスなどは持ってきていないのです……」
姫は少し顔を赤くして俯く。
「作らせれば良い。元よりそのつもりだが」
ドレスなど幾らでも作ればいい。
妾達も好きに作っている筈だ。
「でも、私はまだ客分です。道理から言えば、私の準備はマグダラスの国庫から出さなければダメでしょう?」
なるほど。真面目な姫らしい。
「わかった。儂の私財から出す」
「そんなのダメです!」
姫は慌てて頭を振る
「ではどうする?
グリムヒルトの国庫から出せぬが、準備は必要だ。
姫には爺の遺産があるが、奴の遺産などでお披露目のドレスを作るのは腹立たしい。故に儂が出す」
儂は腕を組み、長椅子に腰を下ろした。
「……本当に甘えてしまってもよろしいのですか?」
姫がおずおずと聞く。
儂は不意に思い至る。
「……一つ聞くが、姫のドレスがいつも同じ様な物なのは、無いからなのか?」
「……えっと……、はい……」
姫はそう答え、恥を越えて居た堪れなくなったのか、肩を落としている。
「わかった。それらも作らせる。……姫。困り事があるなら言えと言っておいた筈だが?」
姫をじっと見つめる。
「……その……あまり困っていなかったと言いますか……、マグダラスでも同じ様に生活していましたので、必要を感じなかったんです……」
姫は肩を落としたままそう語る。
「私はあまり服や装飾の類には興味がなくって……」
困った風に笑う姫を見て、儂も笑う。
「そうか。儂も同じだ」
「知っています」
クスクスと姫が笑う。
「ただ、今回ばかりはそういう訳にもいくまい。多少の見栄を張ってもらうぞ」
「はい。頑張ります」
といつもの朗らかな笑顔を見せた。
「ただ、頓着せぬ儂と姫ではどんなものが良いかもわからん。故に姫の側付きを増やす」
姫に手招きで儂の横に座る様促す。
「私はマリが居れば充分なのですが……」
姫が苦笑いをして儂の横にちょこんと座る。
「特に追従の候補に上がっていた侍女達が姫に付きたいと希望しておってな。命を助けられた恩義を感じておる様だ」
「違います。私は何も出来ませんでした。陛下が皆を説得して英断して下さったからです」
「姫は大きな思い違いをしているぞ。儂はその20人を選べと命じた張本人だ」
「でも、私の言を聞き届けて下さいました」
姫は屈託なく笑う。
「お前がどのように思おうと、侍女達はお前に救われたと思っておる。どちらにせよお披露目の夜会が終われば、後は姫の成人を待って、式を挙げる事になるだろう。それまでの準備などを考えたら人手は必要になる」
準備期間は半年。
そう考えるとなかなかの慌ただしさだ。
儂は言い添える。
「人選そのものは姫に任せる。よしなにせよ」
「はい。承りました」
茶会に招待し針の筵にする、茶会を主宰させ失敗させる、その辺りだろう。
実際、レイティア姫宛に招待と要望の文が示し合わせた様に全員から届いていた。
全部儂が断らせた。
妾達の手出し出来ない、王家で主宰するお披露目の舞踏会を開く事にする。
その際に正式に正妃としての婚約を発表する事になった。
王妃の間のドローイングルームで夕食を摂った後、
その旨を姫に伝える。
「舞踏会を開く。正式な婚約を知らせるものだ」
姫は何故か恥入っている。
「……お恥ずかしいのですが、私来て行けるドレスがありません……」
「無いとはどういう事だ?」
「その、グリムヒルトに来る時にパーティドレスなどは持ってきていないのです……」
姫は少し顔を赤くして俯く。
「作らせれば良い。元よりそのつもりだが」
ドレスなど幾らでも作ればいい。
妾達も好きに作っている筈だ。
「でも、私はまだ客分です。道理から言えば、私の準備はマグダラスの国庫から出さなければダメでしょう?」
なるほど。真面目な姫らしい。
「わかった。儂の私財から出す」
「そんなのダメです!」
姫は慌てて頭を振る
「ではどうする?
グリムヒルトの国庫から出せぬが、準備は必要だ。
姫には爺の遺産があるが、奴の遺産などでお披露目のドレスを作るのは腹立たしい。故に儂が出す」
儂は腕を組み、長椅子に腰を下ろした。
「……本当に甘えてしまってもよろしいのですか?」
姫がおずおずと聞く。
儂は不意に思い至る。
「……一つ聞くが、姫のドレスがいつも同じ様な物なのは、無いからなのか?」
「……えっと……、はい……」
姫はそう答え、恥を越えて居た堪れなくなったのか、肩を落としている。
「わかった。それらも作らせる。……姫。困り事があるなら言えと言っておいた筈だが?」
姫をじっと見つめる。
「……その……あまり困っていなかったと言いますか……、マグダラスでも同じ様に生活していましたので、必要を感じなかったんです……」
姫は肩を落としたままそう語る。
「私はあまり服や装飾の類には興味がなくって……」
困った風に笑う姫を見て、儂も笑う。
「そうか。儂も同じだ」
「知っています」
クスクスと姫が笑う。
「ただ、今回ばかりはそういう訳にもいくまい。多少の見栄を張ってもらうぞ」
「はい。頑張ります」
といつもの朗らかな笑顔を見せた。
「ただ、頓着せぬ儂と姫ではどんなものが良いかもわからん。故に姫の側付きを増やす」
姫に手招きで儂の横に座る様促す。
「私はマリが居れば充分なのですが……」
姫が苦笑いをして儂の横にちょこんと座る。
「特に追従の候補に上がっていた侍女達が姫に付きたいと希望しておってな。命を助けられた恩義を感じておる様だ」
「違います。私は何も出来ませんでした。陛下が皆を説得して英断して下さったからです」
「姫は大きな思い違いをしているぞ。儂はその20人を選べと命じた張本人だ」
「でも、私の言を聞き届けて下さいました」
姫は屈託なく笑う。
「お前がどのように思おうと、侍女達はお前に救われたと思っておる。どちらにせよお披露目の夜会が終われば、後は姫の成人を待って、式を挙げる事になるだろう。それまでの準備などを考えたら人手は必要になる」
準備期間は半年。
そう考えるとなかなかの慌ただしさだ。
儂は言い添える。
「人選そのものは姫に任せる。よしなにせよ」
「はい。承りました」
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