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リリの現在と過去 1年前 お見舞いと任務
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私は王城から運び出され、ゴールドバンデッド公爵家お抱えの医師の診察を受けた。
そしてそのまま一ヶ月ほど入院することになった。
「少し叩かれただけで大袈裟だよ。こんなのすぐ治るし、入院だなんてお金がかかるよ」
ただでさえ、貴族の診察もしている医師にかかるのはお金がいる。しかも病院に入院するなんて余計にかかるに決まっている。
私はすぐ退院しようとしたのだけど。
「駄目よ。顔がこんなに腫れてるし、殴られた衝撃で身体をひねって傷めているもの。それにお医者様は、過労の兆候があると仰っていたわ。リリは今まで働きすぎていたのよ。この機会にしっかり休みなさい」
「え。でも、シルビアお姉様に比べたら働いてな……」
「休みなさい」
「……はい」
お見舞いに来たシルビアお姉様に睨まれて、頷くしかない。
今は昼下がり。カーテンのかかった窓から優しい光がこぼれる。
部屋の中には寝台に横たわる私と、見舞い用の椅子に座るシルビアお姉様しかいない。
今日もシルビアお姉様は美しい。
白いレース襟がついた緑色のワンピース、編み込んでまとめた銀髪、憂いを帯びた黄金色の瞳。
悲しんでいるのが伝わってるのにうっとりしてしまう。初夏の美しさが少女の姿になったら、きっと今日のシルビアお姉様の姿になるわ。
「もう私を庇わないで。……そう言っても貴女は聞かないでしょう?だったらせめて、怪我をしたり病気をした時はしっかり治して。お願いだから」
「……うん。シルビアお姉様、心配かけてごめんなさい。これからは、出来るだけ怪我も病気もしないよう気をつけるよ」
手を伸ばすと、シルビアお姉様の華奢で白い両手に包まれた。まるで白いマグノリアに触れたよう。
なんて繊細で清い手。
「……リリ、私を守ってくれてありがとう」
面会が終わるまで、シルビアお姉様は手を離さないでいてくれた。
◆◆◆◆◆
それからの一ヶ月間。シルビアお姉様とお母さんは、忙しい合間を縫ってお見舞いに来てくれた。凄く嬉しかった。また入院したいな。なんて思ったのは内緒。
退院の日。迎えの馬車に揺られて、ゴールドバンデッド公爵家に戻った。
シルビアお姉様は王城に参内しているらしい。
残念に思う間もなく、ゴールドバンデッド公爵閣下の執務室に呼ばれた。
重厚な家具が並ぶ青を貴重とした部屋の中には、執務椅子に座るゴールドバンデッド公爵閣下と侍従が一人。
跪いてご挨拶と感謝を述べる。
「うむ。体の調子はどうだ?」
「お陰様で全快しております。感謝の念に耐え……」
「お前はそれだけの仕事をした。よくシルビアーナを守った。これからも励め。……最も、お前自身も望む所だろうがな」
全てを見透かすような眼差しに身が竦むけど、微笑みを作って受け止めた。
「さて、呼び出したのにはもう一つ理由がある。
命令だ。シルビアーナと愚物の茶番を終わらせる駒になれ」
「と、言いますと……」
愚物とはクリスティアン殿下のことだろう。以前から、ゴールドバンデッド公爵閣下は不敬発言を繰り返されていた。けど、ここまでじゃなかった。穏やかじゃ無い。
つまり、今回の件でクリスティアン殿下を完全に排除することが決まったのだろう。
シルビアお姉様が婚約破棄できそうで嬉しいと同時に、不穏な予感がする。
ただ単にクリスティアン殿下が失脚するだけでは済まない予感。
そしてそれは当たった。
「国王陛下は、あの愚物を完全に見限った。同時に、叛逆者であるガーデニア公爵家も粛正するおつもりだ」
「……どういうことでしょうか?」
入院中は情報が制限されていた。夜会での出来事がどう処理されたか。貴族社会で何があったか知らない。
ゴールドバンデッド公爵閣下のご説明を要約すると、こうだった。
まず、夜会でのアジュナ王太子殿下との騒動も、シルビアお姉様が殴りかかられ私が怪我をしたことも、公的にはなかった事になった。
とはいえ、クリスティアン殿下が無罪放免になった訳ではない。
まず【禁止されていたのにアジュナ殿下に近づいた】罪の罰。
これは、アジュナ殿下が『クリスティアン殿下を責めないで差し上げてくれ。お可哀想な方では無いか。それに私も、シルビアーナ嬢と婚約している彼に嫉妬心から嫌味を言った。相殺頂けると助かる』と、言ったので罪も罰も軽くなった。
結果、国王陛下からの説教、勉強の追加、クリスティアン殿下に割り当てられている予算の削減、私財から『アジュナ殿下への御礼品』を贈るだけに止まった。
もう一つの【シルビアお姉様に殴りかかった上に、庇った私に怪我をさせた罪】の方が問題だった。
当然、ゴールドバンデッド公爵家は激怒。猛抗議してクリスティアン殿下の無期限の謹慎、王位継承権の剥奪、婚約破棄、私財の没収、私たちに対する謝罪などを申し立てた。
しかし、クリスティアン殿下は反省しなかった。
殿下の後ろ盾であるティアーレ殿下とガーデニア公爵家も『殴ったのはやり過ぎだが、婚約者を愛しているがゆえの嫉妬。大目に見て欲しい』などと言って減刑を求める。
おまけに他の貴族家も『結局、ゴールドバンデッド公爵令嬢自身は怪我をしなかったではないですか。寛容なご判断を』などと言う始末。
しかも、減刑を求める貴族家が異様に多い。
そのせいで裁判すら開廷されず、クリスティアン殿下は王城の自室で三ヶ月謹慎し、多額の慰謝料を支払うだけで済んでしまった。
国王陛下は、臣下に失望する前に疑った。
『三年前もそうだった。いくら王族への心酔があるとはいえ、悪名高いクリスティアンがここまで多数の臣下に庇われるのはおかしい』
「調査すると、ガーデニア公爵家が他家を買収または脅迫して減刑を求めさせているとわかった。
しかもそれだけでは無い。ガーデニア公爵家は、謀叛の計画を立てて準備をしていることもわかった」
戦争の準備もしているという。
「謀叛の理由は調査中だがどうでもいい。どうせあの第二側妃の嫉妬か、ガーデニア公爵の野望ゆえだ。届なく私軍を強化し武器と鉄を密輸している時点で、謀叛人なのは確定している」
かくして国王陛下は、ガーデニア公爵家を粛正すると決めた。
「この粛正には、我がゴールドバンデッド公爵家も全面的に支援する。
徹底的に叩き潰すためには、奴らから情報を引き出す間諜が必要だ。
特に、計画の情報と証拠。そしてあの愚物が、自らの意思で叛逆に加わっているという証拠が欲しい。
お優しい国王陛下と、敵にすら甘いシルビアーナの決断を鈍らせぬために。
そこでお前だ。愚かな第二王子クリスティアンを籠絡し、情報を搾り取れ。場合によっては暗殺しろ」
「ご命令とあらば否やはございませんが、なぜ私なのでしょうか?王家とゴールドバンデッド公爵家には【影】がいます。私は間諜としての訓練を受けてはいますが、素人同然です」
「お前が適任なのだ。
まず、当家に絶対の忠誠を誓っていること。王の血を引く愚物に絆されることが絶対にないこと。
そして何よりも、銀髪金眼以外の見た目が愚物好みであること」
途端、クリスティアン殿下に身体をねっとりとした視線で見られた記憶がよみがえった。オエッ!
「……気色悪い話をして悪かった。理解できたか?」
「……出来ました。ご命令に従います」
シルビアお姉様から離れるのは辛いけど、従った。どんな形でもいい。早くシルビアお姉様を解放したい。
それにあの馬鹿王子。とうとう女性に手を上げるようになった。『側にいるしか出来ない』なんて言ってられない。
私の全てをかけてあの馬鹿王子をシルビアお姉様の人生から排除してやる。
「シルビアーナはお前を使うことを嫌がるだろうが、これが最善だ。わかっているな」
「はい。お任せ下さい。我が命を……」
そこまで言って、シルビアお姉様の悲しむ顔を思い出してためらう。
命をかけるだなんて言ったら、あの優しい方はまた泣いてしまうだろう。
「我が主、シルビアーナ・リリウム・ゴールドバンデッド様の幸福のため、精一杯努めさせていただきます」
「よろしい。己が責務を果たせ」
こうして私は銀髪金眼のリリ・ブランカから、ピンクブロンドに空色の瞳のローズメロウ・コットン男爵令嬢になった。
そしてそのまま一ヶ月ほど入院することになった。
「少し叩かれただけで大袈裟だよ。こんなのすぐ治るし、入院だなんてお金がかかるよ」
ただでさえ、貴族の診察もしている医師にかかるのはお金がいる。しかも病院に入院するなんて余計にかかるに決まっている。
私はすぐ退院しようとしたのだけど。
「駄目よ。顔がこんなに腫れてるし、殴られた衝撃で身体をひねって傷めているもの。それにお医者様は、過労の兆候があると仰っていたわ。リリは今まで働きすぎていたのよ。この機会にしっかり休みなさい」
「え。でも、シルビアお姉様に比べたら働いてな……」
「休みなさい」
「……はい」
お見舞いに来たシルビアお姉様に睨まれて、頷くしかない。
今は昼下がり。カーテンのかかった窓から優しい光がこぼれる。
部屋の中には寝台に横たわる私と、見舞い用の椅子に座るシルビアお姉様しかいない。
今日もシルビアお姉様は美しい。
白いレース襟がついた緑色のワンピース、編み込んでまとめた銀髪、憂いを帯びた黄金色の瞳。
悲しんでいるのが伝わってるのにうっとりしてしまう。初夏の美しさが少女の姿になったら、きっと今日のシルビアお姉様の姿になるわ。
「もう私を庇わないで。……そう言っても貴女は聞かないでしょう?だったらせめて、怪我をしたり病気をした時はしっかり治して。お願いだから」
「……うん。シルビアお姉様、心配かけてごめんなさい。これからは、出来るだけ怪我も病気もしないよう気をつけるよ」
手を伸ばすと、シルビアお姉様の華奢で白い両手に包まれた。まるで白いマグノリアに触れたよう。
なんて繊細で清い手。
「……リリ、私を守ってくれてありがとう」
面会が終わるまで、シルビアお姉様は手を離さないでいてくれた。
◆◆◆◆◆
それからの一ヶ月間。シルビアお姉様とお母さんは、忙しい合間を縫ってお見舞いに来てくれた。凄く嬉しかった。また入院したいな。なんて思ったのは内緒。
退院の日。迎えの馬車に揺られて、ゴールドバンデッド公爵家に戻った。
シルビアお姉様は王城に参内しているらしい。
残念に思う間もなく、ゴールドバンデッド公爵閣下の執務室に呼ばれた。
重厚な家具が並ぶ青を貴重とした部屋の中には、執務椅子に座るゴールドバンデッド公爵閣下と侍従が一人。
跪いてご挨拶と感謝を述べる。
「うむ。体の調子はどうだ?」
「お陰様で全快しております。感謝の念に耐え……」
「お前はそれだけの仕事をした。よくシルビアーナを守った。これからも励め。……最も、お前自身も望む所だろうがな」
全てを見透かすような眼差しに身が竦むけど、微笑みを作って受け止めた。
「さて、呼び出したのにはもう一つ理由がある。
命令だ。シルビアーナと愚物の茶番を終わらせる駒になれ」
「と、言いますと……」
愚物とはクリスティアン殿下のことだろう。以前から、ゴールドバンデッド公爵閣下は不敬発言を繰り返されていた。けど、ここまでじゃなかった。穏やかじゃ無い。
つまり、今回の件でクリスティアン殿下を完全に排除することが決まったのだろう。
シルビアお姉様が婚約破棄できそうで嬉しいと同時に、不穏な予感がする。
ただ単にクリスティアン殿下が失脚するだけでは済まない予感。
そしてそれは当たった。
「国王陛下は、あの愚物を完全に見限った。同時に、叛逆者であるガーデニア公爵家も粛正するおつもりだ」
「……どういうことでしょうか?」
入院中は情報が制限されていた。夜会での出来事がどう処理されたか。貴族社会で何があったか知らない。
ゴールドバンデッド公爵閣下のご説明を要約すると、こうだった。
まず、夜会でのアジュナ王太子殿下との騒動も、シルビアお姉様が殴りかかられ私が怪我をしたことも、公的にはなかった事になった。
とはいえ、クリスティアン殿下が無罪放免になった訳ではない。
まず【禁止されていたのにアジュナ殿下に近づいた】罪の罰。
これは、アジュナ殿下が『クリスティアン殿下を責めないで差し上げてくれ。お可哀想な方では無いか。それに私も、シルビアーナ嬢と婚約している彼に嫉妬心から嫌味を言った。相殺頂けると助かる』と、言ったので罪も罰も軽くなった。
結果、国王陛下からの説教、勉強の追加、クリスティアン殿下に割り当てられている予算の削減、私財から『アジュナ殿下への御礼品』を贈るだけに止まった。
もう一つの【シルビアお姉様に殴りかかった上に、庇った私に怪我をさせた罪】の方が問題だった。
当然、ゴールドバンデッド公爵家は激怒。猛抗議してクリスティアン殿下の無期限の謹慎、王位継承権の剥奪、婚約破棄、私財の没収、私たちに対する謝罪などを申し立てた。
しかし、クリスティアン殿下は反省しなかった。
殿下の後ろ盾であるティアーレ殿下とガーデニア公爵家も『殴ったのはやり過ぎだが、婚約者を愛しているがゆえの嫉妬。大目に見て欲しい』などと言って減刑を求める。
おまけに他の貴族家も『結局、ゴールドバンデッド公爵令嬢自身は怪我をしなかったではないですか。寛容なご判断を』などと言う始末。
しかも、減刑を求める貴族家が異様に多い。
そのせいで裁判すら開廷されず、クリスティアン殿下は王城の自室で三ヶ月謹慎し、多額の慰謝料を支払うだけで済んでしまった。
国王陛下は、臣下に失望する前に疑った。
『三年前もそうだった。いくら王族への心酔があるとはいえ、悪名高いクリスティアンがここまで多数の臣下に庇われるのはおかしい』
「調査すると、ガーデニア公爵家が他家を買収または脅迫して減刑を求めさせているとわかった。
しかもそれだけでは無い。ガーデニア公爵家は、謀叛の計画を立てて準備をしていることもわかった」
戦争の準備もしているという。
「謀叛の理由は調査中だがどうでもいい。どうせあの第二側妃の嫉妬か、ガーデニア公爵の野望ゆえだ。届なく私軍を強化し武器と鉄を密輸している時点で、謀叛人なのは確定している」
かくして国王陛下は、ガーデニア公爵家を粛正すると決めた。
「この粛正には、我がゴールドバンデッド公爵家も全面的に支援する。
徹底的に叩き潰すためには、奴らから情報を引き出す間諜が必要だ。
特に、計画の情報と証拠。そしてあの愚物が、自らの意思で叛逆に加わっているという証拠が欲しい。
お優しい国王陛下と、敵にすら甘いシルビアーナの決断を鈍らせぬために。
そこでお前だ。愚かな第二王子クリスティアンを籠絡し、情報を搾り取れ。場合によっては暗殺しろ」
「ご命令とあらば否やはございませんが、なぜ私なのでしょうか?王家とゴールドバンデッド公爵家には【影】がいます。私は間諜としての訓練を受けてはいますが、素人同然です」
「お前が適任なのだ。
まず、当家に絶対の忠誠を誓っていること。王の血を引く愚物に絆されることが絶対にないこと。
そして何よりも、銀髪金眼以外の見た目が愚物好みであること」
途端、クリスティアン殿下に身体をねっとりとした視線で見られた記憶がよみがえった。オエッ!
「……気色悪い話をして悪かった。理解できたか?」
「……出来ました。ご命令に従います」
シルビアお姉様から離れるのは辛いけど、従った。どんな形でもいい。早くシルビアお姉様を解放したい。
それにあの馬鹿王子。とうとう女性に手を上げるようになった。『側にいるしか出来ない』なんて言ってられない。
私の全てをかけてあの馬鹿王子をシルビアお姉様の人生から排除してやる。
「シルビアーナはお前を使うことを嫌がるだろうが、これが最善だ。わかっているな」
「はい。お任せ下さい。我が命を……」
そこまで言って、シルビアお姉様の悲しむ顔を思い出してためらう。
命をかけるだなんて言ったら、あの優しい方はまた泣いてしまうだろう。
「我が主、シルビアーナ・リリウム・ゴールドバンデッド様の幸福のため、精一杯努めさせていただきます」
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