俺が恋愛不感症になったわけ。「恋愛なんてしょせんは人類が子孫を残すための付随行為に過ぎないだろ?」

マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫

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第五章 俺とオレ

第59話 遊園地デート当日、待ち合わせにて。

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 ◇

 そして迎えた日曜日。

 行きの待ち合わせ場所は、オレと夏美の地元駅だったので、オレは指定された9時半の15分前、つまり9時15分に地元駅に着いた。

 するとそこには既に夏美と加恋の姿があった。 
 2人とも私服だ(もちろんオレも)。

「2人ともおはよう。悪い、待たせたか?」
 2人に駆け足で近寄ると、

「おはよう修斗くん。安心して、今来たところだよ」
「こらぁ、シュートぉ。遅いぞぉ♪」

 夏美と加恋からは、両者正反対の答えが返ってくる。

「ええっと……」

「ほとんどタッチの差だったから」
「待ち合わせで女の子を待たせるとか、ナシよりのナシなんだからねっ」

 基本的には正直な夏美と、ノリのいいトークを優先してくる加恋。
 とくれば、どちらが正しいかは火を見るよりも明らかだ。

「つまりオレも含めて全員、今来たわけだ?」

「うん」
「そーともゆー。あはっ」

 夏美が小さくこくんと、加恋も悪びれることなく笑顔で大きくうなずいた。

「でも2人とも早いな。オレもかなり余裕を持って来たんだけどな」

 絶対にオレが先に着くと思ったんだが。

「だって遅刻したら2人に迷惑をかけちゃうから、何があってもいいように早めに出てきたの」

「あははー、ナツミンはほんと真面目だねぇ。っていうかシュートぉ?」

 加恋が笑顔から一転、わずかに眉を寄せながらオレにずいっと顔を寄せてきた。

「なんだよ?」
「そんなことよりぃ、なにか言うことはないのかなぁ?」

 言うこと?
 オレ、なにか加恋にしたっけか?
 ……て、ああ、「そういうこと」か。

「可愛い私服だな。加恋の私服は初めて見たけど似合ってるぞ」

 それはもちろん、服を褒めろってことなんだろ?
 加恋はとても可愛い服装をしていた。

「……30点」
 しかし加恋は容赦なくダメ出しをしてきた。

「さすがに低すぎないか? 理由を聞いてもいいか?」

「だってそれ、どんなコーデでも言えることじゃん。実質、中身なしの感想だよね? ねー、ナツミン?」

「え? あ、うんと……ど、どうだろ? そう……かも?」

 話を振られた夏美が、曖昧に肯定しながら、困ったようにオレを見た。

「そう聞こえたかもしれないが、オレとしては適当に言ったとかじゃ全然ないんだ」
「えー、そお~?」

 オレは根っからの恋愛アンチだが、だからといって女の子の服を褒める時に、適当に言ったりはしない。
 それは話が違うと思う。

 それでも内容がないという加恋の指摘はある意味、正しいし、とりま恥を忍んで説明だけしておこう。

「これは言い訳とかじゃなくて、正直に言うんだけどさ」
「なに?」

「オレはファッショに詳しくないから、コーデがどうとか突っ込んだことは言えないんだ。だからごめん、上手く褒められなくて」

「あー、そーゆーこと……」
 納得がいったのか加恋がポンと手を打った。

「男子って一部の人以外は、あんまりファッションに興味ないもんね」
 苦笑気味にうなずいた夏美は、これまた加恋に負けず劣らず可愛い私服を着ていた。

 オレの記憶に懐かしい記憶が蘇る。
 中学時代に夏美とデートをした時に、似たよう服を着ているのを見たことがあったのだ――。
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