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第3章 新1年生の親睦バスケットボール大会
第31話「あ、暁斗くん? え? いったい何をして……」
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「反省してる?」
「すごくしてる。スポブラの性能が気になったからって、超えちゃいけないラインはあったよね。本当にごめんね、ひまりちゃん」
「まったくもー。しょーながいなーアキトくんはー。そんなにわたしの胸が気になるだなんてー」
「うぐ……」
「アキトくんも年頃の男の子だもんねー。わたしの胸が気になっちゃっても仕方ないよねー。むふふー♪」
全然ちっともそういうアレじゃなかったはずなんだけど、今の状況的に言い返しづらい僕だった。
言い返しづらいので、僕は強引に話を変えることにする。
「でもその様子だと、かなり気に入ったみたいだね。これにする?」
ひまりちゃんの様子を見る限り、怒っているというよりか、急に恥ずかしくなっちゃっただけっぽいので――なら最初から見せなきゃいいのにと思わなくもないけど、ひまりちゃんは甘えんぼだから仕方ない――露骨に話を変えても追及はされないだろう。
「うん。試しに1つ買ってみて、使って問題がなかったら、追加で買う感じかな。すっごくいい感じだから大丈夫だと思うけど、念のためね。けっこう高い買い物だから」
思った通りで、にへらーといつものゆるゆるな女神スマイルを浮かべるひまりちゃん。
ほら、どうだい?
ひまりちゃんは本当に素直な子なんだからね。
「本当に気に入ってくれたみたいだね。買いに来てよかったよ」
「うん! ありがとね、アキトくん。アキトくんの言うことは、やっぱりいつも正しいね!」
これでもかと信頼がいっぱいに詰まった言葉と、僕を崇拝するようなひまりちゃんの熱い視線が、僕に向かって飛んでくる。
心の中にくすぶる劣等感をチクチクと刺激してくるそれらから、思わず目を背けてしまいそうになって――僕はここ数年で逃げることにすっかり慣れ切ってしまった弱い心を、叱咤激励した。
これくらいで何を日和ってるんだ。
堂々としろ。
視線を逸らすな。
ひまりちゃんに相応しい男になるんだろう?
今の僕が、ひまりちゃんの想いに対して分不相応なのは間違いない。
だけどそれを理由に今までみたいにひまりちゃんから逃げてたら、一生、分不相応なままじゃないか。
一歩でも。
ううん、半歩でもいい。
大きく開いてしまった差を縮める努力をしないと、ひまりちゃんとの距離は開いていくばかりだろ――!
そのためにも、まずはひまりちゃんのまっすぐな想いから逃げずに、まっすぐにと受け止めるんだ。
「どういたしまして。喜んでもらえて嬉しいよ。なんて偉そうに言っても、買うお金は父さんから貰ってるんだけど」
しっかりとひまりちゃんの目を見て答えると、ひまりちゃんはまたもや「にへらー♪」と嬉しそうに笑った。
「事前にしっかり下調べして、こうやって一緒について来てくれたのは、アキトくんだしー♪」
「元々、僕が言い出したことだからね。それくらいはするさ。言い出しっぺの法則って言うでしょ」
「そうだよねー。アキトくんなら、これくらい楽々楽勝、お茶の子さいさい、余裕のよっちゃんでサラッとやっちゃうよねー♪ 妹に甘々なお節介焼きのアキトくんならねー♪」
「はいはい、ひまりちゃんに甘いのは自覚してますよ。じゃあ服を着たら、レジに行こうか」
「はーい♪」
ひまりちゃんがスポブラに満足してくれたことに、僕は一安心した。
これで体育の時にひまりちゃんの胸が揺れるのを、男子に見られる心配はしなくて済みそうだ。
そしてこうなれば、もはや長居は無用。
速やかにお会計をして、ランジェリーショップから撤退しよう。
そんなことを考えながら、僕が試着室のカーテンから頭を抜いた時だった、
「あ、暁斗くん? え? いったい何をして……」
試着室エリアに現れた雪希と、バッタリ鉢合わせてしまったのは。
「すごくしてる。スポブラの性能が気になったからって、超えちゃいけないラインはあったよね。本当にごめんね、ひまりちゃん」
「まったくもー。しょーながいなーアキトくんはー。そんなにわたしの胸が気になるだなんてー」
「うぐ……」
「アキトくんも年頃の男の子だもんねー。わたしの胸が気になっちゃっても仕方ないよねー。むふふー♪」
全然ちっともそういうアレじゃなかったはずなんだけど、今の状況的に言い返しづらい僕だった。
言い返しづらいので、僕は強引に話を変えることにする。
「でもその様子だと、かなり気に入ったみたいだね。これにする?」
ひまりちゃんの様子を見る限り、怒っているというよりか、急に恥ずかしくなっちゃっただけっぽいので――なら最初から見せなきゃいいのにと思わなくもないけど、ひまりちゃんは甘えんぼだから仕方ない――露骨に話を変えても追及はされないだろう。
「うん。試しに1つ買ってみて、使って問題がなかったら、追加で買う感じかな。すっごくいい感じだから大丈夫だと思うけど、念のためね。けっこう高い買い物だから」
思った通りで、にへらーといつものゆるゆるな女神スマイルを浮かべるひまりちゃん。
ほら、どうだい?
ひまりちゃんは本当に素直な子なんだからね。
「本当に気に入ってくれたみたいだね。買いに来てよかったよ」
「うん! ありがとね、アキトくん。アキトくんの言うことは、やっぱりいつも正しいね!」
これでもかと信頼がいっぱいに詰まった言葉と、僕を崇拝するようなひまりちゃんの熱い視線が、僕に向かって飛んでくる。
心の中にくすぶる劣等感をチクチクと刺激してくるそれらから、思わず目を背けてしまいそうになって――僕はここ数年で逃げることにすっかり慣れ切ってしまった弱い心を、叱咤激励した。
これくらいで何を日和ってるんだ。
堂々としろ。
視線を逸らすな。
ひまりちゃんに相応しい男になるんだろう?
今の僕が、ひまりちゃんの想いに対して分不相応なのは間違いない。
だけどそれを理由に今までみたいにひまりちゃんから逃げてたら、一生、分不相応なままじゃないか。
一歩でも。
ううん、半歩でもいい。
大きく開いてしまった差を縮める努力をしないと、ひまりちゃんとの距離は開いていくばかりだろ――!
そのためにも、まずはひまりちゃんのまっすぐな想いから逃げずに、まっすぐにと受け止めるんだ。
「どういたしまして。喜んでもらえて嬉しいよ。なんて偉そうに言っても、買うお金は父さんから貰ってるんだけど」
しっかりとひまりちゃんの目を見て答えると、ひまりちゃんはまたもや「にへらー♪」と嬉しそうに笑った。
「事前にしっかり下調べして、こうやって一緒について来てくれたのは、アキトくんだしー♪」
「元々、僕が言い出したことだからね。それくらいはするさ。言い出しっぺの法則って言うでしょ」
「そうだよねー。アキトくんなら、これくらい楽々楽勝、お茶の子さいさい、余裕のよっちゃんでサラッとやっちゃうよねー♪ 妹に甘々なお節介焼きのアキトくんならねー♪」
「はいはい、ひまりちゃんに甘いのは自覚してますよ。じゃあ服を着たら、レジに行こうか」
「はーい♪」
ひまりちゃんがスポブラに満足してくれたことに、僕は一安心した。
これで体育の時にひまりちゃんの胸が揺れるのを、男子に見られる心配はしなくて済みそうだ。
そしてこうなれば、もはや長居は無用。
速やかにお会計をして、ランジェリーショップから撤退しよう。
そんなことを考えながら、僕が試着室のカーテンから頭を抜いた時だった、
「あ、暁斗くん? え? いったい何をして……」
試着室エリアに現れた雪希と、バッタリ鉢合わせてしまったのは。
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