59 / 93
揺れる想いの向こうに
しおりを挟む
ローゼンタール王国、トルドー公爵家。
アナスタシアは、馬車を降りて広々とした庭園を歩く。陽射しが優しく差し込み、花々が微かに香る。久しぶりの土地に心が弾む一方で、王宮での重苦しい日々の記憶が、胸の奥でかすかに疼いた。
「やあ、アナスタシア。また、美しくなったな」
庭園の奥から声が響いた。振り向くと、ライナスが立っていた。
二十歳――彼もまた、少年の面影を残しながらも、しっかりとした大人の気配を纏っている。幼馴染として育ったはずの相手だが、その変化にアナスタシアは微かに息を呑む。
「ライナス……お久しぶりね」
アナスタシアは自然に微笑む。王宮では強く、冷静であろうと努めていたが、ここでは幼い頃の距離感が戻ってくるような安堵を覚える。
「お前を二度も捨てた王家なんか、もう気にする必要はない。ここで思う存分、自分の道を歩けばいい。俺は――俺はお前が好きだ」
ライナスの瞳は真っ直ぐで、言葉に迷いはない。
アナスタシアの心に、ふと胸の奥が熱くなる感覚が走った。
その瞬間、ミランダ伯母様が苦笑混じりに現れる。
「到着早々、あんまり押せ押せだと、強引な男は女性に嫌われるわよ」
ライナスは肩をすくめるように笑ったが、視線は逸らさない。
アナスタシアもまた、その瞳を避けようとはしなかった。互いに遠慮のない、しかしどこか懐かしい距離感。言葉にしなくても伝わる、幼馴染ならではの呼吸。
「ええ、でも……こんなに早く会えるなんて思っていなかったわ」
アナスタシアの声は柔らかく、かつての幼い日々を思い出すように響いた。ライナスの笑顔に、胸の奥で小さな波が立つ。
「俺もだよ。アナスタシアに会えるのを、ずっと楽しみにしていた」
彼の声には、喜びと、少しの照れも混ざる。長年の友情を超えた感情が、静かに滲み出る瞬間だ。
庭園の噴水を中心に、二人はゆっくりと歩く。花の香りと小鳥の囀りが、会話の間を柔らかく埋める。ライナスは幼い頃の習慣で、アナスタシアの手を軽く取ろうとするが、すぐに思いとどまる。アナスタシアも微笑みながら、手の感触を覚えている。
「ローゼンタールに来るのは、これが初めてね」
「そうだな。でも、お前が来ると知って、色々と準備しておいたんだ。庭の花も、食事も。お前に喜んでもらいたくて」
ライナスの言葉には、少年の頃の無邪気さと、大人になった今の誠実さが同居していた。
アナスタシアは胸の奥で、じんわりと温かいものを感じる。
「ありがとう、ライナス。心遣い、嬉しいわ」
アナスタシアの声に、自然な柔らかさが戻る。王宮での冷徹な顔とは違う、自分らしい笑顔。
ライナスもそれに応えるように、微笑みを深めた。
二人は庭を抜け、公爵家の広間へと向かう。そこで待つのは、誕生祝賀会の準備。豪華な装飾や、程よく整えられた食卓。しかし、アナスタシアにとっては、そのすべてよりも、ライナスとの再会のほうが胸に響く。
「アナスタシア……俺は、お前のやりたいことがあれば、ここで思い切りやればいいと思う。王家や王子たちのように縛られることもない」
ライナスの声には、真摯な誠意が宿っている。
アナスタシアの心は、少年の頃の無邪気な笑顔を思い出しながら、しかし大人としての責任感と希望の間で揺れる。
「ありがとう、ライナス。あなたの想いは、わたしの力になるわ」
アナスタシアは深く頷き、胸の奥で小さな決意を固めた。
王宮では許されなかった自由が、ここにはある。そして、彼女の政策を支えた経験は、この地でも活かされるだろう。
二人の距離は、言葉以上に心で通じ合っている。幼馴染としての親しさ、大人としての敬意、そして互いに感じる小さな想い――そのすべてが、静かに、しかし確かに心を結びつけていた。
「アナスタシア、滞在中はゆっくり過ごして欲しい」
「ええ、ありがとう。お世話になります」
公爵家の広間に、笑い声と祝福の空気が満ちる。アナスタシアは、静かに胸を膨らませる。王宮での戦いを終え、ようやく心から自由を感じる瞬間。だが、胸の奥には、まだ守り抜くべき記憶と、成し遂げた政策の自負も残っている。
ライナスは、再会の喜びに胸を躍らせながら、ふと小さく呟いた。
「アナスタシア……俺は、お前がずっと幸せでいてほしい」
その言葉に、アナスタシアはわずかに笑みを返す。王家に縛られず、自分自身として生きられる場所。幼馴染と過ごすこの時間が、彼女にとって新しい希望となるのだった。
ミランダは、午後の陽が差し込む応接間で、静かに紅茶を口にした。
その仕草はいつもと変わらない穏やかさを保っているが、アナスタシアには、その瞳の奥にある真剣さがはっきりと見えた。
「……アナスタシア」
名を呼ばれ、彼女は背筋を正す。
「ライナスはね、あなたに本気よ」
一切の前置きも、婉曲もない言葉だった。
ミランダはカップを置き、まっすぐにアナスタシアを見つめる。
「トルドー公爵家の嫡男が、二十歳になっても正式な婚約者を置かないなんて、常識的には異常です。ええ、はっきり言ってしまえばね」
責めるような口調ではない。
だが、その言葉は重く、逃げ場がなかった。
「それでも、あの子は誰にも応じなかった。縁談は、いくつもあったのよ。公爵家としても、国としても、悪くない話ばかりだったのよ」
ミランダは小さく息をつき、続ける。
「それでも、あの子は首を縦に振らなかった。理由は、あなたよ、アナスタシア」
胸の奥が、静かに軋んだ。
「あなたが王家に縛られている間も、婚約が解消されたあとも……ライナスは、ずっと待っていたのよ。希望を捨てずにね」
それは、母として誇らしい息子の姿でもあり、同時に――危うさを孕んだ想いでもある。
「だから……あなたに、お願いがあるの」
ミランダの声は、柔らかいが、揺るがない。
「本気で、ライナスとの婚約を考えてみてくれないかしら?」
一拍、沈黙が落ちる。
「もし――あなたの答えが『ノー』なら」
ミランダは視線を逸らさず、静かに言った。
「その時は、どうか、あの子をきっぱりと振ってちょうだい。
曖昧な優しさは、希望を長引かせるだけ。あの子にとって、それが一番残酷なのよ」
母として、息子を守るための言葉だった。
同時に、アナスタシアを責めないための、最大限の配慮でもある。
「あなたは、もう誰かの都合で人生を縛られる必要はない。
だからこそ――選ぶなら、あなた自身の意思で。選ばないなら、それも、はっきりと」
応接間に、静かな空気が満ちる。
アナスタシアは、しばらく言葉を探してから、ゆっくりと口を開いた。
「……わかりました。ミランダ伯母様」
その声は、落ち着いていた。
「ライナスの気持ちも、伯母様の想いも、きちんと受け止めます」
彼女は微笑んだが、その表情には、軽さはない。
(――もう、逃げることも、流されることも、許されない)
それは重荷ではなく、ようやく与えられた“自分で選ぶ権利”だった。
ミランダは、その表情を見て、わずかに目を細める。
「ええ。急がなくていいわ。
ただ、あなたが自分の人生を、あなたの足で選ぶこと。それだけを願っているわ」
そこで、ミランダは悪戯っぽく笑う。
「親の欲目かもしれないけれど、あの子、カッコよくて大人気なのよ。ふふふ」
母としての愛情と、政治家の家に生きる女性としての現実。
その両方を知る者だけが持つ、静かな強さが、そこにはあった。
______________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇
アナスタシアは、馬車を降りて広々とした庭園を歩く。陽射しが優しく差し込み、花々が微かに香る。久しぶりの土地に心が弾む一方で、王宮での重苦しい日々の記憶が、胸の奥でかすかに疼いた。
「やあ、アナスタシア。また、美しくなったな」
庭園の奥から声が響いた。振り向くと、ライナスが立っていた。
二十歳――彼もまた、少年の面影を残しながらも、しっかりとした大人の気配を纏っている。幼馴染として育ったはずの相手だが、その変化にアナスタシアは微かに息を呑む。
「ライナス……お久しぶりね」
アナスタシアは自然に微笑む。王宮では強く、冷静であろうと努めていたが、ここでは幼い頃の距離感が戻ってくるような安堵を覚える。
「お前を二度も捨てた王家なんか、もう気にする必要はない。ここで思う存分、自分の道を歩けばいい。俺は――俺はお前が好きだ」
ライナスの瞳は真っ直ぐで、言葉に迷いはない。
アナスタシアの心に、ふと胸の奥が熱くなる感覚が走った。
その瞬間、ミランダ伯母様が苦笑混じりに現れる。
「到着早々、あんまり押せ押せだと、強引な男は女性に嫌われるわよ」
ライナスは肩をすくめるように笑ったが、視線は逸らさない。
アナスタシアもまた、その瞳を避けようとはしなかった。互いに遠慮のない、しかしどこか懐かしい距離感。言葉にしなくても伝わる、幼馴染ならではの呼吸。
「ええ、でも……こんなに早く会えるなんて思っていなかったわ」
アナスタシアの声は柔らかく、かつての幼い日々を思い出すように響いた。ライナスの笑顔に、胸の奥で小さな波が立つ。
「俺もだよ。アナスタシアに会えるのを、ずっと楽しみにしていた」
彼の声には、喜びと、少しの照れも混ざる。長年の友情を超えた感情が、静かに滲み出る瞬間だ。
庭園の噴水を中心に、二人はゆっくりと歩く。花の香りと小鳥の囀りが、会話の間を柔らかく埋める。ライナスは幼い頃の習慣で、アナスタシアの手を軽く取ろうとするが、すぐに思いとどまる。アナスタシアも微笑みながら、手の感触を覚えている。
「ローゼンタールに来るのは、これが初めてね」
「そうだな。でも、お前が来ると知って、色々と準備しておいたんだ。庭の花も、食事も。お前に喜んでもらいたくて」
ライナスの言葉には、少年の頃の無邪気さと、大人になった今の誠実さが同居していた。
アナスタシアは胸の奥で、じんわりと温かいものを感じる。
「ありがとう、ライナス。心遣い、嬉しいわ」
アナスタシアの声に、自然な柔らかさが戻る。王宮での冷徹な顔とは違う、自分らしい笑顔。
ライナスもそれに応えるように、微笑みを深めた。
二人は庭を抜け、公爵家の広間へと向かう。そこで待つのは、誕生祝賀会の準備。豪華な装飾や、程よく整えられた食卓。しかし、アナスタシアにとっては、そのすべてよりも、ライナスとの再会のほうが胸に響く。
「アナスタシア……俺は、お前のやりたいことがあれば、ここで思い切りやればいいと思う。王家や王子たちのように縛られることもない」
ライナスの声には、真摯な誠意が宿っている。
アナスタシアの心は、少年の頃の無邪気な笑顔を思い出しながら、しかし大人としての責任感と希望の間で揺れる。
「ありがとう、ライナス。あなたの想いは、わたしの力になるわ」
アナスタシアは深く頷き、胸の奥で小さな決意を固めた。
王宮では許されなかった自由が、ここにはある。そして、彼女の政策を支えた経験は、この地でも活かされるだろう。
二人の距離は、言葉以上に心で通じ合っている。幼馴染としての親しさ、大人としての敬意、そして互いに感じる小さな想い――そのすべてが、静かに、しかし確かに心を結びつけていた。
「アナスタシア、滞在中はゆっくり過ごして欲しい」
「ええ、ありがとう。お世話になります」
公爵家の広間に、笑い声と祝福の空気が満ちる。アナスタシアは、静かに胸を膨らませる。王宮での戦いを終え、ようやく心から自由を感じる瞬間。だが、胸の奥には、まだ守り抜くべき記憶と、成し遂げた政策の自負も残っている。
ライナスは、再会の喜びに胸を躍らせながら、ふと小さく呟いた。
「アナスタシア……俺は、お前がずっと幸せでいてほしい」
その言葉に、アナスタシアはわずかに笑みを返す。王家に縛られず、自分自身として生きられる場所。幼馴染と過ごすこの時間が、彼女にとって新しい希望となるのだった。
ミランダは、午後の陽が差し込む応接間で、静かに紅茶を口にした。
その仕草はいつもと変わらない穏やかさを保っているが、アナスタシアには、その瞳の奥にある真剣さがはっきりと見えた。
「……アナスタシア」
名を呼ばれ、彼女は背筋を正す。
「ライナスはね、あなたに本気よ」
一切の前置きも、婉曲もない言葉だった。
ミランダはカップを置き、まっすぐにアナスタシアを見つめる。
「トルドー公爵家の嫡男が、二十歳になっても正式な婚約者を置かないなんて、常識的には異常です。ええ、はっきり言ってしまえばね」
責めるような口調ではない。
だが、その言葉は重く、逃げ場がなかった。
「それでも、あの子は誰にも応じなかった。縁談は、いくつもあったのよ。公爵家としても、国としても、悪くない話ばかりだったのよ」
ミランダは小さく息をつき、続ける。
「それでも、あの子は首を縦に振らなかった。理由は、あなたよ、アナスタシア」
胸の奥が、静かに軋んだ。
「あなたが王家に縛られている間も、婚約が解消されたあとも……ライナスは、ずっと待っていたのよ。希望を捨てずにね」
それは、母として誇らしい息子の姿でもあり、同時に――危うさを孕んだ想いでもある。
「だから……あなたに、お願いがあるの」
ミランダの声は、柔らかいが、揺るがない。
「本気で、ライナスとの婚約を考えてみてくれないかしら?」
一拍、沈黙が落ちる。
「もし――あなたの答えが『ノー』なら」
ミランダは視線を逸らさず、静かに言った。
「その時は、どうか、あの子をきっぱりと振ってちょうだい。
曖昧な優しさは、希望を長引かせるだけ。あの子にとって、それが一番残酷なのよ」
母として、息子を守るための言葉だった。
同時に、アナスタシアを責めないための、最大限の配慮でもある。
「あなたは、もう誰かの都合で人生を縛られる必要はない。
だからこそ――選ぶなら、あなた自身の意思で。選ばないなら、それも、はっきりと」
応接間に、静かな空気が満ちる。
アナスタシアは、しばらく言葉を探してから、ゆっくりと口を開いた。
「……わかりました。ミランダ伯母様」
その声は、落ち着いていた。
「ライナスの気持ちも、伯母様の想いも、きちんと受け止めます」
彼女は微笑んだが、その表情には、軽さはない。
(――もう、逃げることも、流されることも、許されない)
それは重荷ではなく、ようやく与えられた“自分で選ぶ権利”だった。
ミランダは、その表情を見て、わずかに目を細める。
「ええ。急がなくていいわ。
ただ、あなたが自分の人生を、あなたの足で選ぶこと。それだけを願っているわ」
そこで、ミランダは悪戯っぽく笑う。
「親の欲目かもしれないけれど、あの子、カッコよくて大人気なのよ。ふふふ」
母としての愛情と、政治家の家に生きる女性としての現実。
その両方を知る者だけが持つ、静かな強さが、そこにはあった。
______________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇
2,510
あなたにおすすめの小説
言いたいことはそれだけですか。では始めましょう
井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。
その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。
頭がお花畑の方々の発言が続きます。
すると、なぜが、私の名前が……
もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。
ついでに、独立宣言もしちゃいました。
主人公、めちゃくちゃ口悪いです。
成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。
前世の旦那様、貴方とだけは結婚しません。
真咲
恋愛
全21話。他サイトでも掲載しています。
一度目の人生、愛した夫には他に想い人がいた。
侯爵令嬢リリア・エンダロインは幼い頃両親同士の取り決めで、幼馴染の公爵家の嫡男であるエスター・カンザスと婚約した。彼は学園時代のクラスメイトに恋をしていたけれど、リリアを優先し、リリアだけを大切にしてくれた。
二度目の人生。
リリアは、再びリリア・エンダロインとして生まれ変わっていた。
「次は、私がエスターを幸せにする」
自分が彼に幸せにしてもらったように。そのために、何がなんでも、エスターとだけは結婚しないと決めた。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
王命により、婚約破棄されました。
緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。
しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。
それを指示したのは、妹であるエライザであった。
姉が幸せになることを憎んだのだ。
容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、
顔が醜いことから蔑まされてきた自分。
やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。
しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。
幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。
もう二度と死なない。
そう、心に決めて。
婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?
ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」
華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。
目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。
──あら、デジャヴ?
「……なるほど」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる