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第三章 ゲーゲンパレス・スローライフ(前編)
第17話 【精霊騎士】、コミケに行く
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今日も今日とて、俺は幼女魔王さまとミスティに同行していた。
【ゲーゲンパレス】に来てからこっち毎日のように俺は2人と一緒にいるんだけど、そのすべての体験が新鮮で飽きることはないのだった。
「今日は月に一度の大きな朝市が開かれるのじゃ」
「朝市は街の名物で近隣からもたくさんの人が買い物にやって来るんですよ」
そんなことを言われたら行くしかないだろ常識的に考えて!
そうして俺は、2人に連れられて朝市に連れていってもらったんだけど――、
「な、な、なな――なんていう規模だ!」
俺は想像を絶する巨大マーケットに度肝を抜かれていた。
目抜き通りや大きな広場だけでなく、1本2本3本と隣の通りのさらにその隣の通りにも、果ては城門の外にまでありとあらゆるスペースに屋台や出店がところ狭しと並んでいたのだ!
しかもただ物を売る人々だけではない、大道芸人や吟遊詩人が様々な演目を披露してはおひねりを貰っているのである。
そしてその朝市目当てにやってきた客の多さと来たら――!
「見渡す限りに人、人、人……! 人がこれでもかとごった返しているぞ!」
混み混みのマーケット、略してコミケだ!
「どうじゃ、なかなかのものであろう」
人の多さに目を白黒させる俺の姿を見て、幼女魔王さまもご満悦だった。
「ではゆくぞ。はぐれるでないのじゃよ?」
「あ、ああ。心するよ」
あまりの人の波に少し臆した俺の手を、幼女魔王さまがにぎっと握った。
実際は勝手知ったる幼女魔王さまが、処女航海に出る俺がはぐれないようにと手を繋いでくれたんだけど、その姿と来たら、
「傍目には娘を朝市に連れてきた若いお父さんのように見えるかもしれないな」
「お主は本当に何でも正直に思ったことを言っちゃう奴じゃのう!?」
俺の言葉に幼女魔王さまがちょっとだけプンスカし、
「魔王さまとハルト様はすっかり仲良しですね」
ミスティはそれを見て、微笑ましいって感じで楽しそうに笑っていて。
つまり今日もいつもの俺たちなのだった。
そうして賑わいを見せる大朝市に突入した俺たちだったんだけど――、
【CASE:1、魚屋さん】
「魔王さま、今日は新鮮ないい魚があがってますぜ! 刺身にするならぜひこいつを!」
「むむっ、なんとも目の綺麗な大きなタイであることよ! よし買ったのじゃ、後で取りに戻るゆえ、しばらく置いておいてほしいのじゃ」
「あいよ! まいどあり!」
【CASE:2、お菓子屋さん】
「魔王さま、新作のクッキーですよ。良かったら見てってくださいな」
「ふむ、実に見目鮮やかな可愛らしいクッキーよの。ミスティどうじゃ?」
「買います! ノータイムで買います! こっちの旧作とセットで20個ずつ、いえ30個ずつ!!」
「またえらくいっぱい買うんだな」
「あ、いえ、そのですね……これは、えっと、別に私が大食いというわけではないのでして……」
俺の何気ない感想に、ミスティがごにょごにょ言いながら顔を赤らめた。
どうもミスティは、大食いな女の子だと俺に思われたのが恥ずかしいようだ。
でも俺的には女の子がご飯をいっぱい食べるのは健康的でむしろ魅力的だったりするんだけどな。
その辺は男女の価値観の違いなんだろうけど、ちょっと失言だったな、気を付けよう。
「そう言ってやるでない、ハルト。ミスティはの、ここのクッキーが大好物なのじゃから。ふむ、せっかくじゃ。近いうちに3人でお茶会でもするのじゃ。ミスティ、準備を頼むぞ」
「承知いたしました。でもでもここのクッキーは本当においしいので、ハルト様もきっと気に入ると思いますよ」
「普段控えめなミスティがそこまで言うんだ、楽しみにしてるよ」
【ゲーゲンパレス】に来てからこっち毎日のように俺は2人と一緒にいるんだけど、そのすべての体験が新鮮で飽きることはないのだった。
「今日は月に一度の大きな朝市が開かれるのじゃ」
「朝市は街の名物で近隣からもたくさんの人が買い物にやって来るんですよ」
そんなことを言われたら行くしかないだろ常識的に考えて!
そうして俺は、2人に連れられて朝市に連れていってもらったんだけど――、
「な、な、なな――なんていう規模だ!」
俺は想像を絶する巨大マーケットに度肝を抜かれていた。
目抜き通りや大きな広場だけでなく、1本2本3本と隣の通りのさらにその隣の通りにも、果ては城門の外にまでありとあらゆるスペースに屋台や出店がところ狭しと並んでいたのだ!
しかもただ物を売る人々だけではない、大道芸人や吟遊詩人が様々な演目を披露してはおひねりを貰っているのである。
そしてその朝市目当てにやってきた客の多さと来たら――!
「見渡す限りに人、人、人……! 人がこれでもかとごった返しているぞ!」
混み混みのマーケット、略してコミケだ!
「どうじゃ、なかなかのものであろう」
人の多さに目を白黒させる俺の姿を見て、幼女魔王さまもご満悦だった。
「ではゆくぞ。はぐれるでないのじゃよ?」
「あ、ああ。心するよ」
あまりの人の波に少し臆した俺の手を、幼女魔王さまがにぎっと握った。
実際は勝手知ったる幼女魔王さまが、処女航海に出る俺がはぐれないようにと手を繋いでくれたんだけど、その姿と来たら、
「傍目には娘を朝市に連れてきた若いお父さんのように見えるかもしれないな」
「お主は本当に何でも正直に思ったことを言っちゃう奴じゃのう!?」
俺の言葉に幼女魔王さまがちょっとだけプンスカし、
「魔王さまとハルト様はすっかり仲良しですね」
ミスティはそれを見て、微笑ましいって感じで楽しそうに笑っていて。
つまり今日もいつもの俺たちなのだった。
そうして賑わいを見せる大朝市に突入した俺たちだったんだけど――、
【CASE:1、魚屋さん】
「魔王さま、今日は新鮮ないい魚があがってますぜ! 刺身にするならぜひこいつを!」
「むむっ、なんとも目の綺麗な大きなタイであることよ! よし買ったのじゃ、後で取りに戻るゆえ、しばらく置いておいてほしいのじゃ」
「あいよ! まいどあり!」
【CASE:2、お菓子屋さん】
「魔王さま、新作のクッキーですよ。良かったら見てってくださいな」
「ふむ、実に見目鮮やかな可愛らしいクッキーよの。ミスティどうじゃ?」
「買います! ノータイムで買います! こっちの旧作とセットで20個ずつ、いえ30個ずつ!!」
「またえらくいっぱい買うんだな」
「あ、いえ、そのですね……これは、えっと、別に私が大食いというわけではないのでして……」
俺の何気ない感想に、ミスティがごにょごにょ言いながら顔を赤らめた。
どうもミスティは、大食いな女の子だと俺に思われたのが恥ずかしいようだ。
でも俺的には女の子がご飯をいっぱい食べるのは健康的でむしろ魅力的だったりするんだけどな。
その辺は男女の価値観の違いなんだろうけど、ちょっと失言だったな、気を付けよう。
「そう言ってやるでない、ハルト。ミスティはの、ここのクッキーが大好物なのじゃから。ふむ、せっかくじゃ。近いうちに3人でお茶会でもするのじゃ。ミスティ、準備を頼むぞ」
「承知いたしました。でもでもここのクッキーは本当においしいので、ハルト様もきっと気に入ると思いますよ」
「普段控えめなミスティがそこまで言うんだ、楽しみにしてるよ」
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※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
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