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第二章 友達・夏美と、女王・加恋
第25話 カラオケからの帰り道 with 夏美
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◇
カラオケが終わって、オレは夏美と一緒に電車で地元まで戻ってきていた。
オレと夏美はクラスで唯一のおな中の友達だからな。
そりゃ一緒に帰るくらいはする。
話題はもちろん今日のカラオケの話がメインだ。
面白かったことやちょっとしたイベントなどを、特に目的もなくお互いにあれこれ話していく。
キラキラ女子の1人がゲーム好きだとか、キラキラ男子の一人が中学時代にサッカーの地域選抜だったとか、そんな話だ。
これからクラスで上手くやっていくために、クラスメイトの人となりは知っておくに越したことはない。
ちなみに夏美は加恋のいた部屋、1軍候補生たちの集まるいわゆるキラキラルームにいたらしい。
夏美が顔が可愛い。
1軍グループに呼ばれるのは当然と言えば当然だ。
ま、がんばってくれ。
「三浦さんがゲーム好きみたいだよ。格闘ゲームとか、えっと……FPS? って言うんだっけ? あとスマブラとかをガッツリやってるんだって」
「三浦さん」とは加恋や夏美と同じ部屋にいた女子だ。
明るい雰囲気の女子で、パッと見オタクっぽさはぜんぜんなかったけど、結構なゲーマーのようだ。
「へぇ。それはまた、ジャンルがなかなかにゲーオタだなぁ。女子でマリカーやアイドルゲー、キャラゲー以外をガッツリやってるなんて人、初めて見たよ」
「クラスでチームを組んで高校生大会とかに出れたらいいなって言ってたから、修斗くんも声をかけてみたらどう?」
「オレ、最近はゲームはほとんどやってないんだ。PS5も売ったし、協力プレーがあるソシャゲを付き合いでやるくらいだな」
「あ、そうだったんだ……ごめんなさい、わたし最近の修斗くんのこと、ぜんぜん知らなくて……。あんなにゲーム好きだったのに、もうやってないんだ?」
「趣味なんて数年たてば変わるもんだろ」
「あ、うん……変わる、よね」
なぜだか夏美が急にしょぼくれた顔を見せた。
いったい何を思ったか知らないが、趣味に限らず人なんて変わるもんだろ?
ただでさえオレたちは多感な10代なんだから。
「そういや加恋がオレたちの部屋に来たんだけどさ」
オレは特にそれを気にすることはなく、次の話を振った。
「あ、うん。そうみたいだね。『他の部屋を回ってくるねー』って、途中で抜けてたから」
「加恋ってコミュ力がマジすごいよな。初日から親睦カラオケを開催して、したらしたで部屋を回って積極的に話しかけてさ。細川なんて完全に舞い上がってたぞ」
「すごいよねぇ、加恋ちゃん。トークも上手だし、可愛いし。歌も上手かったし」
「ヴァイオリンをやってただけあって、歌はマジで上手かったよなぁ。無理やりデュエットさせられたんだけど、上手すぎて本気でビックリしたよ」
「え? 修斗くん、加恋ちゃんとデュエットなんかしたんだ?」
と、そこで夏美がえらく驚いた顔を見せた。
「いいや、微妙に違う。オレはそんなつもりはなかったんだが、場の流れでデュエットをさせられたんだ」
「へ、へぇ……」
「まぁあの感じだと、加恋は誰とでもデュエットしただろうし、とりたててどうこう言うもんでもないだろうがな」
「……多分だけど、デュエットしたのは修斗くんだけじゃないかな?」
「そんなことはないだろ。デュエットこそしてないが、オレと一緒にいた全員に、めちゃくちゃフレンドリーだったぞ」
「少なくとも私のいた部屋では、誰ともデュエットはしてなかったよ?」
「そうなのか? ちょっと意外だな。デュエットなんて当たり前のようにやっているもんだとばかり思ってたんだが」
これがもし恋愛脳男子であれば、「ま、まさか加恋はオレだけ特別にデュエットしてくれたんじゃないのか? ってことは加恋はオレのことが好きってことだよな!?」などと痛々しい勘違いをするんだろうが、恋愛アンチのオレはもちろんそんな勘違いはしない。
「加恋ちゃんのこと、気になる?」
「いいや、特には。クラスメイトとしてよろしくって程度だな。既にクラスの中心人物だし最低限、仲良くはしておきたいが」
「でも向こうは修斗くんのこと、けっこう気になってるんじゃないかな?」
「ないない。お互いにただのクラスメイトとしか思ってないっての」
「そう……かな?」
「ああでも、懇親カラオケを開いてくれたことは、すごく感謝してる。おかげで高校初日から気の合う友達ができた」
ネットでもよく見るアレだが、入学初期に交友関係作りをミスると悲惨だからな。
「その、修斗くんさえよければ加恋ちゃんとの仲を――」
「そういや――」
夏美がコイバナというクソどうでもいい話題をまだまだ続けそうな雰囲気だったので、オレは強引に話題を変えた。
「ぁ……」
夏美は一瞬、口をパクパクとさせてから――だけどすぐに次の話題に乗ってきた。
そこからは加恋の話は一切出てこず、オレたちは地元に帰ってそれぞれの家へと続く分かれ道につくまで、カラオケで得たクラスメイトの情報を、お互いに交換し合ったのだった。
これから3年もある高校生活を考えるうえで、実に有意義な時間だった。
カラオケが終わって、オレは夏美と一緒に電車で地元まで戻ってきていた。
オレと夏美はクラスで唯一のおな中の友達だからな。
そりゃ一緒に帰るくらいはする。
話題はもちろん今日のカラオケの話がメインだ。
面白かったことやちょっとしたイベントなどを、特に目的もなくお互いにあれこれ話していく。
キラキラ女子の1人がゲーム好きだとか、キラキラ男子の一人が中学時代にサッカーの地域選抜だったとか、そんな話だ。
これからクラスで上手くやっていくために、クラスメイトの人となりは知っておくに越したことはない。
ちなみに夏美は加恋のいた部屋、1軍候補生たちの集まるいわゆるキラキラルームにいたらしい。
夏美が顔が可愛い。
1軍グループに呼ばれるのは当然と言えば当然だ。
ま、がんばってくれ。
「三浦さんがゲーム好きみたいだよ。格闘ゲームとか、えっと……FPS? って言うんだっけ? あとスマブラとかをガッツリやってるんだって」
「三浦さん」とは加恋や夏美と同じ部屋にいた女子だ。
明るい雰囲気の女子で、パッと見オタクっぽさはぜんぜんなかったけど、結構なゲーマーのようだ。
「へぇ。それはまた、ジャンルがなかなかにゲーオタだなぁ。女子でマリカーやアイドルゲー、キャラゲー以外をガッツリやってるなんて人、初めて見たよ」
「クラスでチームを組んで高校生大会とかに出れたらいいなって言ってたから、修斗くんも声をかけてみたらどう?」
「オレ、最近はゲームはほとんどやってないんだ。PS5も売ったし、協力プレーがあるソシャゲを付き合いでやるくらいだな」
「あ、そうだったんだ……ごめんなさい、わたし最近の修斗くんのこと、ぜんぜん知らなくて……。あんなにゲーム好きだったのに、もうやってないんだ?」
「趣味なんて数年たてば変わるもんだろ」
「あ、うん……変わる、よね」
なぜだか夏美が急にしょぼくれた顔を見せた。
いったい何を思ったか知らないが、趣味に限らず人なんて変わるもんだろ?
ただでさえオレたちは多感な10代なんだから。
「そういや加恋がオレたちの部屋に来たんだけどさ」
オレは特にそれを気にすることはなく、次の話を振った。
「あ、うん。そうみたいだね。『他の部屋を回ってくるねー』って、途中で抜けてたから」
「加恋ってコミュ力がマジすごいよな。初日から親睦カラオケを開催して、したらしたで部屋を回って積極的に話しかけてさ。細川なんて完全に舞い上がってたぞ」
「すごいよねぇ、加恋ちゃん。トークも上手だし、可愛いし。歌も上手かったし」
「ヴァイオリンをやってただけあって、歌はマジで上手かったよなぁ。無理やりデュエットさせられたんだけど、上手すぎて本気でビックリしたよ」
「え? 修斗くん、加恋ちゃんとデュエットなんかしたんだ?」
と、そこで夏美がえらく驚いた顔を見せた。
「いいや、微妙に違う。オレはそんなつもりはなかったんだが、場の流れでデュエットをさせられたんだ」
「へ、へぇ……」
「まぁあの感じだと、加恋は誰とでもデュエットしただろうし、とりたててどうこう言うもんでもないだろうがな」
「……多分だけど、デュエットしたのは修斗くんだけじゃないかな?」
「そんなことはないだろ。デュエットこそしてないが、オレと一緒にいた全員に、めちゃくちゃフレンドリーだったぞ」
「少なくとも私のいた部屋では、誰ともデュエットはしてなかったよ?」
「そうなのか? ちょっと意外だな。デュエットなんて当たり前のようにやっているもんだとばかり思ってたんだが」
これがもし恋愛脳男子であれば、「ま、まさか加恋はオレだけ特別にデュエットしてくれたんじゃないのか? ってことは加恋はオレのことが好きってことだよな!?」などと痛々しい勘違いをするんだろうが、恋愛アンチのオレはもちろんそんな勘違いはしない。
「加恋ちゃんのこと、気になる?」
「いいや、特には。クラスメイトとしてよろしくって程度だな。既にクラスの中心人物だし最低限、仲良くはしておきたいが」
「でも向こうは修斗くんのこと、けっこう気になってるんじゃないかな?」
「ないない。お互いにただのクラスメイトとしか思ってないっての」
「そう……かな?」
「ああでも、懇親カラオケを開いてくれたことは、すごく感謝してる。おかげで高校初日から気の合う友達ができた」
ネットでもよく見るアレだが、入学初期に交友関係作りをミスると悲惨だからな。
「その、修斗くんさえよければ加恋ちゃんとの仲を――」
「そういや――」
夏美がコイバナというクソどうでもいい話題をまだまだ続けそうな雰囲気だったので、オレは強引に話題を変えた。
「ぁ……」
夏美は一瞬、口をパクパクとさせてから――だけどすぐに次の話題に乗ってきた。
そこからは加恋の話は一切出てこず、オレたちは地元に帰ってそれぞれの家へと続く分かれ道につくまで、カラオケで得たクラスメイトの情報を、お互いに交換し合ったのだった。
これから3年もある高校生活を考えるうえで、実に有意義な時間だった。
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