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揺るがぬ気品
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トルドー公爵家の嫡男、ライナスの二十歳の誕生祝賀会が始まった。
大広間は豪華絢爛、その名にふさわしい煌めきに満ちている。天井から巨大なシャンデリアが垂れ下がり、無数のクリスタルが光を反射して室内を金色に照らす。壁には精緻なタペストリーと鏡が並び、床の大理石は磨き上げられた光沢で照明を映していた。
列席者たちは格式高い装いで集まる。ローゼンタール王国や近隣諸国の高位貴族がこぞって訪れ、大広間には華やかな衣装と香水の香りが渦巻く。男たちは正装、女性たちは色とりどりのドレスで咲き誇る花のように並んでいた。
中でも目を引くのは、若い令嬢たちだ。美しく着飾った彼女たちは、華やかさだけでなく、しなやかな気品を放つ。会場を歩くたびに、微笑みや会釈が交わされ、まるで一陣の花の風が吹き抜けるかのようだった。
そんな華やかな人々の中、アナスタシアは少し離れた壁際に立ち、静かに会場を見回していた。彼女の目には、まるで舞踏会全体が、一枚の精緻な絵画のように感じられた。
アナスタシアに気づいた近衛騎士が、声をかける。今夜の祝賀会には王族も参加するため、近衛騎士が護衛に伴われている。
金髪に青い目、左目の下に色っぽいホクロのある美丈夫。その魅力をさらに引き立てているのが、近衛騎士の白い騎士服だ。本人もそれを自覚しているのか、女性に慣れた落ち着いた雰囲気を漂わせていた。
( 近衛騎士……? 先ほどのアウレリオ王太子殿下とのご挨拶の場では見かけなかった顔ね…。襟元の勲章を見ると、副騎士団長かしら?)
「おや、美しいお嬢さん……見ない顔だね。失礼だけど、どこのご令嬢かな?……それとも、僕たちの出会いは運命かな?」
近衛騎士は、軽く眉を上げ、余裕たっぷりの笑みを浮かべながら、挑発的に声をかけた。
アナスタシアは一瞬、目を見開き、思わず言葉を詰まらせる。
(……え? 運命……? 何を言っているの、この人は……!)
だが、声に出して抗議することはせず、わずかに口角を上げ、冷静さを装った。
「……騎士様。わたくしが名乗ることは構いませんが、失礼ながら、あなた様は、どなたでしょうか?」
内心、鼓動はわずかに速まっていた。普段は王宮の執務や政策に没頭している自分が、こんな些細な会話で心を揺さぶられるとは思わなかった。
近衛騎士は、彼女の反応を楽しむように軽く肩をすくめ、にやりと笑った。
「ふむ、なかなかの反応だね。なるほど、これは面白くなりそうだ――」
アナスタシアは内心で小さくため息をつきながらも、その場をやり過ごすことに決めた。
(……ふふ。王宮でも、こういう瞬間はあったわね。でも、今は、旅先。少しぐらい、この心の揺れも楽しんでみるのも悪くないかもしれない……)
「騎士様、わたくしは、これで失礼い……」
「アナスタシア、大丈夫か!?」
アナスタシアが答えようとしたその瞬間、ライナスの慌てた声が割って入った。
「ウォルター副団長、ご苦労様です。アナスタシアに、何かございましたか?」
「……いや。……アナスタシア嬢とおっしゃるのか。ライナス殿、今日はおめでとうございます」
(ライナス公爵令息の連れか……? 揃いの衣装とは……婚約者なのか?)
「わざわざ、ありがとうございます。アウレリオ王太子殿下なら、あちらにいらっしゃいます」
「……ああ。……それでは、ご令嬢、失礼します。……また、いつか」
近衛騎士ウォルターは、王族のいる方へと歩き去った。
「大丈夫か? 何かあったのか?」
心配げに覗き込むライナスの表情に、アナスタシアは思わず小さく笑みをこぼした。
「ええ、大丈夫よ。少し声をかけてくださっただけだと思うわ」
「そうか……それならいい。ただ、何かあったら、すぐに呼んでくれ。約束だぞ」
「……ライナス。今夜の主役は、あなたでしょう? 自分の挨拶回りに集中なさって」
アナスタシアはその温かな気遣いに、くすぐったさを覚え、照れたように微笑んだ。
ライナスがその場を離れたのを見計らったかのように、三人の令嬢がアナスタシアへと歩み寄ってきた。
「……ちょっと、あなた。見かけないお顔ですけれど、どちらの下位貴族家の方かしら?」
「ずいぶんとライナス様と親しげでしたこと。もしかして、そのドレスも、ライナス様から?」
「トルドー公爵家の嫡男とお付き合いするには、立場が違いすぎるのではなくて?」
アナスタシアは、どこか呆れたように――けれど、場を面白がるような余裕を含んだ表情で三人を見返していた。
(まあ……国が違っても、若い令嬢の言うことは、どこも同じなのね……ふふ)
その沈黙を、注意されて言葉を失ったのだと勘違いしたのだろう。
三人は、ますます勢いづく。
「……あなた、見たところ、学生という年齢でもなさそうよね?」
「まあ。では、年増の未婚令嬢で、婚約者もいらっしゃらないのかしら?」
「ふぅん。見た目は――まあまあ、お綺麗ですのに。何かご事情がおありなのかしらね」
そこへ、先ほどの近衛騎士――ウォルター副団長が姿を現した。
「おやおや。美しいご令嬢方が勢ぞろいですね。こちらの一角だけ、ひときわ光り輝いて見えましたよ」
歯の浮くようなお世辞と、非の打ちどころのない騎士の笑顔に、令嬢たちはたちまち浮き足立つ。
「まあ、ウォルター様! ご機嫌よう。今宵は殿下の随行でいらっしゃるの?」
「ご機嫌よう、ウォルター副団長様。なんて素敵な夜でしょう」
「ウォルター様、こんばんは。いつになったら、夜会へお誘いいただけますの?」
その変わり身の早さに、アナスタシアは思わず感心し、苦笑を浮かべた。
「――あちらで、ライナス様がご令嬢方と談笑なさっていましたが。よろしいのですか?」
ウォルターの何気ない一言に、三人の令嬢ははっと我に返り、慌ててライナスのもとへと歩み去っていった。
「大丈夫でしたか?」
ウォルターは肩をすくめ、軽い口調で続ける。
「彼女たち、きっとライナス公爵令息の婚約者の座を狙っているのでしょう。まあ、人気も実力も、将来性も――今、No.1の御令息ですからね」
そう言って、いかにも女性慣れした仕草で、ぱちりとウインクする。
アナスタシアは少しも動じることなく、穏やかに微笑んだ。
「お心遣い、ありがとうございました。それでは、これで失礼いたします」
丁寧に一礼し、その場を離れるアナスタシアの背を、ウォルターはしばし見送った。
(俺のウインクにも、まったく動じないとは……)
口元に、苦笑が浮かぶ。
(……なるほど。面白いな、アナスタシア嬢)
誕生祝賀会も盛況のまま終わりに近づき、アウレリオ王太子一行は、一足先に帰城する。
「ライナス、あらためて、二十歳の誕生日おめでとう。今後もなお一層励み、僕の治世の支えとなってくれ」
ライナスと、トルドー公爵夫妻に辞去の挨拶を述べ、最後に、アナスタシアと向き合う。
「アナスタシア。明日、城で会えるのを楽しみにしているよ。陛下も待っているからね」
温かい言葉をかけられ、アナスタシアも再会の約束を返す。
その王太子の後ろで、ウォルターが一瞬だけ、目を見開いた。
(は? アナスタシア嬢は何者だ? 登城する予定なのか……また、会える)
ライナスは、ウォルターの表情に警戒の色を浮かべ、心なしか睨みつけている。
そんな息子に、ミランダ公爵夫人は苦笑を浮かべ、呆れたように小さく息を吐いた。
その夜、アナスタシアは、穏やかな思いのまま眠りについた。
夜会が終わった夜に、こんなにも静かに眠りについたことなどなかったのに。
______________
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【無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される
――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !】
ぽっちゃり美少女、周囲の人の心を鷲掴み!
大広間は豪華絢爛、その名にふさわしい煌めきに満ちている。天井から巨大なシャンデリアが垂れ下がり、無数のクリスタルが光を反射して室内を金色に照らす。壁には精緻なタペストリーと鏡が並び、床の大理石は磨き上げられた光沢で照明を映していた。
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中でも目を引くのは、若い令嬢たちだ。美しく着飾った彼女たちは、華やかさだけでなく、しなやかな気品を放つ。会場を歩くたびに、微笑みや会釈が交わされ、まるで一陣の花の風が吹き抜けるかのようだった。
そんな華やかな人々の中、アナスタシアは少し離れた壁際に立ち、静かに会場を見回していた。彼女の目には、まるで舞踏会全体が、一枚の精緻な絵画のように感じられた。
アナスタシアに気づいた近衛騎士が、声をかける。今夜の祝賀会には王族も参加するため、近衛騎士が護衛に伴われている。
金髪に青い目、左目の下に色っぽいホクロのある美丈夫。その魅力をさらに引き立てているのが、近衛騎士の白い騎士服だ。本人もそれを自覚しているのか、女性に慣れた落ち着いた雰囲気を漂わせていた。
( 近衛騎士……? 先ほどのアウレリオ王太子殿下とのご挨拶の場では見かけなかった顔ね…。襟元の勲章を見ると、副騎士団長かしら?)
「おや、美しいお嬢さん……見ない顔だね。失礼だけど、どこのご令嬢かな?……それとも、僕たちの出会いは運命かな?」
近衛騎士は、軽く眉を上げ、余裕たっぷりの笑みを浮かべながら、挑発的に声をかけた。
アナスタシアは一瞬、目を見開き、思わず言葉を詰まらせる。
(……え? 運命……? 何を言っているの、この人は……!)
だが、声に出して抗議することはせず、わずかに口角を上げ、冷静さを装った。
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「……ああ。……それでは、ご令嬢、失礼します。……また、いつか」
近衛騎士ウォルターは、王族のいる方へと歩き去った。
「大丈夫か? 何かあったのか?」
心配げに覗き込むライナスの表情に、アナスタシアは思わず小さく笑みをこぼした。
「ええ、大丈夫よ。少し声をかけてくださっただけだと思うわ」
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「……ライナス。今夜の主役は、あなたでしょう? 自分の挨拶回りに集中なさって」
アナスタシアはその温かな気遣いに、くすぐったさを覚え、照れたように微笑んだ。
ライナスがその場を離れたのを見計らったかのように、三人の令嬢がアナスタシアへと歩み寄ってきた。
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