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第3章 新1年生の親睦バスケットボール大会
第33話「さ、最近Fになりました」
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「試してみないって、えっと、あの……」
「締め付けとか全然なくて、なのにぜんぜん揺れないの! もうわたし、すっごく気に入っちゃって!」
もはやスポブラの伝道師となったひまりちゃんが、手に持っていたスポブラを雪希の目の前に掲げた。
「ひ、ひまりさん。男子の前でそういう話は、その……」
ぐいぐいとアピールしてくるひまりちゃんにたじたじな雪希が、チラリと俺に視線を向ける。
クラスメイトの男子の前でブラの話をするのが恥ずかしいであろうことは、さすがに僕にも分かる。
さっき勘違いさせて余計な心配をさせちゃったし、ここは早めに助け舟を出すとしよう。
「ひまりちゃん、男子の前でそういう話をされると雪希だって恥ずかしいでしょ? それに無理強いはよくないよ」
「えー、だってこのスポブラ、アキトくんのお勧めって言うだけあって、すっごくいいんだもん。いいものは布教しないとでしょ? アキトくんのお勧めだし」
「だからそういう誤解を招きかねないような言い方はやめようね。まるで僕がスポブラに詳しい男子みたいじゃないか」
「あの、暁斗くんのお勧めなんですか、それ?」
と、なぜか雪希が話に食い付いてきた。
「そだよー。アキトくんがこれがいいって勧めてくれたの」
「分かっていると思うけど一応説明しておくと、ひまりちゃんが外れを引かないように、事前にネットで軽く調べて口コミの評価が良かったのが、ちょうど置いてあったから勧めたってだけだからね?」
「なるほどです」
雪希が真剣な顔で頷いた。
今のはどっちについて「なるほどです」と言ったんだろうか?
後者だと信じたい。
「雪希ちゃんもけっこう胸、大きいでしょ? だったら絶対にこれがお勧めだってー」
「だからそういうことを、男子がいる前で言わないの。雪希が恥ずかしがってるでしょ」
もちろん僕も、目の前でそういう話をされるのは、なかなかに恥ずかしかった。
「もぅ、やだなぁ。こんなことアキトくんの前でしか言わないってばー」
「できれば僕の前でもしないで欲しいかな……」
「そんなことよりどう、雪希ちゃん? 雪希ちゃんも試着してみない? このタイミングでここにいるってことは、多分だけど雪希ちゃんもスポブラを買いに来たんだよね?」
「えっと、はい。実はその、揺れが少々、気になってしまって……」
「じゃあ決まりだね。そこにサイズ違いの試着用があるから、早速つけてみよっ。雪希ちゃんのサイズは? 多分、EかFくらいだよね?」
「さ、最近Fになりました」
またもや俺にチラリと視線を向けながら答えた雪希の顔はもう、りんごのように真っ赤になってしまっていた。
どう考えても、僕はここにいない方がいいよね。
「じゃあひまりちゃん、僕はお会計をして外で待ってるから、雪希の分をしっかりと選んであげてね」
「えー、アキトくん行っちゃうのー?」
「当たり前でしょ。ごめんね、雪希。恥ずかしい思いをさせちゃって」
「あ、いえ、わたしは、その……」
「え~~~!」
「じゃあ、そういうことで」
もじもじとしている雪希と、ほっぺを膨らませるひまりちゃんを残して僕はそそくさとレジに向かう。
お会計している間中ずっと笑顔を絶やさなかった店員さんに見送られて、僕はランジェリーショップの外に出た。
「はぁ、疲れた。やっぱりランジェリーショップは男子が来るところじゃないなぁ」
改めて、心の底からそう感じた僕だった。
しばらくして、
「雪希ちゃんも同じスポブラにしたんだ~」
お店から出てすぐに、ひまりちゃんが喜々として報告してくると、
「せ、せっかく暁斗くんのお勧めということだったので。つ、着け心地も素晴らしかったですし。たしかにお勧めだけあって、これはいいものだと思います!」
雪希は早口で感想を述べつつ、スポブラの入ったショッパーを、僕から見えないように後ろ手に隠したのだった。
その後はフードコートで軽くランチをしたり、ウインドウショッピングをしたり、ベンチで休憩がてらダベったりと、3人で高校生らしい、お金のかからないショッピングモール散策を楽しんだ。
「締め付けとか全然なくて、なのにぜんぜん揺れないの! もうわたし、すっごく気に入っちゃって!」
もはやスポブラの伝道師となったひまりちゃんが、手に持っていたスポブラを雪希の目の前に掲げた。
「ひ、ひまりさん。男子の前でそういう話は、その……」
ぐいぐいとアピールしてくるひまりちゃんにたじたじな雪希が、チラリと俺に視線を向ける。
クラスメイトの男子の前でブラの話をするのが恥ずかしいであろうことは、さすがに僕にも分かる。
さっき勘違いさせて余計な心配をさせちゃったし、ここは早めに助け舟を出すとしよう。
「ひまりちゃん、男子の前でそういう話をされると雪希だって恥ずかしいでしょ? それに無理強いはよくないよ」
「えー、だってこのスポブラ、アキトくんのお勧めって言うだけあって、すっごくいいんだもん。いいものは布教しないとでしょ? アキトくんのお勧めだし」
「だからそういう誤解を招きかねないような言い方はやめようね。まるで僕がスポブラに詳しい男子みたいじゃないか」
「あの、暁斗くんのお勧めなんですか、それ?」
と、なぜか雪希が話に食い付いてきた。
「そだよー。アキトくんがこれがいいって勧めてくれたの」
「分かっていると思うけど一応説明しておくと、ひまりちゃんが外れを引かないように、事前にネットで軽く調べて口コミの評価が良かったのが、ちょうど置いてあったから勧めたってだけだからね?」
「なるほどです」
雪希が真剣な顔で頷いた。
今のはどっちについて「なるほどです」と言ったんだろうか?
後者だと信じたい。
「雪希ちゃんもけっこう胸、大きいでしょ? だったら絶対にこれがお勧めだってー」
「だからそういうことを、男子がいる前で言わないの。雪希が恥ずかしがってるでしょ」
もちろん僕も、目の前でそういう話をされるのは、なかなかに恥ずかしかった。
「もぅ、やだなぁ。こんなことアキトくんの前でしか言わないってばー」
「できれば僕の前でもしないで欲しいかな……」
「そんなことよりどう、雪希ちゃん? 雪希ちゃんも試着してみない? このタイミングでここにいるってことは、多分だけど雪希ちゃんもスポブラを買いに来たんだよね?」
「えっと、はい。実はその、揺れが少々、気になってしまって……」
「じゃあ決まりだね。そこにサイズ違いの試着用があるから、早速つけてみよっ。雪希ちゃんのサイズは? 多分、EかFくらいだよね?」
「さ、最近Fになりました」
またもや俺にチラリと視線を向けながら答えた雪希の顔はもう、りんごのように真っ赤になってしまっていた。
どう考えても、僕はここにいない方がいいよね。
「じゃあひまりちゃん、僕はお会計をして外で待ってるから、雪希の分をしっかりと選んであげてね」
「えー、アキトくん行っちゃうのー?」
「当たり前でしょ。ごめんね、雪希。恥ずかしい思いをさせちゃって」
「あ、いえ、わたしは、その……」
「え~~~!」
「じゃあ、そういうことで」
もじもじとしている雪希と、ほっぺを膨らませるひまりちゃんを残して僕はそそくさとレジに向かう。
お会計している間中ずっと笑顔を絶やさなかった店員さんに見送られて、僕はランジェリーショップの外に出た。
「はぁ、疲れた。やっぱりランジェリーショップは男子が来るところじゃないなぁ」
改めて、心の底からそう感じた僕だった。
しばらくして、
「雪希ちゃんも同じスポブラにしたんだ~」
お店から出てすぐに、ひまりちゃんが喜々として報告してくると、
「せ、せっかく暁斗くんのお勧めということだったので。つ、着け心地も素晴らしかったですし。たしかにお勧めだけあって、これはいいものだと思います!」
雪希は早口で感想を述べつつ、スポブラの入ったショッパーを、僕から見えないように後ろ手に隠したのだった。
その後はフードコートで軽くランチをしたり、ウインドウショッピングをしたり、ベンチで休憩がてらダベったりと、3人で高校生らしい、お金のかからないショッピングモール散策を楽しんだ。
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