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もう一つの物語編

アイツがいない日々

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アイツがいない日々、お前がいないと
なんかつまんーね。

そんなことを思っていると、お前の居た 
日常がこんなに素晴らしいなんて
思わなかった、やっとわかった。

人間ってのは……その価値に
失った後でしか分からない。

まさに、僕自身がその通りだからだ。

「お兄ちゃん行こう」

愛衣は僕の手を引っ張り、その場所から
去るかのように何処か違う場所へと
向かう。

お墓、よかった……
お前に会えて、きっと司
また巡り会えるよな……?

「あぁ …… 」

一歩 一歩
未来へと近づいて行く、お前は確かに
もうそこには居ない。だけど時間ってのは
お前の死をただの経過としか見ない、それが
残酷だったとしても。

「司また来るよ」

もう、これ以上は失わない、そう思って
いた、だがそんな事は無かった。

もしも、この先僕自身が困難に陥ったら
お前はきっと何も言わずに無言で手を差し伸べたのだろう。

「お兄ちゃん行くよ!!」

「分かってるよ 」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

G連合
基地内にて。

「いつあの作戦実行するんだ?」

「ガイアナさんからの指示がまだだ 」

慌て始める中、1人男は落ち着いた様子
だった。

「てかよ?この前の件、てか一年前
あの奴 殺しまで指示してねぇって話だぜ 」

落ち着いた様子の男は
手を大理石のテーブルにのせ

「その拷問官はバラした 」

失敗は許されない、失敗は死だ。

モニター画面に金髪のロングの青目
の綺麗な女性が映る

「ハーイ!!皆さん コンバンワ~」

元気そうで、すごい賑やかな感じで
品のある女性だ。

「誰ですか?あの女? 」

指を指す若い連中

「馬鹿野郎ッ  ガイアナさんだ!! 」

その光景を見た、ガイアナは表情を
悪くした。

「そこにいるゴミハ~ 消毒デ 」

つまり殺せと言う事か、そしたら
G連合の幹部の一人 鬼のマルセスが
でてきた。

「G連合 処刑隊 隊長 マルセスだ!!」

大きな声で話す、マルセス
そして、その横で静かに眠る一人の
男が居た

「ガッハッハッハッハッハッハ」

でかい笑い声を出すマルセス、そして
そんなマルセスに灰皿を投げる男。

「うるさいYO  」

G連合 幹部
G連合の派生組、gR連合 連合長 グラン
G連合の派生組を持っているのは
グランともう一人 いる。

「おー!!グラン!!久しぶりだな
ガッハッハッハッハッハ 」

マルセスはグランの肩を掴み
仲良しを思わせた、そこに居るG連合
の下っ端共に。

「暑苦しいYO 」

楽しい会話をしているが……
コイツらは立派な犯罪集団だ。

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警視庁 極悪犯罪課
通称  ゴクハン

新しく警視庁に設けられた課である。
G連合の為に出来たと言っても過言では
ない。

「柳沢!! 」

「はい!」

「G連合のグラン別件で引っ張れる
って話本当か?」

「すいません!!それが何故だか
引っ張れ無くなってしまって 」

揉み消し、よくある事だ
クソッ 前にグランが振り込め詐欺をして
いて、詐欺罪でパクれると思ったのにな。

「あの一年前のバラバラ事件
結局どうなったんですか?」

カップルがバラバラ遺体になって
発見された事件、彼女の方は見つかるのに
数日が経過したとか。

「揉み消し 揉み消し!!」

「揉み消しが最近多いっすね 」

何の為のゴクハンなんだか、もしかして
名前だけなのか?
そして、ここにいるメンバーは全員
お払い箱って訳か?

ゴクハンって名前だけで、案外
ゴミの寄せ集めの課なのか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「下水管掃除!!」

「ヘドロがすごい 」

下水管の中の掃除は定期的にある。


「おもちゃ売り場でゲロがでたらしい 
高城行ってきてくれ 」

「部長!! 了解しました!! 」

歩こうとした瞬間、何かを思い出した
のか足を止める。

「木山の奴やめたんですか? 」

「やめてはいない、ただ長期的に
休みが欲しいと、後一週間くらいで
 復帰する 」

「そうですか…… おもちゃ売り場
二階と五階どっちですか?」

「あれ?どっちだっけ?
二階と五階両方行ってきてくれ!!
すまん 」

「了解しました!!」

時間は流れる、もう昨日は無いんだ
同じ時間は二度と来ない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今を生きる、それだけだ。
これから先どうなるかなんてわかんない
でも…… もしこの世界に救いがあるなら
今だけは抗ってもいいのかな?
抗って 抗って 抗って 抗った先に見えるのが
救いなら僕はそれを……。


「堪能したい 」

今まであった物はもう無い、今ある物が
全てなんだ、無い物を数えてたって
仕方ない、ならある物を数えればいい。

「愛衣 …… 」

「ん?」

僕は口を開けた、そして未来を見つめた。
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