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―最終章―
第71話 再生 -リジェネレーションー
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どうしても伝えたかった想いをマナカに伝え終えると同時に――、
「ぁ――――」
俺の意識は暗い暗い死の淵へと沈んでいった。
身体が冷え切っている。
あまりにも血を失いすぎた。
まだほんのわずかだけ残っていた『剣部優刀』という自我も、ついに死という永劫の闇の中へと霧散しはじめる。
俺という存在が消えていく――その刹那。
最後に残ったほんのわずかの「俺」に、小さな温かいものが触れたのだった。
最初はわずかな火種にしか過ぎなかったそれは、しかし、次第次第に強烈な熱量を帯びてゆく。
そして暗い闇色に今まさに覆い尽くされんとしていた俺の意識を、夜明けに昇るお天道様のごとく力強く照らしはじめたのだ――!
身体が熱い。
身体の中に太陽ができたかのような、尋常ならざる熱量が身体の中を駆け巡ってゆく――!
冷え切っていた身体に、猛烈な生の脈動が湧きあがる――!
これは、この力は――!
あふれ出る力の奔流に、闇の底に沈みかけていた意識が耐えきれなくなって――俺はカッと目を見開いた。
――最初に映ったのは少女の泣き顔だった。
まるでスコールのように、少女からは大量の涙の雨が降ってくる。
それがマナカのものだと分かって、心配かけて申し訳なくなって。
そして同時にマナカが泣いてくれたことがとてもとても嬉しくて、心がじわっと熱くなってくるのを感じて。
なによりお日さまのようなマナカには泣き顔なんて似合わないと、そう強く思ったのだった。
「なに泣いてんだよ、せっかくの可愛い顏が台なしだぞ」
だから俺は、いつもよりほんのちょっと優しい声色で語りかけた――のだが、
「うっ、ぐす、ううっ、ひうっ――」
まさかの無反応。
「ん、あれ、もしかして聞こえてないのか? おーい、マナカ?」
言いつつ、右手を差し伸べて頬に流れる涙を軽くぬぐってやると――、
「ひっく――ふぇ? あれ、ユウトくん――?」
マナカが狐につままれたようにきょとんとした。
そんなマナカが無性に愛おしくて、
「ああ、俺だぞ」
「えっと……ユウトくん?」
「おう」
もう一度、さっきよりもいっそう優しく答えた瞬間、
「――っ! ユウトくん!ユウトくんユウトくん!」
ガバッと力いっぱいマナカに抱きしめられた。
おいおい、可愛い服に血が付くぞと言いかけて――でも、やっぱり何も言わずに俺もマナカを抱きしめ返したのだった。
胸元ですんすん鼻をすすってるマナカを、右手で背中を撫でて落ち着かせてやる。
あの時、発作を起こして這いつくばっていた俺がマナカにそうしてもらったのと同じように――と、そこではたと気づいた。
「右手が、動く――?」
骨と神経がぐしゃぐしゃになって、痛みすら感じなかったはずの壊れた右手が、何の問題もなく動いていたのだ。
それだけではない。
少しマナカが落ち着いたところでそっと身体を離すと、俺は自分の状態を確認してゆく。
あれだけズタボロになっていたっていうのに、
「出血が止まっている? 傷の跡すらない――っていうか俺、死んでたよな?」
ひきずっていた右足も、腫れあがって紫色に変色していた腹部も、派手に出血していた胸部の裂傷も。
全ての傷が、まるでそんなものは最初から存在していなかったかのように、完全に治癒していたのだ。
「回復、いや、これはもはや再生だね」
ぴょこっと顔を出したクロがつぶやいた。
既にクロとの一体化は解けてしまっていて――直撃を受けて俺と同じく瀕死状態だったはずだが――良かった、クロも無事に復活したようだった。
「ぁ――――」
俺の意識は暗い暗い死の淵へと沈んでいった。
身体が冷え切っている。
あまりにも血を失いすぎた。
まだほんのわずかだけ残っていた『剣部優刀』という自我も、ついに死という永劫の闇の中へと霧散しはじめる。
俺という存在が消えていく――その刹那。
最後に残ったほんのわずかの「俺」に、小さな温かいものが触れたのだった。
最初はわずかな火種にしか過ぎなかったそれは、しかし、次第次第に強烈な熱量を帯びてゆく。
そして暗い闇色に今まさに覆い尽くされんとしていた俺の意識を、夜明けに昇るお天道様のごとく力強く照らしはじめたのだ――!
身体が熱い。
身体の中に太陽ができたかのような、尋常ならざる熱量が身体の中を駆け巡ってゆく――!
冷え切っていた身体に、猛烈な生の脈動が湧きあがる――!
これは、この力は――!
あふれ出る力の奔流に、闇の底に沈みかけていた意識が耐えきれなくなって――俺はカッと目を見開いた。
――最初に映ったのは少女の泣き顔だった。
まるでスコールのように、少女からは大量の涙の雨が降ってくる。
それがマナカのものだと分かって、心配かけて申し訳なくなって。
そして同時にマナカが泣いてくれたことがとてもとても嬉しくて、心がじわっと熱くなってくるのを感じて。
なによりお日さまのようなマナカには泣き顔なんて似合わないと、そう強く思ったのだった。
「なに泣いてんだよ、せっかくの可愛い顏が台なしだぞ」
だから俺は、いつもよりほんのちょっと優しい声色で語りかけた――のだが、
「うっ、ぐす、ううっ、ひうっ――」
まさかの無反応。
「ん、あれ、もしかして聞こえてないのか? おーい、マナカ?」
言いつつ、右手を差し伸べて頬に流れる涙を軽くぬぐってやると――、
「ひっく――ふぇ? あれ、ユウトくん――?」
マナカが狐につままれたようにきょとんとした。
そんなマナカが無性に愛おしくて、
「ああ、俺だぞ」
「えっと……ユウトくん?」
「おう」
もう一度、さっきよりもいっそう優しく答えた瞬間、
「――っ! ユウトくん!ユウトくんユウトくん!」
ガバッと力いっぱいマナカに抱きしめられた。
おいおい、可愛い服に血が付くぞと言いかけて――でも、やっぱり何も言わずに俺もマナカを抱きしめ返したのだった。
胸元ですんすん鼻をすすってるマナカを、右手で背中を撫でて落ち着かせてやる。
あの時、発作を起こして這いつくばっていた俺がマナカにそうしてもらったのと同じように――と、そこではたと気づいた。
「右手が、動く――?」
骨と神経がぐしゃぐしゃになって、痛みすら感じなかったはずの壊れた右手が、何の問題もなく動いていたのだ。
それだけではない。
少しマナカが落ち着いたところでそっと身体を離すと、俺は自分の状態を確認してゆく。
あれだけズタボロになっていたっていうのに、
「出血が止まっている? 傷の跡すらない――っていうか俺、死んでたよな?」
ひきずっていた右足も、腫れあがって紫色に変色していた腹部も、派手に出血していた胸部の裂傷も。
全ての傷が、まるでそんなものは最初から存在していなかったかのように、完全に治癒していたのだ。
「回復、いや、これはもはや再生だね」
ぴょこっと顔を出したクロがつぶやいた。
既にクロとの一体化は解けてしまっていて――直撃を受けて俺と同じく瀕死状態だったはずだが――良かった、クロも無事に復活したようだった。
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