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第六章 夏美True
第83話 俺と夏美は2年間の紆余曲折を経て、2度目の恋人関係になった。
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「結構アピールしてたつもりだったんだけど、気付いてなかったのぉ?」
「放課後クレープとかいろいろ誘われたし、興味を持たれているんだろうなとは思っていたぞ? っていうか、『多分』ってなんだよ?」
「多分は多分だよ? 最初は興味本位だったんだけどぉ。気付いたら、なんかいいな、素敵だなって思っちゃってたの。男の子にこんな気持ちを持ったのは初めてだったから、きっと恋してたんだろうなーって思うんだけどぉ。なにせ初めての感覚だったからぁ、違うかもーって?」
加恋が人差し指を口元に当てながら、可愛らしく小首をかしげる。
「ごめんな」
そんな加恋に、俺は頭を下げた。
「えぇ~? シュートが謝る必要なくない? 気持ちって思ってるだけじゃ伝わらないしぃ?」
「そればっかりは俺も実感してる」
言わなければ伝わらない。
逃げずに向き合わなければわかり合えない。
この世の真理はしごくシンプルだけど、俺たち凡人にはとても難しい。
「でもどうして?」
「んー?」
「加恋ちゃんも修斗くんのこと好きだったのに、どうして私と修斗くんの仲直りを取り持ってくれたの? そんなことしても加恋ちゃんに何の得もないでしょ? 何もしなければきっと加恋ちゃんの勝ちだったのに」
「あはは、そんなの決まってるじゃん? 元カノ泣かせたまま平気な顔してるダサい男なんてぇ、こっちから願い下げなんだもーん♪ おととい来やがれってねー」
「いやいや。それじゃ最初から詰んでるじゃないか」
夏美と加恋の会話に、俺は思わず割って入ってしまった。
でも仕方ないだろ?
泣いている夏美を追いかけないようなダサ男は、そもそも加恋の恋愛対象にはならない。
かといって夏美を追いかけたら、俺と夏美は高確率でくっついてしまう。
まるで自分から負けに行っている。
「そうなんだけどぉ……そうなんだよねぇ。んー、自分でもちょっとわかんないかも? あはっ♪」
なんでもハキハキズバズバ言う加恋にしては珍しく、曖昧に笑う加恋。
そんな加恋に、夏美は小さくうなずいた。
「なんとなくわかるな、加恋ちゃんの気持ち。正解だって分かっていても選べなくて、間違いだって思っていても変えられないの。もどかしいよね」
「そうそう。きっとこれが恋するってことなんだよ。ほら、初恋は実らないっていうしぃ? うん、今回はいい勉強になったかもぉ♪」
失恋したって割に、加恋はいつもと変わらぬ明るくて人好きのする笑顔を浮かべている。
だけどどこか無理しているように感じたのは――いや、これはきっと俺の気のせいだ。
気のせいということにしないといけない。
図らずも失恋させてしまった当の本人の俺は、今ここで加恋に優しさを見せるべきじゃないから――
その後は3人でふじパー名物の大観覧車に乗って、オレンジ色に染まる園内を見下ろしてから、俺たちはふじパーを後にした。
加恋のことを気づかってか、夏美はあまり彼女っぽくは振る舞わなかった。
昔から変わらないちょっとした夏美の思いやを無駄にしないように、俺もなるべく友だちのノリで夏美に接した。
こうして、楽しい遊園地デートは終わり。
俺と夏美は2年間の紆余曲折を経て、2度目の恋人関係になった。
「放課後クレープとかいろいろ誘われたし、興味を持たれているんだろうなとは思っていたぞ? っていうか、『多分』ってなんだよ?」
「多分は多分だよ? 最初は興味本位だったんだけどぉ。気付いたら、なんかいいな、素敵だなって思っちゃってたの。男の子にこんな気持ちを持ったのは初めてだったから、きっと恋してたんだろうなーって思うんだけどぉ。なにせ初めての感覚だったからぁ、違うかもーって?」
加恋が人差し指を口元に当てながら、可愛らしく小首をかしげる。
「ごめんな」
そんな加恋に、俺は頭を下げた。
「えぇ~? シュートが謝る必要なくない? 気持ちって思ってるだけじゃ伝わらないしぃ?」
「そればっかりは俺も実感してる」
言わなければ伝わらない。
逃げずに向き合わなければわかり合えない。
この世の真理はしごくシンプルだけど、俺たち凡人にはとても難しい。
「でもどうして?」
「んー?」
「加恋ちゃんも修斗くんのこと好きだったのに、どうして私と修斗くんの仲直りを取り持ってくれたの? そんなことしても加恋ちゃんに何の得もないでしょ? 何もしなければきっと加恋ちゃんの勝ちだったのに」
「あはは、そんなの決まってるじゃん? 元カノ泣かせたまま平気な顔してるダサい男なんてぇ、こっちから願い下げなんだもーん♪ おととい来やがれってねー」
「いやいや。それじゃ最初から詰んでるじゃないか」
夏美と加恋の会話に、俺は思わず割って入ってしまった。
でも仕方ないだろ?
泣いている夏美を追いかけないようなダサ男は、そもそも加恋の恋愛対象にはならない。
かといって夏美を追いかけたら、俺と夏美は高確率でくっついてしまう。
まるで自分から負けに行っている。
「そうなんだけどぉ……そうなんだよねぇ。んー、自分でもちょっとわかんないかも? あはっ♪」
なんでもハキハキズバズバ言う加恋にしては珍しく、曖昧に笑う加恋。
そんな加恋に、夏美は小さくうなずいた。
「なんとなくわかるな、加恋ちゃんの気持ち。正解だって分かっていても選べなくて、間違いだって思っていても変えられないの。もどかしいよね」
「そうそう。きっとこれが恋するってことなんだよ。ほら、初恋は実らないっていうしぃ? うん、今回はいい勉強になったかもぉ♪」
失恋したって割に、加恋はいつもと変わらぬ明るくて人好きのする笑顔を浮かべている。
だけどどこか無理しているように感じたのは――いや、これはきっと俺の気のせいだ。
気のせいということにしないといけない。
図らずも失恋させてしまった当の本人の俺は、今ここで加恋に優しさを見せるべきじゃないから――
その後は3人でふじパー名物の大観覧車に乗って、オレンジ色に染まる園内を見下ろしてから、俺たちはふじパーを後にした。
加恋のことを気づかってか、夏美はあまり彼女っぽくは振る舞わなかった。
昔から変わらないちょっとした夏美の思いやを無駄にしないように、俺もなるべく友だちのノリで夏美に接した。
こうして、楽しい遊園地デートは終わり。
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