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第4章
第74話 最終話
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神戸に校外学習に行った日の夜。
住み慣れた我が家へと無事に帰ってきた僕とひまりちゃんは――帰りの新幹線は神戸の感想会で大盛り上がりだった――晩ご飯を食べて、父さんと母さんに校外学習の成果をあれこれ発表して、お土産を渡して、お風呂に入って。
そして後はもう寝るだけとなった僕が、部屋で毎日やってる就寝前のストレッチをしていると、
コンコン。
軽やかなノックとともに、僕の返事を待つことなくドアが開いて、
「アキトくん、入るねー」
今日も今日とてひまりちゃんが遊びにやってきた。
お気に入りのジェラピケのもこもこパジャマ――ではなく、今日は緩めのTシャツにハーフパンツというラフな格好だ。
「今日はその格好で寝るんだ?」
「今日の夜は、最低気温がかなり高いってウェザーニュースで言ってたから、薄着で寝るつもりー」
「そうなんだ。じゃあ僕も今日の夜は長袖はやめておこうかな」
「そうしたほうがいいと思うよー。寝汗かいちゃうだろうから」
「ありがとう、ひまりちゃん。おかげで寝苦しい夜を迎えずに済みそうだよ」
「どーいたしまして♪」
ひまりちゃんが、にへらーと嬉しそうに笑った。
話ながらも、僕はストレッチを入念に続ける。
「今日はかなりストレッチ長めだね? いつもならもう終わってるのに」
「病み上がりだし、今日は結構歩いたから、しっかりケアしておきたいんだ。また疲労がたまって体調が悪くなったら困るしね」
「失敗をすぐに次に生かすなんて、さすがアキトくん♪ でもそうだよね。わたしたち、今日までいっぱい頑張ったよねー」
「すごく頑張ったよね」
自分で言うのはなんだけど、この2週間の僕は本当に全力の全力を尽くしたと思う。
頭も体も疲れてはいるけれど、同時にものすごい達成感と充実感も感じていた。
「テスト勉強をしたでしょ? 中間テストがあったでしょ? 並行して遠足のしおりを作ったでしょ? 校外学習に行ったでしょ? まさに怒涛の2週間だったよねー」
1つ1つ指折りしながら数えるひまりちゃん。
「正直、寝込んだ時は本当にしんどかったんだけど、結果的に全部上手くいったし、良かったかな」
「終わり良ければすべて良し、ってね」
「だね」
僕とひまりちゃんは目を合わせると、お互いの健闘を称えるように小さく笑い合った。
「明日からはまた普通の学校が始まるね」
「授業もみっちりフルで再開するし、浮かれた気分のままじゃまずいよね」
「うんうん。ってわけだから、英気を養うためにも、今日は一緒に寝ようね♪」
「さすがに飛躍してない? っていうか僕がなんと言おうと、最初からもう決定事項みたいなもんでしょ?」
「そうとも言う?」
ひまりちゃんがにっこり笑顔で、僕の言葉をスルー気味に聞き流す。
「まったくもう。ひまりちゃんは高校生になっても、相変わらずの甘えんぼなんだから」
「だってアキトくんが甘えさせてくれるんだもーん」
「はいはい。僕は高校生にもなって、相も変わらずひまりちゃんに激甘ですよ」
僕は苦笑すると、ストレッチを切り上げて布団に入った。
「じゃあ電気消すねー」
部屋の電気を消したひまりちゃんが、僕のベッドに慣れた様子で入ってくる。
僕の身体と、ひまりちゃんの身体がピタッとくっつく。
お風呂上りのいい匂いがしてきて、お互いに半袖で薄着なのもあって、肌の触れ合ったところから、ひまりちゃんの熱がじんわりと伝わってくる。
夏が近づいてきた――。
そんなそんなことを思いながら、今日も、僕の大切なひまりちゃんと一緒に眠りについたのだった。
僕の大切な義妹(ひまり)ちゃん。~貧乏神と呼ばれた女の子を助けたら、女神な義妹にクラスチェンジした~
(完)
住み慣れた我が家へと無事に帰ってきた僕とひまりちゃんは――帰りの新幹線は神戸の感想会で大盛り上がりだった――晩ご飯を食べて、父さんと母さんに校外学習の成果をあれこれ発表して、お土産を渡して、お風呂に入って。
そして後はもう寝るだけとなった僕が、部屋で毎日やってる就寝前のストレッチをしていると、
コンコン。
軽やかなノックとともに、僕の返事を待つことなくドアが開いて、
「アキトくん、入るねー」
今日も今日とてひまりちゃんが遊びにやってきた。
お気に入りのジェラピケのもこもこパジャマ――ではなく、今日は緩めのTシャツにハーフパンツというラフな格好だ。
「今日はその格好で寝るんだ?」
「今日の夜は、最低気温がかなり高いってウェザーニュースで言ってたから、薄着で寝るつもりー」
「そうなんだ。じゃあ僕も今日の夜は長袖はやめておこうかな」
「そうしたほうがいいと思うよー。寝汗かいちゃうだろうから」
「ありがとう、ひまりちゃん。おかげで寝苦しい夜を迎えずに済みそうだよ」
「どーいたしまして♪」
ひまりちゃんが、にへらーと嬉しそうに笑った。
話ながらも、僕はストレッチを入念に続ける。
「今日はかなりストレッチ長めだね? いつもならもう終わってるのに」
「病み上がりだし、今日は結構歩いたから、しっかりケアしておきたいんだ。また疲労がたまって体調が悪くなったら困るしね」
「失敗をすぐに次に生かすなんて、さすがアキトくん♪ でもそうだよね。わたしたち、今日までいっぱい頑張ったよねー」
「すごく頑張ったよね」
自分で言うのはなんだけど、この2週間の僕は本当に全力の全力を尽くしたと思う。
頭も体も疲れてはいるけれど、同時にものすごい達成感と充実感も感じていた。
「テスト勉強をしたでしょ? 中間テストがあったでしょ? 並行して遠足のしおりを作ったでしょ? 校外学習に行ったでしょ? まさに怒涛の2週間だったよねー」
1つ1つ指折りしながら数えるひまりちゃん。
「正直、寝込んだ時は本当にしんどかったんだけど、結果的に全部上手くいったし、良かったかな」
「終わり良ければすべて良し、ってね」
「だね」
僕とひまりちゃんは目を合わせると、お互いの健闘を称えるように小さく笑い合った。
「明日からはまた普通の学校が始まるね」
「授業もみっちりフルで再開するし、浮かれた気分のままじゃまずいよね」
「うんうん。ってわけだから、英気を養うためにも、今日は一緒に寝ようね♪」
「さすがに飛躍してない? っていうか僕がなんと言おうと、最初からもう決定事項みたいなもんでしょ?」
「そうとも言う?」
ひまりちゃんがにっこり笑顔で、僕の言葉をスルー気味に聞き流す。
「まったくもう。ひまりちゃんは高校生になっても、相変わらずの甘えんぼなんだから」
「だってアキトくんが甘えさせてくれるんだもーん」
「はいはい。僕は高校生にもなって、相も変わらずひまりちゃんに激甘ですよ」
僕は苦笑すると、ストレッチを切り上げて布団に入った。
「じゃあ電気消すねー」
部屋の電気を消したひまりちゃんが、僕のベッドに慣れた様子で入ってくる。
僕の身体と、ひまりちゃんの身体がピタッとくっつく。
お風呂上りのいい匂いがしてきて、お互いに半袖で薄着なのもあって、肌の触れ合ったところから、ひまりちゃんの熱がじんわりと伝わってくる。
夏が近づいてきた――。
そんなそんなことを思いながら、今日も、僕の大切なひまりちゃんと一緒に眠りについたのだった。
僕の大切な義妹(ひまり)ちゃん。~貧乏神と呼ばれた女の子を助けたら、女神な義妹にクラスチェンジした~
(完)
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