一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第8章 深まりゆく関係
第129話「蒼太おにーちゃんだ!」
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優香は散歩に連れていってもらう寸前の子犬のようなワクワク顔、つまりは俺のテスト結果を聞きたくて聞きたくてしょうがないって顔をしている。
登下校は一緒にし始めたとはいえ、あんまり学校内では話しかけないようにって言ってあったはずなんだけど。
もしかして偶発的とはいえお泊まりをしたことで、優香が俺に興味や好意を持って、距離をもっと縮めようと積極的にアピールしてきたとか?
ははっ、ないない。
サッカー部のエースやバスケ部のキャプテン、入学以来全てのテストで学年1位を取っている秀才生徒会長様ですら、優香に振られているんだぞ?
そんな優香がモブ男子の馬群に沈む俺に興味や好意を持つなんて、どう考えてもあり得ないからな。
俺は浮ついた気持ちを綺麗さっぱり流し去った。
「今日返ってきたのは全部80点以上だったよ」
「わわっ、すごいね!」
まるで自分のことのように喜んでくれる優香。
そしてなんかもうそれだけで嬉しくなってしまうチョロい俺。
「おかげさまでな。優香はどうだった?」
「私は全部90点以上だったよ」
少し嬉しそうに、少し自慢げにはにかんだ優香はにかんだ優香は、マジほんとアイドルのように可愛いらしい。
「全部90点越えはすごいな」
「勉強会の成果、出たね。えへへっ♪」
俺だけに聞こえるように、こっそり小声で優香がつぶやく。
「お、おう」
教室での2人だけのこっそりとしたやり取りが、なんとも気恥ずかしくて、誰かに聞かれていなかっただろうかと、俺はチラリと周囲に視線を向ける。
しかし、みんなは以前ほどは俺と優香に興味を示さず、さっきまで隣にいたはずの健介もいつの間にかいなくなっていた。
健介はああ見えて、実は割といい奴なので、気を利かせてくれたのかもしれない。
でも昼飯、一緒に食べるつもりだったんだけどな。
あとで一人で学食行くか……。
「それでね、蒼太くん。もし良かったらでいいんだけど。お願い、いいかな?」
優香は俺に近づくと、さらにひそひそ声でそんなことを言ってきた。
「なんだ? 俺にできることならなんでも言ってくれ」
「明日って何か予定あったりする?」
「明日? 特にはないな」
別に明日に限らず、俺は放課後はあまり用事はないんだけど、もちろん敢えて言いはしない。
「だったら帰りにうちに来ないかな? 美月がそろそろ蒼太くんに会いたいなって言ってて。明日はちょうど私も美月も予定はないから、どうかなって思ったんだけど」
「もちろんいいぞ」
優香の素敵すぎる提案に、俺は二つ返事でオーケーした。
先週はテスト週間だったこともあって、姫宮家には行っていなかった。
美月ちゃんと会ったのは優香の家でテスト勉強をした日が最後だから、かれこれ2週間は美月ちゃんに会っていない。
美月ちゃんは俺にすごく懐いてくれているので、全然会えないせいで寂しがっているかもしれなかった。
そして美月ちゃんのためとはいえ、放課後に優香の家にご招待されるのは、俺――に限らず男子にとってはだろうけど――にとってはご褒美以外の何物でもない。
つまり断る理由はないわけで。
「やった♪ それじゃあ明日の放課後、私の家に寄ってもらっていいかな?」
「了解」
◇
そんなやりとりをした、翌日。
俺たちは学校帰りにバスで優香の家へと向かった。
優香と隣り合わせで座り、主に返却されたばかりのテストについてあれこれ感想を言って盛り上がりながら、ガタゴト揺られること15分。
「蒼太おにーちゃんだ!」
優香の家の最寄りのバス停で降りて姫宮家に向かうと、門の側で待ち構えていた美月ちゃんが、丁寧に左右を確認してから、一目散に抱きついてきた。
登下校は一緒にし始めたとはいえ、あんまり学校内では話しかけないようにって言ってあったはずなんだけど。
もしかして偶発的とはいえお泊まりをしたことで、優香が俺に興味や好意を持って、距離をもっと縮めようと積極的にアピールしてきたとか?
ははっ、ないない。
サッカー部のエースやバスケ部のキャプテン、入学以来全てのテストで学年1位を取っている秀才生徒会長様ですら、優香に振られているんだぞ?
そんな優香がモブ男子の馬群に沈む俺に興味や好意を持つなんて、どう考えてもあり得ないからな。
俺は浮ついた気持ちを綺麗さっぱり流し去った。
「今日返ってきたのは全部80点以上だったよ」
「わわっ、すごいね!」
まるで自分のことのように喜んでくれる優香。
そしてなんかもうそれだけで嬉しくなってしまうチョロい俺。
「おかげさまでな。優香はどうだった?」
「私は全部90点以上だったよ」
少し嬉しそうに、少し自慢げにはにかんだ優香はにかんだ優香は、マジほんとアイドルのように可愛いらしい。
「全部90点越えはすごいな」
「勉強会の成果、出たね。えへへっ♪」
俺だけに聞こえるように、こっそり小声で優香がつぶやく。
「お、おう」
教室での2人だけのこっそりとしたやり取りが、なんとも気恥ずかしくて、誰かに聞かれていなかっただろうかと、俺はチラリと周囲に視線を向ける。
しかし、みんなは以前ほどは俺と優香に興味を示さず、さっきまで隣にいたはずの健介もいつの間にかいなくなっていた。
健介はああ見えて、実は割といい奴なので、気を利かせてくれたのかもしれない。
でも昼飯、一緒に食べるつもりだったんだけどな。
あとで一人で学食行くか……。
「それでね、蒼太くん。もし良かったらでいいんだけど。お願い、いいかな?」
優香は俺に近づくと、さらにひそひそ声でそんなことを言ってきた。
「なんだ? 俺にできることならなんでも言ってくれ」
「明日って何か予定あったりする?」
「明日? 特にはないな」
別に明日に限らず、俺は放課後はあまり用事はないんだけど、もちろん敢えて言いはしない。
「だったら帰りにうちに来ないかな? 美月がそろそろ蒼太くんに会いたいなって言ってて。明日はちょうど私も美月も予定はないから、どうかなって思ったんだけど」
「もちろんいいぞ」
優香の素敵すぎる提案に、俺は二つ返事でオーケーした。
先週はテスト週間だったこともあって、姫宮家には行っていなかった。
美月ちゃんと会ったのは優香の家でテスト勉強をした日が最後だから、かれこれ2週間は美月ちゃんに会っていない。
美月ちゃんは俺にすごく懐いてくれているので、全然会えないせいで寂しがっているかもしれなかった。
そして美月ちゃんのためとはいえ、放課後に優香の家にご招待されるのは、俺――に限らず男子にとってはだろうけど――にとってはご褒美以外の何物でもない。
つまり断る理由はないわけで。
「やった♪ それじゃあ明日の放課後、私の家に寄ってもらっていいかな?」
「了解」
◇
そんなやりとりをした、翌日。
俺たちは学校帰りにバスで優香の家へと向かった。
優香と隣り合わせで座り、主に返却されたばかりのテストについてあれこれ感想を言って盛り上がりながら、ガタゴト揺られること15分。
「蒼太おにーちゃんだ!」
優香の家の最寄りのバス停で降りて姫宮家に向かうと、門の側で待ち構えていた美月ちゃんが、丁寧に左右を確認してから、一目散に抱きついてきた。
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