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第五章 俺とオレ
第57話 押しの強い加恋(珍しい)
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「はい、シュートはオッケーね。ナツミンは?」
オレのOKの意思を確認した加恋が、今度は夏美へと問いかける。
「ええっと、私はその、遊園地は――」
「前に放課後に誘った時は、一緒に遊べなかったからぁ。今度は一緒に遊びたいなっ♪」
しかし夏美が答えを言い切る前に、加恋は夏美の言葉に被せるようにして、この前誘いを断られたことをさりげなく持ち出した。
「あ、うん。この前はごめんね……」
「あはは、いいよいいよぉ♪ それでそれでぇ、今週の日曜日は空いてそう? そうそう?」
「あ、えっと、日曜日は――」
「アタシぃ、ナツミンと遊びに行くの、ずっと楽しみにしてたんだよねっ♪」
「う……」
加恋は終始笑顔なんだが、夏美が渋る気配を見せるたびに、絶妙なタイミングで新しい誘い文句を繰り出してきた。
そして夏美が乗り気でない理由に、オレはなんとなく見当がついていた。
というか嫌でも気が付いた。
さっきから夏美がチラチラと、不安そうな顔でオレに視線を向けてくるからだ。
もう露骨にオレの顔色を窺っている。
夏美が加恋の提案を渋る理由。
それは――場所は違えど――行き先が「遊園地」だからに違いない。
中学時代に『俺』と夏美が一緒に行こうと約束し、あの一件もあって果たせなかった場所。
そこにオレと一緒に行くことに、夏美は忌避感というか心理的な抵抗を覚えているんだろう。
そういうの、マジで気にしなくていいんだけど、夏美はなかなか分かってくれないんだよなぁ。
友だちと親睦を深めるために遊園地に行くだけだろ?
楽しい話じゃないか。
それでも一応オレは「そんな無理強いはするなよ。別の奴を誘えばいいだろ?」みたいなことを言おうとしたんだが。
加恋はまるでオレがそう言うと分かっているかのように、これまた絶妙なタイミングで、
「ねぇねぇ、ダメかなぁ?」
「一番仲良しの3人でフジパー行きたいなぁ」
「ねぇ、行こーよぉ?」
などと、甘ったるい恋愛脳丸出しおねだりボイス――オレの主観だ――を夏美に投げかけて機先を制し、オレの発言を封殺してくる。
……これ、全部オレの考えすぎか?
だがさっきから妙にタイミングが良すぎるんだよな。
夏美が話そうとしたり、オレが夏美をやんわり援護しようとすると、その都度ほんの少し前のタイミングで加恋が先に話し始めるのだ。
元来、加恋は無類の会話上手で、相手の話の切れ目に、絶妙なタイミングで自分の言葉を差し込んでくる。
なのでものすごくスムーズに会話が流れる。
そんな加恋のすごすごトーク術に慣れきっていたのもあって、今の加恋の強引なやり口を、オレはなんとも不自然に感じてしまったのだ。
それはさておき。
「ねぇねぇ、ナツミーン。3人で行こうっ?」
捨てられた子犬のように目を潤ませながら、甘え声でおねだりする加恋。
その抗弁するタイミングすら与えられない一方的なおねだり攻撃によって、
「じゃあ、日曜日は空けとくね。フジパー、行こう」
「やった♪ 絶対だからねー♪」
夏美は根負けしたように同意したのだった。
こうして。
オレと夏美と加恋の3人で、日曜日にフジパーに遊びに行くことになった。
オレのOKの意思を確認した加恋が、今度は夏美へと問いかける。
「ええっと、私はその、遊園地は――」
「前に放課後に誘った時は、一緒に遊べなかったからぁ。今度は一緒に遊びたいなっ♪」
しかし夏美が答えを言い切る前に、加恋は夏美の言葉に被せるようにして、この前誘いを断られたことをさりげなく持ち出した。
「あ、うん。この前はごめんね……」
「あはは、いいよいいよぉ♪ それでそれでぇ、今週の日曜日は空いてそう? そうそう?」
「あ、えっと、日曜日は――」
「アタシぃ、ナツミンと遊びに行くの、ずっと楽しみにしてたんだよねっ♪」
「う……」
加恋は終始笑顔なんだが、夏美が渋る気配を見せるたびに、絶妙なタイミングで新しい誘い文句を繰り出してきた。
そして夏美が乗り気でない理由に、オレはなんとなく見当がついていた。
というか嫌でも気が付いた。
さっきから夏美がチラチラと、不安そうな顔でオレに視線を向けてくるからだ。
もう露骨にオレの顔色を窺っている。
夏美が加恋の提案を渋る理由。
それは――場所は違えど――行き先が「遊園地」だからに違いない。
中学時代に『俺』と夏美が一緒に行こうと約束し、あの一件もあって果たせなかった場所。
そこにオレと一緒に行くことに、夏美は忌避感というか心理的な抵抗を覚えているんだろう。
そういうの、マジで気にしなくていいんだけど、夏美はなかなか分かってくれないんだよなぁ。
友だちと親睦を深めるために遊園地に行くだけだろ?
楽しい話じゃないか。
それでも一応オレは「そんな無理強いはするなよ。別の奴を誘えばいいだろ?」みたいなことを言おうとしたんだが。
加恋はまるでオレがそう言うと分かっているかのように、これまた絶妙なタイミングで、
「ねぇねぇ、ダメかなぁ?」
「一番仲良しの3人でフジパー行きたいなぁ」
「ねぇ、行こーよぉ?」
などと、甘ったるい恋愛脳丸出しおねだりボイス――オレの主観だ――を夏美に投げかけて機先を制し、オレの発言を封殺してくる。
……これ、全部オレの考えすぎか?
だがさっきから妙にタイミングが良すぎるんだよな。
夏美が話そうとしたり、オレが夏美をやんわり援護しようとすると、その都度ほんの少し前のタイミングで加恋が先に話し始めるのだ。
元来、加恋は無類の会話上手で、相手の話の切れ目に、絶妙なタイミングで自分の言葉を差し込んでくる。
なのでものすごくスムーズに会話が流れる。
そんな加恋のすごすごトーク術に慣れきっていたのもあって、今の加恋の強引なやり口を、オレはなんとも不自然に感じてしまったのだ。
それはさておき。
「ねぇねぇ、ナツミーン。3人で行こうっ?」
捨てられた子犬のように目を潤ませながら、甘え声でおねだりする加恋。
その抗弁するタイミングすら与えられない一方的なおねだり攻撃によって、
「じゃあ、日曜日は空けとくね。フジパー、行こう」
「やった♪ 絶対だからねー♪」
夏美は根負けしたように同意したのだった。
こうして。
オレと夏美と加恋の3人で、日曜日にフジパーに遊びに行くことになった。
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