47 / 52
第三章
第47話 最後の決戦(4)
しおりを挟む
「セフィ! ケガは大丈夫なの?」
セフィの姿を見たボクは、まず最初にそれを聞いたんだ。
「ご安心を。しばらく横になっていたら、痛みはほとんど引きました」
「よかったぁ……頭を打って大丈夫かなってずっと心配してたんだ」
これでボクも一安心だよ。
「心配してくれてありがとうございます、ハルトくん。それで痛みが引いて元気になったら、戦いが始まっていて。そうしたら居ても立っても居られなくなって、来ちゃったんです」
「そうだったんだね。ねぇセフィ、さっき言ってた力が暴走するってどういうことなの?」
「セフィロト・ツリーの力を無理やり使ったので、言うことをきかなくなってるんです」
「セフィロト・ツリーの力を無理やり使うと、暴走しちゃうの?」
「正しい心があれば暴走はしません。ですが闇の精霊王は……」
「そっか、そうだよね。闇の精霊王は自分の我がままで精霊の世界を征服しようとしたんだもんね。それが正しい心なわけがないよね……」
「はい、自分勝手な悪の心です」
「それで闇の精霊王はどうなっちゃうのかな?」
闇の精霊王は今も、グッとかグァッとか言って苦しんでいる。
そしてその周りには、暴走するセフィロト・ツリーの力が嵐みたいに吹き荒れていた。
そんな闇の精霊王を見てセフィは悲しそうに言った。
「おそらくもう、あれは闇の精霊王ではありません」
「ど、どういうこと?」
「セフィロト・ツリーの大きすぎる力に、意識が飲み込まれてしまったんです。闇の精霊王はもう、セフィロト・ツリーの力の一部になってしまいました」
「世界を支配する力を手に入れたつもりが、逆にその力に飲み込まれちゃったのか……」
すごく悪いヤツだったけど、こんな風に終わるのはちょっと悲しいな……。
「そしてハルトくん。ここからが大事な話なんですけれど」
「う、うん」
セフィに大事な話と言われて、ボクは背すじをピンと伸ばした。
大事なお話を聞くときには、キョーツケしてビシッとしないといけないから。
「このままでは暴走した力が限界を超えて、最後は精霊ビッグバンを起こしてしまうんです」
「精霊ビッグバン……? それってなんなの?」
ビッグバンって、たぶん英語だよね?
英語は難しいよ、アイラブユーとかならわかるんだけど……。
「ビッグバンとは大爆発のことです」
「え!? ってことはじゃあ、闇の精霊王が今から大爆発しちゃうってこと? 大変だよ! 早くここから避難しないと!」
ボクは当然そう言ったんだけど、
「避難してそれで済めば良かったのですが……」
セフィがうなだれるように下を向いたんだ。
「もしかして、それじゃ済まないの……?」
「セフィロト・ツリーはこの世界の全ての力の源、この世界そのものと言えるほどの、ものすごいパワーを持っています」
「うん、さっきも聞いたよ。実際にボクも戦ってみてこれは勝てないかもってちょっと思っちゃったくらいだし」
なんせ必殺技の光と黒の協力剣すら、まったく効かなかったんだ。
「そのセフィロト・ツリーのものすごいパワーが暴走して精霊ビッグバンが怒ると、最終的に世界そのものが大爆発してしまいます」
「わわわっ!? 世界そのものが大爆発だって!?」
「はい。おそらくこの世界――桃源郷は大爆発して消滅し、そして新たな世界が生まれることでしょう」
「えええええええっっっ!!!!????」
ボクはビックリギョウテン、オッタマゲて、スットンキョウな声をあげてしまった。
「どうどう、落ち着いて下さい」
セフィはそう言うけれど、
「え、ええええええ、えっと……それでこの世界のみんなはどうなるの? セフィは? 精霊総理大臣は? セイリュウは?」
「みんな大爆発に巻き込まれて死んでしまうでしょうね」
「そんな! だって、みんなが死んじゃうなんてそんなのダメだよ! 絶対ダメ!」
「ダメと言われても、もうどうしようもないんです」
「何か手はないの!? 精霊ビッグバンを止めないと!」
「残念ですがないんです……」
セフィが悲しそうに言った。
「そんな……嘘でしょ……ううん! ボクは絶対に諦めないぞ!」
ボクはセフィの言葉を信じなかった。
いや、信じる前にもう一回ちゃんと考えようって思ったんだ。
だって最後まで絶対に諦めないってことを、ボクはこの世界で勉強したんだから!
最後の最後まで、何があってもボクは決して諦めないぞ!
何か作戦はないかなって、ボクは必死に考える。
ボクがテストの日みたいにギュワ!って頭を使っていると、
「ねぇハルトくん。ハルトくんはこの世界の人間ではありません」
セフィが急にそんなことを言ってきた。
セフィの姿を見たボクは、まず最初にそれを聞いたんだ。
「ご安心を。しばらく横になっていたら、痛みはほとんど引きました」
「よかったぁ……頭を打って大丈夫かなってずっと心配してたんだ」
これでボクも一安心だよ。
「心配してくれてありがとうございます、ハルトくん。それで痛みが引いて元気になったら、戦いが始まっていて。そうしたら居ても立っても居られなくなって、来ちゃったんです」
「そうだったんだね。ねぇセフィ、さっき言ってた力が暴走するってどういうことなの?」
「セフィロト・ツリーの力を無理やり使ったので、言うことをきかなくなってるんです」
「セフィロト・ツリーの力を無理やり使うと、暴走しちゃうの?」
「正しい心があれば暴走はしません。ですが闇の精霊王は……」
「そっか、そうだよね。闇の精霊王は自分の我がままで精霊の世界を征服しようとしたんだもんね。それが正しい心なわけがないよね……」
「はい、自分勝手な悪の心です」
「それで闇の精霊王はどうなっちゃうのかな?」
闇の精霊王は今も、グッとかグァッとか言って苦しんでいる。
そしてその周りには、暴走するセフィロト・ツリーの力が嵐みたいに吹き荒れていた。
そんな闇の精霊王を見てセフィは悲しそうに言った。
「おそらくもう、あれは闇の精霊王ではありません」
「ど、どういうこと?」
「セフィロト・ツリーの大きすぎる力に、意識が飲み込まれてしまったんです。闇の精霊王はもう、セフィロト・ツリーの力の一部になってしまいました」
「世界を支配する力を手に入れたつもりが、逆にその力に飲み込まれちゃったのか……」
すごく悪いヤツだったけど、こんな風に終わるのはちょっと悲しいな……。
「そしてハルトくん。ここからが大事な話なんですけれど」
「う、うん」
セフィに大事な話と言われて、ボクは背すじをピンと伸ばした。
大事なお話を聞くときには、キョーツケしてビシッとしないといけないから。
「このままでは暴走した力が限界を超えて、最後は精霊ビッグバンを起こしてしまうんです」
「精霊ビッグバン……? それってなんなの?」
ビッグバンって、たぶん英語だよね?
英語は難しいよ、アイラブユーとかならわかるんだけど……。
「ビッグバンとは大爆発のことです」
「え!? ってことはじゃあ、闇の精霊王が今から大爆発しちゃうってこと? 大変だよ! 早くここから避難しないと!」
ボクは当然そう言ったんだけど、
「避難してそれで済めば良かったのですが……」
セフィがうなだれるように下を向いたんだ。
「もしかして、それじゃ済まないの……?」
「セフィロト・ツリーはこの世界の全ての力の源、この世界そのものと言えるほどの、ものすごいパワーを持っています」
「うん、さっきも聞いたよ。実際にボクも戦ってみてこれは勝てないかもってちょっと思っちゃったくらいだし」
なんせ必殺技の光と黒の協力剣すら、まったく効かなかったんだ。
「そのセフィロト・ツリーのものすごいパワーが暴走して精霊ビッグバンが怒ると、最終的に世界そのものが大爆発してしまいます」
「わわわっ!? 世界そのものが大爆発だって!?」
「はい。おそらくこの世界――桃源郷は大爆発して消滅し、そして新たな世界が生まれることでしょう」
「えええええええっっっ!!!!????」
ボクはビックリギョウテン、オッタマゲて、スットンキョウな声をあげてしまった。
「どうどう、落ち着いて下さい」
セフィはそう言うけれど、
「え、ええええええ、えっと……それでこの世界のみんなはどうなるの? セフィは? 精霊総理大臣は? セイリュウは?」
「みんな大爆発に巻き込まれて死んでしまうでしょうね」
「そんな! だって、みんなが死んじゃうなんてそんなのダメだよ! 絶対ダメ!」
「ダメと言われても、もうどうしようもないんです」
「何か手はないの!? 精霊ビッグバンを止めないと!」
「残念ですがないんです……」
セフィが悲しそうに言った。
「そんな……嘘でしょ……ううん! ボクは絶対に諦めないぞ!」
ボクはセフィの言葉を信じなかった。
いや、信じる前にもう一回ちゃんと考えようって思ったんだ。
だって最後まで絶対に諦めないってことを、ボクはこの世界で勉強したんだから!
最後の最後まで、何があってもボクは決して諦めないぞ!
何か作戦はないかなって、ボクは必死に考える。
ボクがテストの日みたいにギュワ!って頭を使っていると、
「ねぇハルトくん。ハルトくんはこの世界の人間ではありません」
セフィが急にそんなことを言ってきた。
0
あなたにおすすめの小説
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
【運命】と言われて困っています
桜 花音
児童書・童話
小6のはじまり。
遠山彩花のクラスである6年1組に転校生がやってきた。
男の子なのに、透き通るようにきれいな肌と、お人形さんみたいに、パッチリした茶色い瞳。
あまりにキレイすぎて、思わず教室のみんな、彼に視線が釘付けになった。
そんな彼が彩花にささやいた。
「やっと会えたね」
初めましてだと思うんだけど?
戸惑う彩花に彼はさらに秘密を教えてくれる。
彼は自らの中に“守護石”というものを宿していて、それがあると精霊と関われるようになるんだとか。
しかも、その彼の守護石の欠片を、なぜか彩花が持っているという。
どういうこと⁉
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる