32 / 88
第3章 文化祭

第32話 異世界を救った勇者、怒りの制裁。(ざまぁ)(2)

しおりを挟む
「またまたやりましたね勇者様♪ セット無料券の2セット目をゲットです♪」

「まぁな、俺にかかればこんなもんよ。ってわけで3回目に行こうか」
「はい、そうしましょう♪」

 悠然と3度目の挑戦を宣言した俺&にっこり笑顔のリエナとは対照的に、

「え、いや、ちょっと待って……あの……その……だって……」
 運営担当の顔は青ざめ、その態度は誰が見ても分かるくらいに完全にキョドってしまっていた。

 そりゃそうだろうな。
 絶対にダブルビンゴなんてできないスーパーハード設定にしていたはずなのに、2回とも俺にノーミス最短ルートでクリアされてしまったんだから。

「どうしたんだ? 何回やっても無料で、ダブルビンゴを成功させるたびに駅前のケーキカフェのセット無料券が2枚セットで貰えるんだよな?」

「は、はい……」

「10回成功したら合計20枚のセット無料券が貰えるんだよな? 最初にそう説明してくれたよな?」

「は、はい……」

「じゃあ3回目な。なにせ今日はすごく調子がいいからな。外す気が全くしないんだよ」

「そ、そんな……」

「いやー文化祭でこのイベントが開かれていてよかったよ。これならいくらでも貰い放題だ」
「ですね♪ 私たちは最高に運がいいです♪」

「……」

「あれかな、リエナの日ごろの行いがいいのかな? 神様がご褒美をくれたのかもしれないぞ?」
「なに言ってるんですか。それを言うなら勇者様の日ごろの行いがいいんですよ」

「じゃあ2人とも日ごろの行いが良かったってことで」
「ですね♪」

 リエナとバカップルっぽいアホな会話を笑顔でしてから、

「そういうわけで3回目に挑戦するからとっととリングを取ってきてくれ」
 俺は運営担当の生徒に冷たく言い放った。

「…………はい」

 俺はその後延々と挑戦を繰り返し、もちろんその全てをノーミスで成功させた。 
 そして12回目に挑もうとしたところで、

「こ、これ以上はご勘弁ください……その、もう景品が残っていなくて……」

 俺のところにやってきた2年5組の企画責任者に泣きを入れられたのだった。

「そっか、そりゃ残念だな。もうリングが飛ぶ感覚は掴んだから、100回投げたら99回は入るから文化祭が終わるまでやり続けようと思ったんだけどな」

「なっ――」
 あっけらかんと言った俺の言葉に、2年5組の責任者が絶句する。

 ぶっちゃけた話、100回中100回って言っても良かったんだけど。
 でも世の中どんなアクシデントがあるか分からない。
 ここは敢えて謙虚に99回と言っておこうじゃないか。

「まぁなんだ、これに懲りたらカップルを狙って嫌がらせするような真似は二度とするなよ。お前らの薄汚い企みは全部お見通しなんだぜ?」

「あ、えっと……それは……」
 責任者の生徒がバツが悪そうに視線を逸らした。

「俺は今回の文化祭をそれはもう楽しみにしていたんだ。クラス企画をみんなで協力して準備して、本番もすごく忙しいけど充実してて。今日もここまですごく楽しかった」

「……」

「俺の人生でこんな楽しい文化祭は始めてだったんだよ。だっていうのに、せっかくの楽しい文化祭でこういうのを見せられるのは、正直気分が悪い」

 俺は言葉にほんのわずかだけ闘気を乗せる。
 低級の魔物でも意に介さない程度の極々少量の闘気だが、それでも平和な日本でのほほんと育った高校生なら、俺の放つ暴力的な気配に内心ビビりまくっていることだろう。

「……はい……すみませんでした」
 2年5組の責任者は、観念したように謝罪の言葉と共に頭を下げた。

 ってなわけで。
 俺は悪の2年5組を成敗するとともに、報酬として11枚×2枚セット=合計22枚の駅前ケーキカフェセットの無料券を手に入れたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します

すもも太郎
ファンタジー
 伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。  その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。  出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。  そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。  大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。  今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。  ※ハッピーエンドです

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】 異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。 『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。 しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。 そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

処理中です...