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おまけ(夏の終わり~秋 編)
第63話 精霊発表会
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俺と幼女魔王さまとミスティは、王宮の敷地内にある軍事演習場を借りて幼女魔王さまの精霊発表会を行っていた。
「ちび太、今度はこっちなのじゃ!」
―きゅいきゅい!―
幼女魔王さまが指さした方向に、実体化した火トカゲ――魔王さまの唯一の契約精霊だ――がぴゅいーっと飛んでいく。
「――からのジャンプ! とぉっ!」
―きゅい!―
さらに新たな指示を受けたちび太は急上昇。
「そして最後に一回転!」
―きゅい!―
最後に華麗に後方宙返りを決めると、ちび太は幼女魔王さまの顔の隣にふわりと浮かんで停止した。
「ふふん、なかなかのもんであろう?」
幼女魔王さまが誇らしげに胸を張って言った。
ちび太も同じように胸を張っている。
「見事な精霊の使役だったな、完全に精霊とシンクロしてたじゃないか。いやはやほんと恐れいったよ」
「ふふん、日々ちび太と仲良くなるべくお話した成果であるからして」
―きゅいきゅい!―
幼女魔王さまの言葉に、ちび太も嬉しそうに鳴いて答える。
「本当にスゴいですよ、魔王さま。わたしはまだ精霊の声を時々聞くだけしかできませんから」
「うむうむ、ミスティが精霊の声を聞けるようになり、一時は妾の精霊使いとしての存在意義が完全に揺らいでしまっておったからの。しかしこれで、妾もちょーっとは勇者パーティのメンバーらしくなったというもの」
「おおいに戦力アップですね!」
「魔王さまは精霊との付き合い方を完全に体得したみたいだな」
「それもこれもハルトのおかげなのじゃ。ハルトの言うとおり、肩ひじを張らずに素直な心で触れ合えば、こんなにも簡単にちび太が懐いてくれたのじゃからの」
「ははっ、そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。でもこれは俺もうかうかしていられないな」
「いやいや、ハルトにはもうちょっとばかりうかうかしてほしいのじゃ。でないとせっかくほんのわずかだけ詰まった差が、また大きく開いてしまうからの」
「コツをつかんだから、ここからはすぐだと思うけどな」
「そ、そうであるか? うむ、実は妾もここからはグーっと上昇曲線を描くのではないかと実はこっそり思っておったのじゃ」
なんてことをのほほんと話していると、
「あ、あの、ハルト様」
ミスティがちょんちょんと俺の肩をつついた。
「どうしたんだミスティ?」
「あの、わたしの目の錯覚でなければなんですけど。なにやら巨大なものが、こっちに向かって猛スピードで飛んでくるんですけど……」
ミスティの指さした方向を見ると、確かに、なにやら巨大な鳥のようなものが勢いよく放たれた矢のように俺たちの方に近づいてきていた。
ミスティはハーフエルフなので俺たちより格段に目がいい。
なので俺や幼女魔王さまよりも先に視認できたのだ。
「しかしでかいな、この距離であのサイズとか。でもいや待ってくれ、この波動ってもしかしてフリーの精霊か?」
「精霊じゃと!? っていうかほんとにめっちゃでかくないかの!?」
ぐんぐん近づくにつれどんどんと大きくなる精霊の姿に、幼女魔王さま素っ頓狂な声をあげた。
「ど、どうしましょう!?」
「とりあえずはいつでも動けるように臨戦態勢をとりつつ、様子見しよう。俺たちがなにかしない限り、いきなり襲ってくることはないはずだ……多分」
俺を先頭に、半歩下がってミスティと幼女魔王さまが構える密集陣形をとって、俺たちは精霊の到来を待ちうけた。
そして少しした後、バサバサ!っと羽ばたく音がしたかと思うと、俺たちの前に巨大な精霊が舞い降りた。
その姿は――、
「白い龍なのじゃ……!」
「もしかしてドラゴンですか……!?」
「いやこれはドラゴンはドラゴンでも、伝説の神龍精霊【ペンドラゴン】だ!」
なんと2階建ての家ほどもある巨大な白いドラゴンだったのだ――!
「ちび太、今度はこっちなのじゃ!」
―きゅいきゅい!―
幼女魔王さまが指さした方向に、実体化した火トカゲ――魔王さまの唯一の契約精霊だ――がぴゅいーっと飛んでいく。
「――からのジャンプ! とぉっ!」
―きゅい!―
さらに新たな指示を受けたちび太は急上昇。
「そして最後に一回転!」
―きゅい!―
最後に華麗に後方宙返りを決めると、ちび太は幼女魔王さまの顔の隣にふわりと浮かんで停止した。
「ふふん、なかなかのもんであろう?」
幼女魔王さまが誇らしげに胸を張って言った。
ちび太も同じように胸を張っている。
「見事な精霊の使役だったな、完全に精霊とシンクロしてたじゃないか。いやはやほんと恐れいったよ」
「ふふん、日々ちび太と仲良くなるべくお話した成果であるからして」
―きゅいきゅい!―
幼女魔王さまの言葉に、ちび太も嬉しそうに鳴いて答える。
「本当にスゴいですよ、魔王さま。わたしはまだ精霊の声を時々聞くだけしかできませんから」
「うむうむ、ミスティが精霊の声を聞けるようになり、一時は妾の精霊使いとしての存在意義が完全に揺らいでしまっておったからの。しかしこれで、妾もちょーっとは勇者パーティのメンバーらしくなったというもの」
「おおいに戦力アップですね!」
「魔王さまは精霊との付き合い方を完全に体得したみたいだな」
「それもこれもハルトのおかげなのじゃ。ハルトの言うとおり、肩ひじを張らずに素直な心で触れ合えば、こんなにも簡単にちび太が懐いてくれたのじゃからの」
「ははっ、そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。でもこれは俺もうかうかしていられないな」
「いやいや、ハルトにはもうちょっとばかりうかうかしてほしいのじゃ。でないとせっかくほんのわずかだけ詰まった差が、また大きく開いてしまうからの」
「コツをつかんだから、ここからはすぐだと思うけどな」
「そ、そうであるか? うむ、実は妾もここからはグーっと上昇曲線を描くのではないかと実はこっそり思っておったのじゃ」
なんてことをのほほんと話していると、
「あ、あの、ハルト様」
ミスティがちょんちょんと俺の肩をつついた。
「どうしたんだミスティ?」
「あの、わたしの目の錯覚でなければなんですけど。なにやら巨大なものが、こっちに向かって猛スピードで飛んでくるんですけど……」
ミスティの指さした方向を見ると、確かに、なにやら巨大な鳥のようなものが勢いよく放たれた矢のように俺たちの方に近づいてきていた。
ミスティはハーフエルフなので俺たちより格段に目がいい。
なので俺や幼女魔王さまよりも先に視認できたのだ。
「しかしでかいな、この距離であのサイズとか。でもいや待ってくれ、この波動ってもしかしてフリーの精霊か?」
「精霊じゃと!? っていうかほんとにめっちゃでかくないかの!?」
ぐんぐん近づくにつれどんどんと大きくなる精霊の姿に、幼女魔王さま素っ頓狂な声をあげた。
「ど、どうしましょう!?」
「とりあえずはいつでも動けるように臨戦態勢をとりつつ、様子見しよう。俺たちがなにかしない限り、いきなり襲ってくることはないはずだ……多分」
俺を先頭に、半歩下がってミスティと幼女魔王さまが構える密集陣形をとって、俺たちは精霊の到来を待ちうけた。
そして少しした後、バサバサ!っと羽ばたく音がしたかと思うと、俺たちの前に巨大な精霊が舞い降りた。
その姿は――、
「白い龍なのじゃ……!」
「もしかしてドラゴンですか……!?」
「いやこれはドラゴンはドラゴンでも、伝説の神龍精霊【ペンドラゴン】だ!」
なんと2階建ての家ほどもある巨大な白いドラゴンだったのだ――!
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