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ひとりでいる顔
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王宮・高等評議会室では、重厚な扉が閉じられた瞬間、空気が張り詰めた。
居並ぶのは、両陛下、宰相、閣僚、重臣、騎士団長、そして――王太子シリル。
中央に立たされているのは、クラーク・カークランド公爵。長年、王宮で“影の実力者”と囁かれてきた男だ。
「……では、始めよう」
宰相ローレンスの低い声を合図に、証言と証拠が淡々と読み上げられていく。
梁の固定不良。
香料袋の投擲。
複数の下請け職人への金の流れ。
そして――実行犯の自白。
「梁の固定不良?香料袋の投擲?下請け職人への金の流れ?そして、実行犯の“自白”……」
カークランド公爵は、指を組み、薄く笑った。
「ほう。どれも単体では“偶然”と片付けられる話だ。しかも、その自白とやらも、裏付けのない証言に過ぎん」
「状況証拠をいくら積み上げても――それが“わたしが指示した”という直接の証明にはならない。違いますかな?」
その瞬間。
「関係が“ない”とは、言わせませんわ」
澄んだ声が、室内を切り裂いた。全員の視線が、一斉に向く。アナスタシア・ヴェルデン公爵令嬢が、豊かな髪を背に流し、一歩、前へ出る。
「ええ。すべて状況証拠ですわ。ですが――状況が三度、同じ方向を指せば、それは“偶然”ではございません」
「……“誰かの指示”ですわ、カークランド公爵閣下」
張りつめた静寂が、一瞬、場を支配した。
「カークランド公爵。あなたは、事故を“偶然”に見せるため、その都度、三つの共通点を残しました」
クラークの眉が、わずかに動く。
「第一に――依頼はすべて、同じ商会を経由している。
第二に――支払いは、必ず三日以内。
第三に――失敗した駒は、必ず……切り捨てた」
彼女は、書類を一枚、静かに掲げた。
「こちらは、王都第三倉庫の帳簿。名義は別ですが……筆跡、癖、数字の書き方。すべて、カークランド公爵家の家令の筆跡と一致しましたわ」
ざわめきが起こる。
クラーク公爵は、低く笑った。
「……それだけで、わたしを断罪するおつもりか?小娘の思い込みでは――」
「“小娘”?」
アナスタシアは、微笑んだ。それは、氷のように冷たい微笑だった。
「でしたら――こちらはいかが?」
彼女が合図すると、扉が開く。
入ってきたのは、第一騎士団長。その後ろに続くのは――震える実行犯、主席審査官ケビン・コーベリ伯爵、その人だった。
「コーベリ伯爵は、あなたの“次の口封じ”が間に合わなかった人物ですわ」
ケビンは、床に膝をついた。
「……私は……命令された!カークランド公爵家の名で……っ!」
その声が、評議会室に響いた瞬間。
クラーク公爵の表情が、初めて歪んだ。
「……黙れ、小者が!――」
「お黙りなさい!」
アナスタシアの声は、低く、しかし鋭い。
「あなたは、“事故”でわたくしを排除し、王太子殿下の婚約者候補を一人ずつ消していくおつもりでした」
彼女は、真っ直ぐに公爵を見据える。
「恐怖で人を縛り、沈黙で地位を守り、切り捨てた駒は処分する」
一歩、近づく。
「――もう、そのやり方は通用しませんわ」
室内は、完全な沈黙。
王太子シリルが、静かに口を開いた。
「クラーク・カークランド公爵。これ以上の弁明はあるか?」
公爵は、何か言いかけ――そして、悟った。
逃げ場がない。
「……っ」
宰相ローレンスが宣告する。
「よって、カークランド公爵を拘束。爵位剥奪、全資産凍結。関係者の徹底調査を行う。ケビン・コーベリ伯爵には、おって沙汰をくだす。連れて行け!」
騎士たちが、前に出る。
間をおいて、アナスタシアが口を開いた。
「ええ、簡単ですわ」
――余裕の微笑。
「だって、わたくしは、“駒”ではありませんもの……」
そして、アナスタシアは一歩だけ近づいた。
その声は低く、澄み切っていて、逃げ場がない。
「盤を読む側ですの。――そして、今しがた“詰み”ましたわ」
クラーク公爵の顔から、血の気が引いた。そして、ガックリと項垂れた。
____バタンッ! 扉が閉じる。
すべてが、終わった。
その背中を見送りながら、シリル王太子が小さく息を吐く。
「……見事だった」
アナスタシアは、視線を伏せ、いつもの淑女の微笑みに戻った。
「いいえ。わたくしは、ただ――事実を並べただけですわ」
それが、剣も血も使わずに恐怖を終わらせた、アナスタシアの一手だった。
断罪の翌日。王宮は、何事もなかったかのように動いていた。
カークランド公爵の名は、口にすることすら忌避され、人々は「正義が勝った」と安堵の溜息をつく。
――けれど。ヴェルデン公爵家の私室で、アナスタシアは一人、窓辺に立っていた。
庭に差し込む光は穏やかで、昨日までの嵐が嘘のようだ。
(……終わった、のね)
確かに勝った。恐怖で人を縛るクラーク公爵を、完全に表舞台から引きずり下ろした。けれど、アナスタシアの胸の奥は、妙に静かだった。
怒りもない。達成感もない。ただの……空白。
(みんな……安堵している)
侍女たちは、以前より丁寧になった。貴族たちは、距離を測るような視線を向ける。十七歳の公爵令嬢へ向ける敬意。畏怖。そして――無意識の壁。
( もう、軽々しく話しかけられる存在では、ないのね。)
今の自分は、もう――“裁いた側”だ。
椅子に腰を下ろし、そっと自分の手を握る。
(強くなれば、なるほど……ひとりになる)
理解していたはずの代償だった。受け入れたつもりでいた――はずなのに。
だって、エドワード殿下の婚約者だった当時でさえ、アナスタシアは孤独だったのだから。
――コンコン。
控えめなノックの音が、静寂を叩いた。
「……失礼するよ」
最近では、すでに聞き慣れてしまった声。
本来、予定にはなかったはずの――シリル王太子の突然の訪問だった。家令の案内もなく、直接かけられた声に、逃げ道はない。
アナスタシアは反射的に立ち上がり、いつもの微笑を作る。
「ごきげんよう、シリル殿下。本日は、どのようなご用向きでしょうか?」
淑女として完璧な微笑み。非の打ち所のない声音と所作。
――けれど。
シリルは、その微笑みを見て、ほんの少しだけ眉を下げた。
「……“みんなの前の顔"だね、それ」
アナスタシアの指先が、わずかに震えた。
「シリル……殿下、何を――」
「昨日の君は、見事だった。誰もがそう言うし、否定の余地もない」
一歩、距離が縮まる。
「でも――」
声が、低く落とされる。
「戦いは終わったはずなのに、ひとりでいる顔をしている」
――それは、鎧の隙間に届いた声。
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられた。
(……どうして)
誰にも見せていないはずだった。兄にさえ、決して。
「殿下……それは、買いかぶりですわーー」
そう言いかけて、言葉が途切れる。
シリルは、優しく――けれど逃がさない眼差しで続けた。
「君は、強い。だから皆、安心して、君に委ねる」
そして、静かに。
「でも――君を支える側に、誰も立たなくなっている」
その言葉が、胸の奥に沈んでいく。
アナスタシアは、初めて視線を逸らした。
「……それが、筆頭公爵家ヴェルデンに生まれた者としての役目ですから」
「違う」
即答だった。
「それは、君が“選んだ役”じゃない」
沈黙。
窓の外で、風が木々を揺らす音だけが響く。
シリルは、ほんの少しだけ声を和らげた。
「ねえ、アナスタシア。強くあることと、独りでいることは、同義じゃない」
浮かべた微笑みは、王太子のものではなく――ただの、一人の青年のものだった。
「少なくとも、僕は……君が一人で立ち続ける必要はないと思っている」
アナスタシアの瞳が、かすかに潤む。
(……ずるい)
こんな言葉を、今まで誰も言ってくれなかった。
「シリル……殿下……」
声が、震える。
「それは……」
「返事はいらない」
シリルは、静かに遮った。
「ただ覚えていてほしい。君が孤独を選ぶなら、止めはしない」
そして――最後に。
「でも、君が“ひとりの少女アナスタシアでいられる場所”は、ちゃんと、ここにある」
その瞬間。
アナスタシアは初めて――勝者でも、裁く者でもない、ただの少女として、息を吐いた。
正義の勝利の代償は、確かに孤独だった。――けれど、それを見抜く目が、そばにある限り。
彼女は、完全には、独りではなかった。
これは、ひとつ歳下のシリル王太子が――アナスタシアを“奪いに行く男”として覚悟を決めた、静かな訪問だった。
________________
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シリル、無理……尊い……語彙が消えました……💘💘
居並ぶのは、両陛下、宰相、閣僚、重臣、騎士団長、そして――王太子シリル。
中央に立たされているのは、クラーク・カークランド公爵。長年、王宮で“影の実力者”と囁かれてきた男だ。
「……では、始めよう」
宰相ローレンスの低い声を合図に、証言と証拠が淡々と読み上げられていく。
梁の固定不良。
香料袋の投擲。
複数の下請け職人への金の流れ。
そして――実行犯の自白。
「梁の固定不良?香料袋の投擲?下請け職人への金の流れ?そして、実行犯の“自白”……」
カークランド公爵は、指を組み、薄く笑った。
「ほう。どれも単体では“偶然”と片付けられる話だ。しかも、その自白とやらも、裏付けのない証言に過ぎん」
「状況証拠をいくら積み上げても――それが“わたしが指示した”という直接の証明にはならない。違いますかな?」
その瞬間。
「関係が“ない”とは、言わせませんわ」
澄んだ声が、室内を切り裂いた。全員の視線が、一斉に向く。アナスタシア・ヴェルデン公爵令嬢が、豊かな髪を背に流し、一歩、前へ出る。
「ええ。すべて状況証拠ですわ。ですが――状況が三度、同じ方向を指せば、それは“偶然”ではございません」
「……“誰かの指示”ですわ、カークランド公爵閣下」
張りつめた静寂が、一瞬、場を支配した。
「カークランド公爵。あなたは、事故を“偶然”に見せるため、その都度、三つの共通点を残しました」
クラークの眉が、わずかに動く。
「第一に――依頼はすべて、同じ商会を経由している。
第二に――支払いは、必ず三日以内。
第三に――失敗した駒は、必ず……切り捨てた」
彼女は、書類を一枚、静かに掲げた。
「こちらは、王都第三倉庫の帳簿。名義は別ですが……筆跡、癖、数字の書き方。すべて、カークランド公爵家の家令の筆跡と一致しましたわ」
ざわめきが起こる。
クラーク公爵は、低く笑った。
「……それだけで、わたしを断罪するおつもりか?小娘の思い込みでは――」
「“小娘”?」
アナスタシアは、微笑んだ。それは、氷のように冷たい微笑だった。
「でしたら――こちらはいかが?」
彼女が合図すると、扉が開く。
入ってきたのは、第一騎士団長。その後ろに続くのは――震える実行犯、主席審査官ケビン・コーベリ伯爵、その人だった。
「コーベリ伯爵は、あなたの“次の口封じ”が間に合わなかった人物ですわ」
ケビンは、床に膝をついた。
「……私は……命令された!カークランド公爵家の名で……っ!」
その声が、評議会室に響いた瞬間。
クラーク公爵の表情が、初めて歪んだ。
「……黙れ、小者が!――」
「お黙りなさい!」
アナスタシアの声は、低く、しかし鋭い。
「あなたは、“事故”でわたくしを排除し、王太子殿下の婚約者候補を一人ずつ消していくおつもりでした」
彼女は、真っ直ぐに公爵を見据える。
「恐怖で人を縛り、沈黙で地位を守り、切り捨てた駒は処分する」
一歩、近づく。
「――もう、そのやり方は通用しませんわ」
室内は、完全な沈黙。
王太子シリルが、静かに口を開いた。
「クラーク・カークランド公爵。これ以上の弁明はあるか?」
公爵は、何か言いかけ――そして、悟った。
逃げ場がない。
「……っ」
宰相ローレンスが宣告する。
「よって、カークランド公爵を拘束。爵位剥奪、全資産凍結。関係者の徹底調査を行う。ケビン・コーベリ伯爵には、おって沙汰をくだす。連れて行け!」
騎士たちが、前に出る。
間をおいて、アナスタシアが口を開いた。
「ええ、簡単ですわ」
――余裕の微笑。
「だって、わたくしは、“駒”ではありませんもの……」
そして、アナスタシアは一歩だけ近づいた。
その声は低く、澄み切っていて、逃げ場がない。
「盤を読む側ですの。――そして、今しがた“詰み”ましたわ」
クラーク公爵の顔から、血の気が引いた。そして、ガックリと項垂れた。
____バタンッ! 扉が閉じる。
すべてが、終わった。
その背中を見送りながら、シリル王太子が小さく息を吐く。
「……見事だった」
アナスタシアは、視線を伏せ、いつもの淑女の微笑みに戻った。
「いいえ。わたくしは、ただ――事実を並べただけですわ」
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断罪の翌日。王宮は、何事もなかったかのように動いていた。
カークランド公爵の名は、口にすることすら忌避され、人々は「正義が勝った」と安堵の溜息をつく。
――けれど。ヴェルデン公爵家の私室で、アナスタシアは一人、窓辺に立っていた。
庭に差し込む光は穏やかで、昨日までの嵐が嘘のようだ。
(……終わった、のね)
確かに勝った。恐怖で人を縛るクラーク公爵を、完全に表舞台から引きずり下ろした。けれど、アナスタシアの胸の奥は、妙に静かだった。
怒りもない。達成感もない。ただの……空白。
(みんな……安堵している)
侍女たちは、以前より丁寧になった。貴族たちは、距離を測るような視線を向ける。十七歳の公爵令嬢へ向ける敬意。畏怖。そして――無意識の壁。
( もう、軽々しく話しかけられる存在では、ないのね。)
今の自分は、もう――“裁いた側”だ。
椅子に腰を下ろし、そっと自分の手を握る。
(強くなれば、なるほど……ひとりになる)
理解していたはずの代償だった。受け入れたつもりでいた――はずなのに。
だって、エドワード殿下の婚約者だった当時でさえ、アナスタシアは孤独だったのだから。
――コンコン。
控えめなノックの音が、静寂を叩いた。
「……失礼するよ」
最近では、すでに聞き慣れてしまった声。
本来、予定にはなかったはずの――シリル王太子の突然の訪問だった。家令の案内もなく、直接かけられた声に、逃げ道はない。
アナスタシアは反射的に立ち上がり、いつもの微笑を作る。
「ごきげんよう、シリル殿下。本日は、どのようなご用向きでしょうか?」
淑女として完璧な微笑み。非の打ち所のない声音と所作。
――けれど。
シリルは、その微笑みを見て、ほんの少しだけ眉を下げた。
「……“みんなの前の顔"だね、それ」
アナスタシアの指先が、わずかに震えた。
「シリル……殿下、何を――」
「昨日の君は、見事だった。誰もがそう言うし、否定の余地もない」
一歩、距離が縮まる。
「でも――」
声が、低く落とされる。
「戦いは終わったはずなのに、ひとりでいる顔をしている」
――それは、鎧の隙間に届いた声。
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられた。
(……どうして)
誰にも見せていないはずだった。兄にさえ、決して。
「殿下……それは、買いかぶりですわーー」
そう言いかけて、言葉が途切れる。
シリルは、優しく――けれど逃がさない眼差しで続けた。
「君は、強い。だから皆、安心して、君に委ねる」
そして、静かに。
「でも――君を支える側に、誰も立たなくなっている」
その言葉が、胸の奥に沈んでいく。
アナスタシアは、初めて視線を逸らした。
「……それが、筆頭公爵家ヴェルデンに生まれた者としての役目ですから」
「違う」
即答だった。
「それは、君が“選んだ役”じゃない」
沈黙。
窓の外で、風が木々を揺らす音だけが響く。
シリルは、ほんの少しだけ声を和らげた。
「ねえ、アナスタシア。強くあることと、独りでいることは、同義じゃない」
浮かべた微笑みは、王太子のものではなく――ただの、一人の青年のものだった。
「少なくとも、僕は……君が一人で立ち続ける必要はないと思っている」
アナスタシアの瞳が、かすかに潤む。
(……ずるい)
こんな言葉を、今まで誰も言ってくれなかった。
「シリル……殿下……」
声が、震える。
「それは……」
「返事はいらない」
シリルは、静かに遮った。
「ただ覚えていてほしい。君が孤独を選ぶなら、止めはしない」
そして――最後に。
「でも、君が“ひとりの少女アナスタシアでいられる場所”は、ちゃんと、ここにある」
その瞬間。
アナスタシアは初めて――勝者でも、裁く者でもない、ただの少女として、息を吐いた。
正義の勝利の代償は、確かに孤独だった。――けれど、それを見抜く目が、そばにある限り。
彼女は、完全には、独りではなかった。
これは、ひとつ歳下のシリル王太子が――アナスタシアを“奪いに行く男”として覚悟を決めた、静かな訪問だった。
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