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第1章 異世界を救った勇者、リエナと共に現実世界に帰還する。

第5話 制服JKリエナ

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「でも一体どういうことなんだ? リエナも母さんの話を聞いてただろ? どうもリエナはうちにホームステイしながら、俺と一緒の高校に通うことになっているみたいだぞ?」

「みたいですね……おそらくですが女神アテナイが、私がこの世界に正しく存在できるように世界に干渉したのではないでしょうか?」

「まぁそれしか考えられないよな。その辺は詳しくは学校に行く時にでも話すとして、まずは朝の準備だな」

 朝はあまり悠長にはしていられない。
 この世界の俺は勇者ではない普通の高校生で、予鈴が鳴る8時25分までに高校に登校しないといけないのだから。

「ちなみにお母さまが言っておられた私の部屋というのは、どこなんでしょうね?」

「この部屋の隣をずっと物置きとして使ってたから、多分そこが整理されてリエナの部屋になってると思う。というか他に空いてる部屋はないし。そこで制服に着替えたら1階の居間に来てくれ」

「その『制服』というのはどのような服なのでしょうか?」

「うちの高校の女子の夏服はブラウスとスカートだ。多分真新しいのがハンガーにかかってるんじゃないかな?」

「分かりました」

 いったんリエナと別れた俺は、すぐに顔を洗って高校の制服に着替え始めた。
 実に5年ぶりに制服に袖を通すと、

「ちょっときついな……」

 異世界転移前の帰宅部のもやし体形と違って、実戦を通して鍛え上げられた筋肉質な身体のせいで制服がやや窮屈だったけど、まぁ仕方がない。

「これだけ身体つきが違ってるのに、母さんはさっきよく納得してくれたもんだ」

 これが親子の絆ってやつなんだろうか?

「でも夏服は半袖だからギリギリ大丈夫だけど。どう考えてもこのままじゃ冬服は入らないよな。折を見て母さんに言っておかないと」

 でも1年の秋に、春先にちょっと着ただけでまだ全然新しいままの冬服一式を新調するのは嫌がりそうだ。
 主に金銭的な意味で。

 学校指定の制服はかなりお高い。
 うちは貧乏じゃないけど決して裕福というわけじゃないからな。

「俺ももう高校生だし短期のバイトでもするかな? 勇者スキルがあるからたいがいは何とかなるだろうし」

 そんなことを考えながら1階に下りて居間に向かい、同じく制服に着替えて下りてきたたリエナと合流する。

「お、いいじゃん。リエナの制服姿、もちろん見るのは初めてだけどすごく似合ってるぞ」

「えへっ、ありがとうございます、本当に可愛い服ですよね。着ただけで嬉しくなっちゃいます。ただちょっとだけ気になる点が……」

「どうした? 特に変なところはなさそうだけどな? ほんとにすごく似合ってるぞ?」

 お世辞でもなんでもなく、まるでリエナのために制服があるってレベルでとてもよく似合っている。

「この制服、スカートがちょっと短すぎませんか? 大丈夫なんでしょうかこんな短いスカートをはいていて。悪い男に誘拐されたりとかしません?」

 リエナがスカートの裾をちょこんと持ち上げながら尋ねてきた。
 そのせいでリエナの真っ白な太ももがあらわになってしまう。

 俺は本能的に一瞬チラッと視線を際どいところに向けてしまったものの、すぐにリエナの顔へと視線を戻した。

「それなら心配しなくても大丈夫だよ。なにせ日本は治安がいい国だからな。膝上10センチくらいで標準だと思うぞ」

「そうなんですね。では恥ずかしいですけど、頑張って慣れてみようと思います」

 あと心の中だけで付け加えるなら、一般日本人男性よりリエナの方が戦闘能力ははるかに高いと思う。

 リエナは野生のクマ程度なら、得意の杖を使った戦闘術でいとも簡単に殴り殺してしまうからな。
 そんなもん異世界転移前の俺には絶対無理だ。

 素手でも結構強いし。

 もちろん女の子のリエナに向かって「リエナは男勝りだから大丈夫だ」なんて酷いことを言ったりはしない。

「でもだからといって、今みたいにいたずらに際どいポーズは取らないようにな。わざわざ犯罪の種をまく必要はないし、俺がちょっと嫌だから」

 最後の感情は独占欲……なんだろうな、きっと。

「もう、外ではしませんよ。ですが勇者様になら別に見られても嫌ではありませんので」

 リエナがはにかみながら言いつつ、くるっとその場で軽やかに回ってみせた。

 さっきからリエナはすごく嬉しそうだな。
 なんだかんだで可愛い制服を着て心がハッピーになってるのかな?

 そしてリエナ感性では短いスカートが、慣性でフワッと広がる。
 無防備にもかなり上の方まであらわになってしまった真っ白な太ももから、俺はまたさりげなく視線を逸らした。
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