殺人遊戯 マーダーゲーム 殺人犯捜査第四係比嘉可南子

繁村錦

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CHAPTER5

4

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 取り調べの結果、遠山清志は、柴田慶亮傷害致死容疑と青木琢磨ひき逃げ容疑付いて自供した。更に、覚せい剤及び麻薬の不法所持と使用、その他諸々の悪事に手を染めていたことも認めた。彼は半グレ集団『東京連合』のメンバーの一人だった。だが、依然として犀川一家四人殺害、森博一、桜井心音殺害容疑に関しては否認し続けた。
 遠山の弁護士は、例の南谷法律事務所の岡崎香織が就くことになった。
 岡崎は毅然とした態度で警察に臨んだ。

「遠山清志の弁護人として申し上げます。被疑者が、先の二つの逮捕容疑に関し認めた内容に付いては、当方として何も申し上げることはありませんが、警視庁捜査員比嘉可南子警部に対する公務執行妨害容疑に関しては、違法逮捕として断固抗議致します」

 と可南子は岡崎の口調を真似、部下たちの前で披露した。

「笑っちゃうよね。違法逮捕だってさぁ……今に見てなさい。あの女の化けの皮剥いでやるからさぁ」

 可南子はヒクヒクと蟀谷の辺りを痙攣させ、目の前の缶ビールを呷った。

「もう、飲み過ぎですよ、可南子様」

 と東海林が釘を刺す。
 遠山が逮捕されたその晩。渋谷中央署の道場に布団を敷き、捜査員は雑魚寝していた。勿論比嘉や有村といった女性捜査員は、講堂と同じ階の小会議室が寝床として用意された。だが、この事件解決後、異動が決まっている比嘉は、部下たちと最後の親睦を図る名目で酒盛りを開いていた。酒代は彼女の自腹だ。

「可南子様、もうこのくらいして、今日はお開きってことで、そろそろ小会議室に戻って下さい。ほら、有村だって迎えに来ていますよ」

 東海林にいわれ、半分酔っ払って焦点が定まらない目で、可南子は入り口に立つ有村を見る。

「千尋が二人いる……」

 呂律が回っていない。目を擦る。

「おーい、ゴンちゃん。権蔵さんはどこ? あの野郎、さては逃げ出したな」

 辺りをキョロキョロ見回し、細川の姿を探す。

「細川さんだったら、さっき出て行きました。五月蠅くて寝られないっていってね」

 所轄の刑事が困り果てた顔でいった。

「ジュンちゃんは、私のジュンちゃんはどこ?」

「緒川さんはまだ戻っていません。調べものがあるそうです」

 緒川班の池本が、比嘉を支えながら答えた。

「調べもの……?」

「はい。自分はよくわかりませんが、なんでも警部補から直接指示された案件だそうです」

「私が直接指示した案件……? 何だっけ?」
 
 可南子は呆け顔で首を傾げる。

「さあ……」

 池本は首を横に振った。

「おいっ、シオンっ。ドサクサに紛れて私の乳触ってんじゃねぇぞぉ!!」

 崩れ落ちる可南子の身体を支えようと手を伸ばした大倉に、可南子は肘打ちを喰らわせた。

「痛ぇっ」

 勢い余り可南子はそのまま崩れ落ちた。後は酔いに任せ、そのまま眠り込んだ。
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