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第三章
第33話 セフィの髪かざり(2)
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「でもでも、どうしてわたしはこんなところに入れちゃったんでしょうか? 大事な髪かざりを筆箱に入れちゃうなんて……わたし恥ずかしいです……」
髪かざりを髪にセットしながらセフィが言った。
恥ずかしくてほっぺが赤くなっちゃっている。
「こういのってきっと理由はないと思うんだよね」
「そうなんですか?」
「だってボクもよくやるもん。この前もね、連絡帳をお母さんに見せないといけなかったのに、どこかに置いて分からなくなっちゃってさ」
「でも見つかったんですよね? どこにあったんですか?」
「それが、靴箱に入ってたんだよね」
「靴箱に? なんでそんなところに連絡帳を置いたんですか?」
セフィがこてんと首をかしげた。
「家に帰って連絡帳をお母さんに渡しにいく時に、ちょうどピンポンがなって、お隣のおばさんがきたんだ。それで話してる間にふっと置いちゃったみたい」
「わわっ、それ今日のわたしとそっくりです!」
「でしょ? だからきっとこういうのって、みんな時々やっちゃうことなんだよ」
「えへへ、その話を聞いたおかげで元気が出ました。ありごうございます、ハルトくん」
「セフィの元気が出てボクもうれしいよ」
やっぱりセフィには笑ってる顔が似合うから。
「はい、本当に良かったです。実はこの髪かざりはお母さんからもらった、大事な髪かざりだったんです。なので見つかってホッとしました」
セフィがそっと優しく、髪かざりを触った。
「そうだったんだね」
「セフィロトの姫は先祖代々この『セフィロトの髪かざり』を受け継ぐんです」
「あ、そういえばセフィのお父さんとお母さんはどうしてるの? ぜんぜん見ないけど?」
「わたしの両親は、わたしが小さいころに病気で亡くなりました」
「え……あ、ご、ごめんなさい……ボク、知らなくて……」
ボクはしまった!って思った。
ぜんぜん見ないってことは、そういう可能性だってあるってことなのに!
「いえいえ、ハルトくんが謝る必要なんてちっともありませんから」
「でも……」
「今は精霊総理大臣が、代わりにあれこれお世話をしてくれますし」
そう言ったセフィはほんの少しだけ寂しそうだったんだけど。
それでもにっこり笑ったセフィの笑顔は、もう悲しくないんだよ、悲しい別れを乗り越えたんだよって言ってるようにボクには見えたんだ。
セフィはすごく心が強いんだね……。
「ねぇねぇ、ハルトくんのご両親は、お元気なんですか?」
「うん、元気だよ」
「どのようなご両親なんでしょうか?」
「うーん、どのようなっていうと普通かなぁ?」
「普通、と言いますと?」
「お父さんはいつも仕事が忙しくて。お母さんはパートに行くこともあるけど、いつもは家にいて」
「うんうん」
「あ、お母さんはピーマンとシイタケをボクが残すとすごく怒るんだ」
「もうハルトくんってば、好き嫌いはだめですよ? めっ!ですからね」
「だって、美味しくないんだもん……」
ピーマンは苦いし、シイタケは歯でかむとムニャムニャするし……。
「では今日の晩ご飯はピーマンとシイタケの入った、野菜いためにしましょう」
「ええっ!? ひどいよセフィ!? ボクはセフィの髪かざりをみつけてあげた、勇者ハルトなんだよ! だから今日はステーキにしようよ! ボクはステーキが食べたいです!」
「セイリュウにも、バランスよく食べなさいって言われてましたよね?」
「ええっ!? あれ聞こえてたの?」
「はい。セイリュウの声はすごく大きかったですからね」
「ううっ……セイリュウのバカ……セイリュウなんか嫌いだ……」
セイリュウなんてピーマンだよ。
ピーマンセイリュウだよ……。
――ちなみになんだけど。
ボクの今日の晩ご飯は、ピーマンとシイタケの入った野菜いため――それと分厚いステーキだった。
「食事はバランスが大事ですから。もちろんお肉のステーキも大事なんです」
「ありがとうセフィ! ボク、セフィのこと大好き!!」
ボクは頑張ってピーマンとシイタケを食べてから、分厚いステーキをお腹いっぱい食べたのだった。
はふぅ、幸せ……。
髪かざりを髪にセットしながらセフィが言った。
恥ずかしくてほっぺが赤くなっちゃっている。
「こういのってきっと理由はないと思うんだよね」
「そうなんですか?」
「だってボクもよくやるもん。この前もね、連絡帳をお母さんに見せないといけなかったのに、どこかに置いて分からなくなっちゃってさ」
「でも見つかったんですよね? どこにあったんですか?」
「それが、靴箱に入ってたんだよね」
「靴箱に? なんでそんなところに連絡帳を置いたんですか?」
セフィがこてんと首をかしげた。
「家に帰って連絡帳をお母さんに渡しにいく時に、ちょうどピンポンがなって、お隣のおばさんがきたんだ。それで話してる間にふっと置いちゃったみたい」
「わわっ、それ今日のわたしとそっくりです!」
「でしょ? だからきっとこういうのって、みんな時々やっちゃうことなんだよ」
「えへへ、その話を聞いたおかげで元気が出ました。ありごうございます、ハルトくん」
「セフィの元気が出てボクもうれしいよ」
やっぱりセフィには笑ってる顔が似合うから。
「はい、本当に良かったです。実はこの髪かざりはお母さんからもらった、大事な髪かざりだったんです。なので見つかってホッとしました」
セフィがそっと優しく、髪かざりを触った。
「そうだったんだね」
「セフィロトの姫は先祖代々この『セフィロトの髪かざり』を受け継ぐんです」
「あ、そういえばセフィのお父さんとお母さんはどうしてるの? ぜんぜん見ないけど?」
「わたしの両親は、わたしが小さいころに病気で亡くなりました」
「え……あ、ご、ごめんなさい……ボク、知らなくて……」
ボクはしまった!って思った。
ぜんぜん見ないってことは、そういう可能性だってあるってことなのに!
「いえいえ、ハルトくんが謝る必要なんてちっともありませんから」
「でも……」
「今は精霊総理大臣が、代わりにあれこれお世話をしてくれますし」
そう言ったセフィはほんの少しだけ寂しそうだったんだけど。
それでもにっこり笑ったセフィの笑顔は、もう悲しくないんだよ、悲しい別れを乗り越えたんだよって言ってるようにボクには見えたんだ。
セフィはすごく心が強いんだね……。
「ねぇねぇ、ハルトくんのご両親は、お元気なんですか?」
「うん、元気だよ」
「どのようなご両親なんでしょうか?」
「うーん、どのようなっていうと普通かなぁ?」
「普通、と言いますと?」
「お父さんはいつも仕事が忙しくて。お母さんはパートに行くこともあるけど、いつもは家にいて」
「うんうん」
「あ、お母さんはピーマンとシイタケをボクが残すとすごく怒るんだ」
「もうハルトくんってば、好き嫌いはだめですよ? めっ!ですからね」
「だって、美味しくないんだもん……」
ピーマンは苦いし、シイタケは歯でかむとムニャムニャするし……。
「では今日の晩ご飯はピーマンとシイタケの入った、野菜いためにしましょう」
「ええっ!? ひどいよセフィ!? ボクはセフィの髪かざりをみつけてあげた、勇者ハルトなんだよ! だから今日はステーキにしようよ! ボクはステーキが食べたいです!」
「セイリュウにも、バランスよく食べなさいって言われてましたよね?」
「ええっ!? あれ聞こえてたの?」
「はい。セイリュウの声はすごく大きかったですからね」
「ううっ……セイリュウのバカ……セイリュウなんか嫌いだ……」
セイリュウなんてピーマンだよ。
ピーマンセイリュウだよ……。
――ちなみになんだけど。
ボクの今日の晩ご飯は、ピーマンとシイタケの入った野菜いため――それと分厚いステーキだった。
「食事はバランスが大事ですから。もちろんお肉のステーキも大事なんです」
「ありがとうセフィ! ボク、セフィのこと大好き!!」
ボクは頑張ってピーマンとシイタケを食べてから、分厚いステーキをお腹いっぱい食べたのだった。
はふぅ、幸せ……。
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