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威望

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「お兄様…… この傷は一体何なん
ですか? 」

俺は、なんとか命を取り止めた、と言うか
妹の適正な治療が役に立った

「なんでもねーよ 」

傷は癒えても、心の傷は絶対に癒えることは
ないんだ…… だからこれからも心の傷は背負わないといけないんだ。

「お兄様疲れましたよね? 休んでいいん
ですよ…… 」

妹は俺の頭を自分の膝の上に乗せた

「泣いてもいいんですよ 」

妹の部屋、妹の匂いでいっぱいだ
俺たちは家族なんだ……遠慮する関係とか
ではないんだ……。

一気に込み上げたなんかの思いが…… 
漏れ始めた

「う…… ぅぅあああああああああ 」

妹は優しく俺の頭を撫でた
その妹の優しい手のひらを頭で感じる
そんな暖かさがまた俺を泣かせる

「いっぱい泣いていいんですよ……お兄様 」

何だそりゃあ…… 自分の口では止めよう
とはしてるんだが…… 身体が言うことを
聞かない…… 涙が止まらない。

「なぁ?アユ お前 妹さん大事にしろよな 」

和也がそう言えば言ってたよな……
俺に妹が出来たのをアイツが見破った時

「大事にするのかよ…… だってあっち
だって俺を知らんぷりするぜ 」

「それでもだ!! 妹さんはお前を頼りに
してるから…… お前と暮らすようにしたん
だろ?ならそれに答えろよ 」

「そっかな…… 」

「そうだよ!! 」

和也は優しい、そして勇敢だ、俺とは
大違いだ…… だからおれも和也を好きに
なったのかもしれないダチとして……
和也はいまでも最高のダチだ!!それは
俺の中で変わることのない事実 。

「アサ どうすんの? 」

アサの自宅にて

シンがアサの側に行き……。

「ねー? ヤる? 」

アサがシンにそう言うと 

「今日は乗り気じゃねーよー 」

そして、シンがコンビニでボコボコに
したアユのはなしを持ち込んできた

「てか…… あのボコった奴…… 高城アユ
でしょ? 高城産業の? 違う? 」

「あーそうだよ…… まあこの前親父さん
亡くなったらしいけどね 」

そして、アサがシンの顔を見つめると

「まぁ…… 高城産業だろうが知らないけど
アユは必ず殺すから 」

「了解 」

人は常に罠を貼り続ける生き物、その罠に
掛かる人はこの世界にはたくさんいる……
だから俺たちはそれに気づき、自分自身で
戦わないといけない…… そしてその罠を
受け入れないといけない…… 世界は常に
矛盾で満ちているのだから……。

「お兄様 食事の方はどうしますか? 」

と、妹が離れた瞬間、俺は妹に抱きつき

「ど…… どうしたんですか?お兄様 」

なんか照れている妹、あれ?自分から
抱きついてくるくせに 俺からの抱きつき
には慣れてないのか……?  謎い。

「お前といまはこうしていたい 」

「で…… でも…… その恥ずかしいです
お兄様 」

「俺とは嫌なのか? 」

何でそんな甘えた目で見てくるんですか
お兄様…… 私、そんな目で見られたら……
見られたら…… たら…… た……ら……

「おい! 俺とは嫌なのかよ? あ? 」

妹の頭の中に急に映像がはいってきた
要するに何かを思い出したと言う事なのか

「嫌っ!!やめて!! 」

いま、嫌がっているのは私自身だ……
そして、無抵抗な私を……いじめているのは

「いいじゃねーかーよ!! 」

「いやああああああああ!! 」

そして、映像は消えた。

「おい…… 大丈夫か? 」

「は…… はい 大丈夫です お兄様 」

「俺はお前に何かあったら……すぐに
飛び出すからな 」

ねぇ?お兄様私、2年前の丁度今日
河川敷で強姦をされました…… 強姦をした
犯人は未だに捕まっていません、そもそも
警察官が悪徳だったのか知りませんが……
私を相手にしてくれませんでした、どうせ
若いんだから…… 援助交際とかして金巻き上げんのを失敗して、強姦罪にして訴えようと
してんだろって……。

「おい! 聞いてんのか? 」

「どうしました?お兄様 」

妹の様子がおかしい、何か変な物でも
見たかのようなそんな顔だ

「大丈夫か? 」

「大丈夫です…… お兄様 」

「でも、顔色悪かったぞ 」

「お兄様無闇に女の子にあれこれを
詮索するものではないですよ……お兄様
それは有罪ギルティですよ…… 」

妹の声はいまでも泣きそうな声だった
俺がさっき泣いたばかりだってのに……。

「私はもう寝ます  」

「そっか 」

俺は、妹の部屋を出て、二階にある自分の
部屋に戻った。

ふいに考えた、一人になればなるほど
寂しさは増していく……。

そして、俺はいつもの癖で、スマホを開き
和也に明日遊べる?ってメールを送って
しまった……。

「やべ……  」

そして、妹の部屋では

「お兄様何で…… 何で…… 記憶障害
なんかになってしまわれたのですか……
どうして、私だけ忘れてるんですか……
意味が私にはわかりません 」

そして、俺は……生きる決意した
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