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二章 桃色は爛漫の恋をする
桃色は爛漫の恋をする 三話
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次は接待用の高価な三種類だ。
(この三種類の評価で売上が変わってくる。いつもの事だけど緊張する。アイバーさんは、ジャムにお世辞を言わないから)
アイバーは先ほど以上に丁寧に味わい、余韻に浸りつつ語った。
まずは春薔薇ジャムだ。春薔薇ジャムは、リズと父とで森に咲く白い春薔薇を摘んで作った。開花したてのものだけを厳選している上に、大量の花が必要なので高価だ。
『春薔薇の優美な香りが素晴らしい……。花びらの口当たりも滑らかで、甘みも上品ですね。これは上等な発泡葡萄酒か紅茶に合わせたいです』
次は青水晶ジャム。青水晶は深い森の水場にしか生えず、冒険者以外には採取出来ない高価な果物だ。ブルーベリーが宝石になったかのような見た目をしている。
『青水晶ジャムは……ここのジャムは全てそうですが、色が美しい。名に相応しい深く透明感のある青だ。それに、この甘酸っぱさと爽やかな香りは初めてです。ああ、果肉の食感も心地いい。ヨーグルトや焼き菓子のお供に……いや、肉料理の付け合わせにもしてみたいな』
最後は銀蜜ジャムだ。銀蜜ジャムは、農家から仕入れた銀色の蜜花で作った。
蜜花自体は手に入りやすく安価だが、銀色だけは別だ。日光に当てず月の光だけで育てる高級品である。
さて、そのジャムの評価は?
『銀蜜ジャムは香りの洪水……一口で全身が香りに満たされる。そしてこの澄んだ甘みがたまらない。……これは、このまま食べるのが一番美味しい気がします。あえて何かと合わせるなら蒸留酒でしょうか』
(やった!アイバーさんに好評なら間違いない。それにしても、すごい表現力よね。流石は、あの大きな工房で営業をやってるだけある)
リズは大いに感心した。父も忌憚ない意見を聞けて嬉しそうだ。
アイバーは、蜜花ジャムだけでなく高価なジャムも追加注文してくれた。
『すぐ用意します』
父がさっと立ちあがる。
『え?お父……工房長、これぐらいの量なら私だけで……』
『いや、俺が行く。リズは休んでおけ。朝からジャムを煮てた上に、またデザインを描いてたんだろ?』
父は少しだけ優しく笑い、さっさと行ってしまった。
『そういえば、スケッチブックに何か描かれていましたね。何を描いていたか、お聞きしてもいいですか?』
アイバーに優しく微笑まれ、恥ずかしくて仕方なかった。
(どうしてこんなに恥ずかしいんだろう。胸もドキドキする。今すぐここから逃げたい!)
けど、今のアイバーはお客様だ。無視できないし、逃げれない。
『み、店の、看板のデザイン画を描いていたんです』
『見せて頂いてもいいですか?』
『え?』
(恥ずかしいけど、アイバーさんなら馬鹿にしたり、からかったりしないし……)
リズはスケッチブックをアイバーに渡した。
『ほう……看板だけでなく様々なデザインを描かれているんですね』
アイバーは真剣な目で一枚一枚丁寧にながめた。
『お世辞抜きで、リズさんは絵とデザインの才能がありますね。飾り文字も綺麗だ』
『あ、ありがとうございます』
ほめられたリズの顔が苺ジャムより赤くなる。アイバーは特に、看板のデザイン画をほめた。
『看板に使うだけでなく、ラベルにしても良さそうです。小分け用の陶器壺に貼るか、麻紐を使ってくくりつけるか……』
『それは良いですね。早速考えてみます』
『お役に立てそうでよかった。……おや?これはウチのジャムポットですか?』
『はい。頂いたジャムポットが可愛くてスケッチしたんです』
少し前、店頭販売用に【水精硝子工房】の硝子製のジャムポットを仕入れた。その際、リズたち一家で使って欲しいと一個プレゼントされたのだ。もちろん愛用している。
『あと、こんなデザインもあったらいいなと色々描きました。使えないデザインばかりだとは思いますが……』
本職に見られるのは恥ずかしい。リズは縮こまった。
『いいえ。どれも素敵です。お世辞じゃありませんよ。私は職人としてもデザイナーとしも才能はありませんでしたが、見る目はあると自負しています』
アイバーは満面の笑みだ。これまでの、優しいがどこか他人行儀なそれではなく、心からの笑顔だった。
『うちのジャムポットを気に入って頂けて嬉しいです』
その笑顔はリズを歓喜させ、恥ずかしさを忘れさせた。勢いよくまくしたてる。
『はい!それはもう!中のジャムの色が透けて見えて綺麗で!あの父もうっとり眺めてるんですよ!母や姉も、いっそ硝子のジャムポットに入れたまま売れたらいいのにって……』
硝子は繊細で壊れやすい上、しっかり閉じれないから難しいですがと言いかけ、アイバーの表情に固まる。静かに衝撃を受けた様子で、水色の目を見開いている。
『硝子……瓶詰め』
『え?』
『そうだよ!僕はなんで気づかなかったんだ?リズちゃん!ちょっと待ってて!』
『ええ?アイバーさん?』
急に『幼馴染のアイバーお兄ちゃん』に戻ったアイバーは、走って出て行ってしまった。
(この三種類の評価で売上が変わってくる。いつもの事だけど緊張する。アイバーさんは、ジャムにお世辞を言わないから)
アイバーは先ほど以上に丁寧に味わい、余韻に浸りつつ語った。
まずは春薔薇ジャムだ。春薔薇ジャムは、リズと父とで森に咲く白い春薔薇を摘んで作った。開花したてのものだけを厳選している上に、大量の花が必要なので高価だ。
『春薔薇の優美な香りが素晴らしい……。花びらの口当たりも滑らかで、甘みも上品ですね。これは上等な発泡葡萄酒か紅茶に合わせたいです』
次は青水晶ジャム。青水晶は深い森の水場にしか生えず、冒険者以外には採取出来ない高価な果物だ。ブルーベリーが宝石になったかのような見た目をしている。
『青水晶ジャムは……ここのジャムは全てそうですが、色が美しい。名に相応しい深く透明感のある青だ。それに、この甘酸っぱさと爽やかな香りは初めてです。ああ、果肉の食感も心地いい。ヨーグルトや焼き菓子のお供に……いや、肉料理の付け合わせにもしてみたいな』
最後は銀蜜ジャムだ。銀蜜ジャムは、農家から仕入れた銀色の蜜花で作った。
蜜花自体は手に入りやすく安価だが、銀色だけは別だ。日光に当てず月の光だけで育てる高級品である。
さて、そのジャムの評価は?
『銀蜜ジャムは香りの洪水……一口で全身が香りに満たされる。そしてこの澄んだ甘みがたまらない。……これは、このまま食べるのが一番美味しい気がします。あえて何かと合わせるなら蒸留酒でしょうか』
(やった!アイバーさんに好評なら間違いない。それにしても、すごい表現力よね。流石は、あの大きな工房で営業をやってるだけある)
リズは大いに感心した。父も忌憚ない意見を聞けて嬉しそうだ。
アイバーは、蜜花ジャムだけでなく高価なジャムも追加注文してくれた。
『すぐ用意します』
父がさっと立ちあがる。
『え?お父……工房長、これぐらいの量なら私だけで……』
『いや、俺が行く。リズは休んでおけ。朝からジャムを煮てた上に、またデザインを描いてたんだろ?』
父は少しだけ優しく笑い、さっさと行ってしまった。
『そういえば、スケッチブックに何か描かれていましたね。何を描いていたか、お聞きしてもいいですか?』
アイバーに優しく微笑まれ、恥ずかしくて仕方なかった。
(どうしてこんなに恥ずかしいんだろう。胸もドキドキする。今すぐここから逃げたい!)
けど、今のアイバーはお客様だ。無視できないし、逃げれない。
『み、店の、看板のデザイン画を描いていたんです』
『見せて頂いてもいいですか?』
『え?』
(恥ずかしいけど、アイバーさんなら馬鹿にしたり、からかったりしないし……)
リズはスケッチブックをアイバーに渡した。
『ほう……看板だけでなく様々なデザインを描かれているんですね』
アイバーは真剣な目で一枚一枚丁寧にながめた。
『お世辞抜きで、リズさんは絵とデザインの才能がありますね。飾り文字も綺麗だ』
『あ、ありがとうございます』
ほめられたリズの顔が苺ジャムより赤くなる。アイバーは特に、看板のデザイン画をほめた。
『看板に使うだけでなく、ラベルにしても良さそうです。小分け用の陶器壺に貼るか、麻紐を使ってくくりつけるか……』
『それは良いですね。早速考えてみます』
『お役に立てそうでよかった。……おや?これはウチのジャムポットですか?』
『はい。頂いたジャムポットが可愛くてスケッチしたんです』
少し前、店頭販売用に【水精硝子工房】の硝子製のジャムポットを仕入れた。その際、リズたち一家で使って欲しいと一個プレゼントされたのだ。もちろん愛用している。
『あと、こんなデザインもあったらいいなと色々描きました。使えないデザインばかりだとは思いますが……』
本職に見られるのは恥ずかしい。リズは縮こまった。
『いいえ。どれも素敵です。お世辞じゃありませんよ。私は職人としてもデザイナーとしも才能はありませんでしたが、見る目はあると自負しています』
アイバーは満面の笑みだ。これまでの、優しいがどこか他人行儀なそれではなく、心からの笑顔だった。
『うちのジャムポットを気に入って頂けて嬉しいです』
その笑顔はリズを歓喜させ、恥ずかしさを忘れさせた。勢いよくまくしたてる。
『はい!それはもう!中のジャムの色が透けて見えて綺麗で!あの父もうっとり眺めてるんですよ!母や姉も、いっそ硝子のジャムポットに入れたまま売れたらいいのにって……』
硝子は繊細で壊れやすい上、しっかり閉じれないから難しいですがと言いかけ、アイバーの表情に固まる。静かに衝撃を受けた様子で、水色の目を見開いている。
『硝子……瓶詰め』
『え?』
『そうだよ!僕はなんで気づかなかったんだ?リズちゃん!ちょっと待ってて!』
『ええ?アイバーさん?』
急に『幼馴染のアイバーお兄ちゃん』に戻ったアイバーは、走って出て行ってしまった。
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