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第4章
第56話 望まれない来訪者――ロゼッタ死す。
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それは突然の出来事だった。
俺たち4人が──俺、ルミナ、ロゼッタ&体験参加という体で協力してくれている星奈先輩だ──いつものように魔会の活動をしていると、
「にゃはっ☆ ここじゃん、ウケる~☆」
廊下から女の子の明るい声が聞こえたかと思ったら、
ドンッ!
何の前触れもなく、激しい衝撃音とともに部室の入り口ドアが吹き飛んだ。
「――ハッ!」
誰よりも早く危険を察知した星奈先輩が、瞬時に立ち上がって飛びのく。
スカートが盛大に翻っていろいろ見えてしまっていたが、この状況では俺もそんなことを気にしてはいられない。
星奈先輩からわずかに遅れて俺も動き出す。
しかし俺は避けるのではなく、吹き飛んだドアの向かった先、直撃コースに運悪くいたロゼッタを――本当に最悪のツモをナチュラルに引き続ける不運の子だ――庇うようにして抱きかかえていた。
ガン! と、硬い音を立てて俺の左腕にドアが当たり激痛が走るが、なんとかロゼッタへの直撃は防ぐことができた。
「ううっ……。なんですか……? カミナリでも落ちたんですか……? あうううっ……おでこが痛いですぅ……」
しかし壊れたドアの破片がロゼッタの額に当たってしまい、ロゼッタは額から血を流しながら、俺の腕の中でうめき声を上げていた。
くそっ、反応が遅れた!
全盛期の俺の危険察知能力があれば、ひ弱な人間の身体であっても&魔力を使わなくても、誰よりも早く動き、無傷でロゼッタを庇うことができただろうに。
完全に油断していた。
ルミナ以外からの攻撃があるのでは? という可能性を、俺は失念してしまっていた!
「大丈夫かロゼッタ。安心しろ、傷は浅いぞ。かすり傷だ」
励ますための嘘でもなんでもなく、本当にたいした怪我ではない。
多分、ドアが当たった俺の左腕の方がダメージは大きい。
腕の内部、かなり奥がジンジンと激しく痛むから、折れて──はいなくとも、ヒビくらいは入っているかもしれなかった。
しかし血管の集まっている額というセンシティブな部位だけあって、ロゼッタの出血量は意外と多い。
怪我慣れしていれば大したことはないとすぐにわかるんだが、残念ながらロゼッタはドラゴンを遠目から見ただけでビビッて腰を抜かしてチビるほどに、戦闘という点ではからっきしだ。
やはりというか、ロゼッタは額を抑えた自分の手にベットリと付いた真っ赤な血を見て、驚いたハムスターみたいに口をあんぐり開けると、白目を剥いて、
「ぴぃっ!? もうわたしは駄目ですぅ……。先行く不幸をお許しください魔王さま……。小さい頃から貯めていたブタさんの貯金箱がもうちょっとでいっぱいだったのが悔やまれます……。それとお話はプロット通りに、魔王さまじゃなくてルミナちゃんに続きを書いてもらってくださいね……」
変な鳴き声(?)とともに、なんとも失礼な遺言を残してから気を失った。
俺の腕の中のロゼッタからガクリと力が抜ける。
もちろん死んではいない。
というか人間はこんな程度で死にはしない。
しかし、
「そんなに俺の書く文章はダメかよ……」
ロゼッタが遺言として最後の最後に伝えたかったのが――もちろんこの程度のケガで死にはしないがロゼッタ本人は完全にそのつもりだ――俺に自作の続きを執筆させないことだなんて……。
俺の心を悲しみの風が吹き抜けていった。
まぁそれは今はいいよ。
俺が視線をロゼッタから入り口へと向けると、ルミナが乱入者から俺たちを守るように一番前に仁王立ちしていた。
ルミナの身体からは聖なる魔力がゆらゆらと立ち上り始めている。
完全に臨戦態勢なのが見て取れる。
その意味するところは――
俺たち4人が──俺、ルミナ、ロゼッタ&体験参加という体で協力してくれている星奈先輩だ──いつものように魔会の活動をしていると、
「にゃはっ☆ ここじゃん、ウケる~☆」
廊下から女の子の明るい声が聞こえたかと思ったら、
ドンッ!
何の前触れもなく、激しい衝撃音とともに部室の入り口ドアが吹き飛んだ。
「――ハッ!」
誰よりも早く危険を察知した星奈先輩が、瞬時に立ち上がって飛びのく。
スカートが盛大に翻っていろいろ見えてしまっていたが、この状況では俺もそんなことを気にしてはいられない。
星奈先輩からわずかに遅れて俺も動き出す。
しかし俺は避けるのではなく、吹き飛んだドアの向かった先、直撃コースに運悪くいたロゼッタを――本当に最悪のツモをナチュラルに引き続ける不運の子だ――庇うようにして抱きかかえていた。
ガン! と、硬い音を立てて俺の左腕にドアが当たり激痛が走るが、なんとかロゼッタへの直撃は防ぐことができた。
「ううっ……。なんですか……? カミナリでも落ちたんですか……? あうううっ……おでこが痛いですぅ……」
しかし壊れたドアの破片がロゼッタの額に当たってしまい、ロゼッタは額から血を流しながら、俺の腕の中でうめき声を上げていた。
くそっ、反応が遅れた!
全盛期の俺の危険察知能力があれば、ひ弱な人間の身体であっても&魔力を使わなくても、誰よりも早く動き、無傷でロゼッタを庇うことができただろうに。
完全に油断していた。
ルミナ以外からの攻撃があるのでは? という可能性を、俺は失念してしまっていた!
「大丈夫かロゼッタ。安心しろ、傷は浅いぞ。かすり傷だ」
励ますための嘘でもなんでもなく、本当にたいした怪我ではない。
多分、ドアが当たった俺の左腕の方がダメージは大きい。
腕の内部、かなり奥がジンジンと激しく痛むから、折れて──はいなくとも、ヒビくらいは入っているかもしれなかった。
しかし血管の集まっている額というセンシティブな部位だけあって、ロゼッタの出血量は意外と多い。
怪我慣れしていれば大したことはないとすぐにわかるんだが、残念ながらロゼッタはドラゴンを遠目から見ただけでビビッて腰を抜かしてチビるほどに、戦闘という点ではからっきしだ。
やはりというか、ロゼッタは額を抑えた自分の手にベットリと付いた真っ赤な血を見て、驚いたハムスターみたいに口をあんぐり開けると、白目を剥いて、
「ぴぃっ!? もうわたしは駄目ですぅ……。先行く不幸をお許しください魔王さま……。小さい頃から貯めていたブタさんの貯金箱がもうちょっとでいっぱいだったのが悔やまれます……。それとお話はプロット通りに、魔王さまじゃなくてルミナちゃんに続きを書いてもらってくださいね……」
変な鳴き声(?)とともに、なんとも失礼な遺言を残してから気を失った。
俺の腕の中のロゼッタからガクリと力が抜ける。
もちろん死んではいない。
というか人間はこんな程度で死にはしない。
しかし、
「そんなに俺の書く文章はダメかよ……」
ロゼッタが遺言として最後の最後に伝えたかったのが――もちろんこの程度のケガで死にはしないがロゼッタ本人は完全にそのつもりだ――俺に自作の続きを執筆させないことだなんて……。
俺の心を悲しみの風が吹き抜けていった。
まぁそれは今はいいよ。
俺が視線をロゼッタから入り口へと向けると、ルミナが乱入者から俺たちを守るように一番前に仁王立ちしていた。
ルミナの身体からは聖なる魔力がゆらゆらと立ち上り始めている。
完全に臨戦態勢なのが見て取れる。
その意味するところは――
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