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第三章「約束」
第32話 イージスの盾
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「それで、新しいのはできているのか?」
金の話が一段落した所で、俺は話をさくっと次に進めた。
「もうちょっとかかりますね☆ ですがほとんど形にはなっていますので、次に来るときまでには試作品を用意できるかと☆ ですので今日のところは従来のものでお願いします☆」
「分かった。次来る時を楽しみにしている」
「期待していてくださいね☆ 『イージスの盾』計画のラストコード《スーパーダイラタンシー》は、私の研究の粋を凝らしたスペシャル仕様ですので☆」
「博士がそういうなら、間違いはないだろうな」
人間が《想念獣》と戦うために発展させたもの。
体系化された戦闘術と、もう一つが科学技術だ。
博士は《想念》研究とともに、流体金属とよばれる特殊な素材を研究していて、それを利用したウェアラブル・シールド――普段は衣服のように薄くて軽くて動きやすく、しかし一定以上の衝撃を受けると瞬時に硬化して防弾チョッキのようにダメージを分散・シャットダウンする――『科学の盾』ともいうべき装備を開発しているのだった。
「使った古い分は置いて帰ってくださいね☆ ダメージの実戦データをとりますので☆」
「分かってるよ」
このウェアラブル・シールド、米軍と自衛隊に将来的に採用が期待される革新的装備らしく、試作品の段階でその性能はかなりの物だった。
この科学の盾が常に俺の身を守ってくれているおかげで、ケンタウロス型の槍を受け止めたりといった、ある程度無茶な戦い方もすることができるのだから。
「要件は以上だ。また来る」
「おや、もうお帰りですか☆」
「この後は病院の予約をとってあるんだ。遅れたくない」
「例の心因性の過呼吸ですか☆ 無理は禁物ですよ☆」
「俺は弱いからな。どこかで無理をしないと帳尻を合わせられない」
「なんでしたら私が特別に気分を落ち着けるお薬を処方しましょうか?☆ ちょうど試してみたい薬があるのですが、今なら無料でかまいませんよ☆」
「残念ながらあんたの人体実験に付き合う酔狂は持ち合わせていないんだ。じゃあな」
「せっかくなので世間話でもと思ったのですが☆」
「俺には特に話すようなことはないよ」
「おや、そうですか☆ 私としては世間話ついでに、最近できたらしい可愛いガールフレンドのお話を、聞きたかったのですけど☆」
「ぶ――ッ!? どこでそれを!? いやいや別にガールフレンドってわけじゃない」
「あれ?☆ とても仲良くしている女の子がいると聞いたのですが☆」
「縁があってクラスメートと親しくなっただけだ。特別な感情はもっていない」
「そうですか☆」
「なにか言いたそうだな」
「いいえ、別に?☆ お弁当を作ってもらって一緒に食べたり、夜の巡回に同行させたり、おっぱいをお触りしたり……確かに特別な感情はなさそうだなと、思ったまでです☆」
「……やれやれ。どうやら俺の周りには、雲よりも口が軽いおしゃべりがいるようだ……なぁクロ?」
「ぼ、ぼぼぼボクじゃないよ!? ごごご誤解だよっ!? いやだなぁもう!?」
「何をそんなに慌てているんだ? 俺は別にお前が情報源だとは、一言も言っていないんだが?」
「……にゃ、にゃーん」
「お、いつになく可愛らしい鳴き声だな? さーてと、今日のお前の晩飯はカツオ節ご飯にするか」
「ちょ、来週末にはお金が入るってさっき話してたじゃない! ちゅーる買ってよね!?」
「なんだお前喋れたのか? にゃーんて鳴いてるから、てっきり完全にただの猫になってしまったかと思ったんだが」
「い、いじわるだなぁもう……それにほら、ボクいろいろと報告しないといけないし? ユウトがやらないから、代わりにボクが退魔士協会とかに報告してるんだよ?」
「へぇ、俺のプライベートまでイチイチ報告する義務があるのか。大変なんだな、今どきの猫ってのは」
「にゃ、にゃーん……」
カツオ節ご飯の絶望に染まったクロのか細い鳴き声が、研究室の中に消えていった――。
金の話が一段落した所で、俺は話をさくっと次に進めた。
「もうちょっとかかりますね☆ ですがほとんど形にはなっていますので、次に来るときまでには試作品を用意できるかと☆ ですので今日のところは従来のものでお願いします☆」
「分かった。次来る時を楽しみにしている」
「期待していてくださいね☆ 『イージスの盾』計画のラストコード《スーパーダイラタンシー》は、私の研究の粋を凝らしたスペシャル仕様ですので☆」
「博士がそういうなら、間違いはないだろうな」
人間が《想念獣》と戦うために発展させたもの。
体系化された戦闘術と、もう一つが科学技術だ。
博士は《想念》研究とともに、流体金属とよばれる特殊な素材を研究していて、それを利用したウェアラブル・シールド――普段は衣服のように薄くて軽くて動きやすく、しかし一定以上の衝撃を受けると瞬時に硬化して防弾チョッキのようにダメージを分散・シャットダウンする――『科学の盾』ともいうべき装備を開発しているのだった。
「使った古い分は置いて帰ってくださいね☆ ダメージの実戦データをとりますので☆」
「分かってるよ」
このウェアラブル・シールド、米軍と自衛隊に将来的に採用が期待される革新的装備らしく、試作品の段階でその性能はかなりの物だった。
この科学の盾が常に俺の身を守ってくれているおかげで、ケンタウロス型の槍を受け止めたりといった、ある程度無茶な戦い方もすることができるのだから。
「要件は以上だ。また来る」
「おや、もうお帰りですか☆」
「この後は病院の予約をとってあるんだ。遅れたくない」
「例の心因性の過呼吸ですか☆ 無理は禁物ですよ☆」
「俺は弱いからな。どこかで無理をしないと帳尻を合わせられない」
「なんでしたら私が特別に気分を落ち着けるお薬を処方しましょうか?☆ ちょうど試してみたい薬があるのですが、今なら無料でかまいませんよ☆」
「残念ながらあんたの人体実験に付き合う酔狂は持ち合わせていないんだ。じゃあな」
「せっかくなので世間話でもと思ったのですが☆」
「俺には特に話すようなことはないよ」
「おや、そうですか☆ 私としては世間話ついでに、最近できたらしい可愛いガールフレンドのお話を、聞きたかったのですけど☆」
「ぶ――ッ!? どこでそれを!? いやいや別にガールフレンドってわけじゃない」
「あれ?☆ とても仲良くしている女の子がいると聞いたのですが☆」
「縁があってクラスメートと親しくなっただけだ。特別な感情はもっていない」
「そうですか☆」
「なにか言いたそうだな」
「いいえ、別に?☆ お弁当を作ってもらって一緒に食べたり、夜の巡回に同行させたり、おっぱいをお触りしたり……確かに特別な感情はなさそうだなと、思ったまでです☆」
「……やれやれ。どうやら俺の周りには、雲よりも口が軽いおしゃべりがいるようだ……なぁクロ?」
「ぼ、ぼぼぼボクじゃないよ!? ごごご誤解だよっ!? いやだなぁもう!?」
「何をそんなに慌てているんだ? 俺は別にお前が情報源だとは、一言も言っていないんだが?」
「……にゃ、にゃーん」
「お、いつになく可愛らしい鳴き声だな? さーてと、今日のお前の晩飯はカツオ節ご飯にするか」
「ちょ、来週末にはお金が入るってさっき話してたじゃない! ちゅーる買ってよね!?」
「なんだお前喋れたのか? にゃーんて鳴いてるから、てっきり完全にただの猫になってしまったかと思ったんだが」
「い、いじわるだなぁもう……それにほら、ボクいろいろと報告しないといけないし? ユウトがやらないから、代わりにボクが退魔士協会とかに報告してるんだよ?」
「へぇ、俺のプライベートまでイチイチ報告する義務があるのか。大変なんだな、今どきの猫ってのは」
「にゃ、にゃーん……」
カツオ節ご飯の絶望に染まったクロのか細い鳴き声が、研究室の中に消えていった――。
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