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【21】お茶友達
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夜が明ければ学院ではいつもの日々が始まろうとしている。昨夜の出来事が夢だったのかと思うほど代わり映えのしない朝だ。
けれど唇に残る感触が確かに現実であったことを告げる。あちこちに生まれた噂もまた、ディアナに昨夜を意識させていた。
「ディアナ先生と院長先生って付き合ってるんですか!?」
「え、ええ……まあ」
講義に出向けば噂を聞きつけた生徒たちに囲まれた。
「ディアナさん! 院長先生とお付き合いされているって本当なんですか!?」
「え、ええ……まあ」
研究塔へ向かえば同僚たちからの質問責めにあった。
今頃はユアンも質問責めにされているはずだ。
その度にディアナは曖昧に答えて場をやり過ごす。嘘ではないし、職場恋愛も禁止されてはいないのだから隠す必要はないのだが、どんな顔をすればいいのかわからない。
覚悟していたことではあるが、実際に周囲の反応を目の当たりにすると逃げ出したくなるほどの羞恥だ。ユアンは自分と噂されて平気なのだろうか。
こうして盛り上がりを見せるのも最初だけだろう。早く周囲の反応が落ち着けばいいと、ディアナは仕事に集中することで追及から逃れた。
パーティーを終え、あれから二人の関係がどうなったかといえば……
簡潔にまとめるのなら『お茶友達』という言葉がぴったりだろう。ユアンに聞いた事はないため、少なくとも自分はそう感じているという話だが。
かつてユアンの弟レナードと名ばかりの婚約者であったように、ユアンとも名ばかりの恋人になるのだと思っていた。しかしユアンはパーティーでの別れ際、また明日とディアナに告げたのだ。
後で考えればここでいうまた明日とは、明日会う事への約束とは限らない。また明日、お互いに仕事を頑張ろうという励ましだったのかもしれない。
しかし真面目なディアナは一日悩んだ。
もしまた明日会おうという約束であれば、ユアンを待たせてしまう。しかしユアンにとっては同僚への軽い挨拶だったのかもしれない……
悩んだディアナは仕事を終えてから、とうとう院長室へ向かった。答えが出ないのなら本人に訊くしかないだろう。
ユアンのワルツは完璧だ。パーティーも終えている。それでもディアナの足はユアンの元へ向かっていた。
訪問の理由を聞かれたのなら、また部屋が散らかっていないか心配で来たと、そう告げるつもりでいた。けれどユアンはディアナの顔を見るなり言う。
「来てくれて嬉しいよ」
リゼリカといい、ユアンといい、想定外が多すぎる。おかげでまたしても用意していた台詞は飛んでしまった。
「紅茶、淹れますね」
自分の行動は間違っていなかったと教えられたディアナは慣れた手つきで紅茶を淹れる。たったそれだけの言葉で一日悩んだことが嘘のように心が軽くなっていた。これが『お茶友達』の始まりだ。
ユアンも紅茶に名残惜しさがあるのか、時折時間を合わせて仕事の後にお茶を飲むようになった。もちろん淹れるのはディアナの役目だ。未だにユアンは飲み物といえば水である。
二人とも夜遅くまで学院に残っているため、時間は合わせやすかったのかもしれない。集まればたわいのない話をするようになった。特にこれといって用はなくても、つい話し込んでしまう。それが友達というものだろう。ユアンも快くディアナを迎えてくれた。
「それじゃあまた、きみの紅茶が飲みたいな」
「わたくしも、この部屋が散らかっていないか、確かめさせてもらいます」
お互いに理由を見つけた会うようになった。
けれどディアナには少しだけ、これ以外にも変化がある。ユアンの事を考えることが多くなったように思うのだ。
たとえば紅茶を飲んでいる時――
ユアンはまた飲みたいと口癖のように言ってくれる。気に入ってもらえたこと、褒められたことはやはり嬉しいものだ。
たとえば鏡を覗いて唇が目に入った時――
どうしてもあの時の生々しい感覚がよみがえる。最初は平然としていても、鏡の中の自分はだんだんと赤く染まっていき、最後には逃げる様に鏡の前から姿を消すのだ。
そんなことが続いたある日。ディアナはいつものように院長室を訪れた。
紅茶の準備をしている間もユアンは仕事を続けていたが、どうにも疲れているように感じさせる。いつもは流暢なペンの運びも遅く、時折手を止めては目を覆っていた。
「ユアン様、紅茶の用意が整いました」
「ありがとう。そっちへ行くよ」
いつもは向かい合うように席に着くが、今日に限ってディアナはユアンのカップを隣に置いた。そこに座れという意思表示に、ユアンは訝しむことなく座る。
「今日は疲労回復の効果を期待する配合にしてみました」
嘘だった。しかしそれらしいことを言えばユアンが自供してくれる。
「それは嬉しいな。このところ仕事が立て込んでいてね」
どうやら本当に疲れているらしかった。
「急ぐのですか?」
「急ぎのものはほとんど終わらせたよ。おかげでこうしてきみとの時間を過ごせる」
まるでそのために急いだとでもいうような口ぶりだ。そんなことがあるはずないと、ディアナは余計な考えを消して本来の目的へと移る。
「ではユアン様。少しくらいなら時間はあるということですね」
「そうだね」
「それは良かったです。ではさっそく、寝て下さい。ユアン様」
「ディアナ?」
「わたくしは帰りますので身体を休めて下さい。部屋へ戻る事が手間というのなら、このまま横になるだけでも構いません。休むべきです」
「これくらい大丈夫だよ」
「お言葉ですが、とてもそうは見えません」
顔色を変えることのないユアンが指摘されていること自体が異常なのだ。整頓されるようになった院長室ではあるが、目に見える書類の量は減っていない。それほどユアンには仕事が舞い込むのだろう。
「恋人だからって、過度な口出しは良くないよ」
突き放せば引き下がると思ったのだろう。しかし疲れたユアンを怖いとは思わない。ディアナは真っ向からユアンの意見に対立していた。
「恋人だというのなら、少しは恋人の意見を聞いてはいかがです?」
「けど、せっかくきみが来てくれたんだ」
まさか、それが無理を押している理由なのだろうか。だとしたら嬉しいと感じてしまうが、無理をしてほしいとは思わない。
「わたくしたちはいつでも会えるのですよ?」
遠く国を越え、離れている親友たちとは違う。同じ学院にいるのだから無理をしてまで会う必要はない。今日が駄目なら明日がある。
「わたくしとの時間を大切にして下さることは嬉しいですが、ユアン様が無理をするのは嫌です。我儘を言わずに、お休みになって下さい」
引き下がるつもりはないと強く押せば、ユアンも了承してくれた。残念ではあるが、今日の茶会はお開きのようだ。
ところが席を立ちかけたディアナをユアンが引き止めた。
「待って」
身体ごとその場に留められ、ユアンの頭が腿に乗る。ディアナがぴたりと動きを止めると、ユアンは長い足を椅子に乗せ、優雅に寝そべった。
「ユアン様!?」
「僕の恋人は強引だな」
「はい!?」
強引というのは今まさに勝手に膝枕を決め込んだユアンの方なのでは?
するとユアンはどうしてこうなったのか、のんびりと語り始めた。
「きみは休めと言うけれど、見ての通りこの部屋にクッションはないんだ。きみの要望に応えるのだから、もちろん枕になってくれるんだよね?」
「わ、わたくしが!?」
腿に頭を乗せたまま、ユアンが頷く。
「で、ですがユアン様は」
「ん?」
「他人に自分の領域を侵害されるのを嫌うのでは?」
同じ部屋にいることは許されても、あくまで距離を保っていたように思う。それがほとんどゼロになってしまっている。
「そうだね。でも、きみならいいよ。もうこの部屋の一部みたいなものだから」
「わたくしが、この部屋の一部、ですか?」
「部屋も綺麗にしてくれたし、紅茶も淹れてくれた。ワルツも教えてくれたね。それに僕を休ませようとしてくれてる。ありがとう、ディアナ。僕はきみに頼ってばかりいるね」
だから他人ではないと。ユアンはとっくに傍にいる事を許してくれていたらしい。
いつも視線の高さより上にある顔が自分を見上げているせいだろう。ユアンの表情が力なく見える。言葉にも強さが感じられず、早く休んでほしいという気持ちが募る。
疲れているユアンに追い打ちはかけたくないと、ディアナは呪文のようにその言葉を使った。最初は振り回されてばかりで困っていたはずの言葉も、考え方によっては役に立つらしい。
けれど唇に残る感触が確かに現実であったことを告げる。あちこちに生まれた噂もまた、ディアナに昨夜を意識させていた。
「ディアナ先生と院長先生って付き合ってるんですか!?」
「え、ええ……まあ」
講義に出向けば噂を聞きつけた生徒たちに囲まれた。
「ディアナさん! 院長先生とお付き合いされているって本当なんですか!?」
「え、ええ……まあ」
研究塔へ向かえば同僚たちからの質問責めにあった。
今頃はユアンも質問責めにされているはずだ。
その度にディアナは曖昧に答えて場をやり過ごす。嘘ではないし、職場恋愛も禁止されてはいないのだから隠す必要はないのだが、どんな顔をすればいいのかわからない。
覚悟していたことではあるが、実際に周囲の反応を目の当たりにすると逃げ出したくなるほどの羞恥だ。ユアンは自分と噂されて平気なのだろうか。
こうして盛り上がりを見せるのも最初だけだろう。早く周囲の反応が落ち着けばいいと、ディアナは仕事に集中することで追及から逃れた。
パーティーを終え、あれから二人の関係がどうなったかといえば……
簡潔にまとめるのなら『お茶友達』という言葉がぴったりだろう。ユアンに聞いた事はないため、少なくとも自分はそう感じているという話だが。
かつてユアンの弟レナードと名ばかりの婚約者であったように、ユアンとも名ばかりの恋人になるのだと思っていた。しかしユアンはパーティーでの別れ際、また明日とディアナに告げたのだ。
後で考えればここでいうまた明日とは、明日会う事への約束とは限らない。また明日、お互いに仕事を頑張ろうという励ましだったのかもしれない。
しかし真面目なディアナは一日悩んだ。
もしまた明日会おうという約束であれば、ユアンを待たせてしまう。しかしユアンにとっては同僚への軽い挨拶だったのかもしれない……
悩んだディアナは仕事を終えてから、とうとう院長室へ向かった。答えが出ないのなら本人に訊くしかないだろう。
ユアンのワルツは完璧だ。パーティーも終えている。それでもディアナの足はユアンの元へ向かっていた。
訪問の理由を聞かれたのなら、また部屋が散らかっていないか心配で来たと、そう告げるつもりでいた。けれどユアンはディアナの顔を見るなり言う。
「来てくれて嬉しいよ」
リゼリカといい、ユアンといい、想定外が多すぎる。おかげでまたしても用意していた台詞は飛んでしまった。
「紅茶、淹れますね」
自分の行動は間違っていなかったと教えられたディアナは慣れた手つきで紅茶を淹れる。たったそれだけの言葉で一日悩んだことが嘘のように心が軽くなっていた。これが『お茶友達』の始まりだ。
ユアンも紅茶に名残惜しさがあるのか、時折時間を合わせて仕事の後にお茶を飲むようになった。もちろん淹れるのはディアナの役目だ。未だにユアンは飲み物といえば水である。
二人とも夜遅くまで学院に残っているため、時間は合わせやすかったのかもしれない。集まればたわいのない話をするようになった。特にこれといって用はなくても、つい話し込んでしまう。それが友達というものだろう。ユアンも快くディアナを迎えてくれた。
「それじゃあまた、きみの紅茶が飲みたいな」
「わたくしも、この部屋が散らかっていないか、確かめさせてもらいます」
お互いに理由を見つけた会うようになった。
けれどディアナには少しだけ、これ以外にも変化がある。ユアンの事を考えることが多くなったように思うのだ。
たとえば紅茶を飲んでいる時――
ユアンはまた飲みたいと口癖のように言ってくれる。気に入ってもらえたこと、褒められたことはやはり嬉しいものだ。
たとえば鏡を覗いて唇が目に入った時――
どうしてもあの時の生々しい感覚がよみがえる。最初は平然としていても、鏡の中の自分はだんだんと赤く染まっていき、最後には逃げる様に鏡の前から姿を消すのだ。
そんなことが続いたある日。ディアナはいつものように院長室を訪れた。
紅茶の準備をしている間もユアンは仕事を続けていたが、どうにも疲れているように感じさせる。いつもは流暢なペンの運びも遅く、時折手を止めては目を覆っていた。
「ユアン様、紅茶の用意が整いました」
「ありがとう。そっちへ行くよ」
いつもは向かい合うように席に着くが、今日に限ってディアナはユアンのカップを隣に置いた。そこに座れという意思表示に、ユアンは訝しむことなく座る。
「今日は疲労回復の効果を期待する配合にしてみました」
嘘だった。しかしそれらしいことを言えばユアンが自供してくれる。
「それは嬉しいな。このところ仕事が立て込んでいてね」
どうやら本当に疲れているらしかった。
「急ぐのですか?」
「急ぎのものはほとんど終わらせたよ。おかげでこうしてきみとの時間を過ごせる」
まるでそのために急いだとでもいうような口ぶりだ。そんなことがあるはずないと、ディアナは余計な考えを消して本来の目的へと移る。
「ではユアン様。少しくらいなら時間はあるということですね」
「そうだね」
「それは良かったです。ではさっそく、寝て下さい。ユアン様」
「ディアナ?」
「わたくしは帰りますので身体を休めて下さい。部屋へ戻る事が手間というのなら、このまま横になるだけでも構いません。休むべきです」
「これくらい大丈夫だよ」
「お言葉ですが、とてもそうは見えません」
顔色を変えることのないユアンが指摘されていること自体が異常なのだ。整頓されるようになった院長室ではあるが、目に見える書類の量は減っていない。それほどユアンには仕事が舞い込むのだろう。
「恋人だからって、過度な口出しは良くないよ」
突き放せば引き下がると思ったのだろう。しかし疲れたユアンを怖いとは思わない。ディアナは真っ向からユアンの意見に対立していた。
「恋人だというのなら、少しは恋人の意見を聞いてはいかがです?」
「けど、せっかくきみが来てくれたんだ」
まさか、それが無理を押している理由なのだろうか。だとしたら嬉しいと感じてしまうが、無理をしてほしいとは思わない。
「わたくしたちはいつでも会えるのですよ?」
遠く国を越え、離れている親友たちとは違う。同じ学院にいるのだから無理をしてまで会う必要はない。今日が駄目なら明日がある。
「わたくしとの時間を大切にして下さることは嬉しいですが、ユアン様が無理をするのは嫌です。我儘を言わずに、お休みになって下さい」
引き下がるつもりはないと強く押せば、ユアンも了承してくれた。残念ではあるが、今日の茶会はお開きのようだ。
ところが席を立ちかけたディアナをユアンが引き止めた。
「待って」
身体ごとその場に留められ、ユアンの頭が腿に乗る。ディアナがぴたりと動きを止めると、ユアンは長い足を椅子に乗せ、優雅に寝そべった。
「ユアン様!?」
「僕の恋人は強引だな」
「はい!?」
強引というのは今まさに勝手に膝枕を決め込んだユアンの方なのでは?
するとユアンはどうしてこうなったのか、のんびりと語り始めた。
「きみは休めと言うけれど、見ての通りこの部屋にクッションはないんだ。きみの要望に応えるのだから、もちろん枕になってくれるんだよね?」
「わ、わたくしが!?」
腿に頭を乗せたまま、ユアンが頷く。
「で、ですがユアン様は」
「ん?」
「他人に自分の領域を侵害されるのを嫌うのでは?」
同じ部屋にいることは許されても、あくまで距離を保っていたように思う。それがほとんどゼロになってしまっている。
「そうだね。でも、きみならいいよ。もうこの部屋の一部みたいなものだから」
「わたくしが、この部屋の一部、ですか?」
「部屋も綺麗にしてくれたし、紅茶も淹れてくれた。ワルツも教えてくれたね。それに僕を休ませようとしてくれてる。ありがとう、ディアナ。僕はきみに頼ってばかりいるね」
だから他人ではないと。ユアンはとっくに傍にいる事を許してくれていたらしい。
いつも視線の高さより上にある顔が自分を見上げているせいだろう。ユアンの表情が力なく見える。言葉にも強さが感じられず、早く休んでほしいという気持ちが募る。
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