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異世界転生 12日目(後編)
第263話 堕ちたな、王竜……!!
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「……?? えっと、主様……?」
俺の言葉の意図が分からなかったのか、《神焉竜》がキョトンとした。
「これからやることはさ、俺たちの初めての共同作業なんだよ」
「初めての、共同作業……?」
まだよく分かってないみたいな感じの《神焉竜》。
俺はそんな初心で可愛い《神焉竜》に、優しく微笑みかけながら語りかけていく。
「そうさ、俺と君にしかできない、他の誰にもできない。これは俺たち二人だけの、初めての共同作業なんだ」
「主様と、妾だけの、初めての、共同作業……」
「そう、みんなには今話していることは全部内緒だ。俺と君だけが知っている、二人だけの秘密の共同作業だ」
「う……なにか、いかにもとってつけたような調子の良いセリフなのじゃ……あ、いや、素敵は素敵なのじゃが……少しもやもやするのじゃ……まさかとは思うが、主様は妾をたばかろうとして――」
「ははは、そんなまさか?」
ちっ……さすがはSS級だ。
女心をもてあそんじゃうこのS級チートたちも、完全には効いてくれないか……!
だけど《神焉竜》がタイマンでの勝ち負けにこだわってるところから論点をずらして、「二人の初めての共同作業」って大きな餌をぶら下げる作戦はかなりいい感じだ。
だったら――!
俺はここを説得の勝負所とみて、さらなる追撃のチートを――母性くすぐり系S級チート『上目づかいで可愛くお願い』を発動した!
必殺の上目づかいで《神焉竜》を完全に落としにかかる……!
「君が負けるなんて俺は1ミリも思ってないさ。でも、俺にも戦うチャンスを分けてほしいんだ。これは俺のワガママだ。だから俺のためと思って、一緒に戦ってくれないかな? ね、お願い(キラリーン!) ね?(キラキラリーン!)」
・ラブコメ系S級チート『ただしイケメンに限る』
・自律感覚絶頂反応系S級チート『ASMR』
・たらし系S級チート『すけこまし』
・母性くすぐり系S級チート『上目づかいで可愛くお願い』
超ナンパなS級チート四重奏――ドヤァ!!!!
「う……いやしかし、奥方殿の目をたばかって2人で一緒などと、そのようなことは妾……」
「燃えてきちゃうだろ?」
「あ、う……」
図星をつかれたのか、《神焉竜》が押し黙った。
もうちょっとだ、一気に行くぞ、最後の一押しだ!
「演出系S級チート『星の王子様』発動!」
俺と《神焉竜》の周囲に、キラキラとした星が瞬き始めた。
少女漫画でイケメンが登場する時、背景に花やら星やらが舞っているのを再現するという、ただそれだけのアホみたいなS級チートである。
「君と一緒に戦いたいな」
「う……ぁ……」
しかしこれらS級チートのごり押し連打によって《神焉竜》の心の堤防はもはや決壊寸前。
ただでさえ俺に惚れているせいで甘い言葉に弱い《神焉竜》は、もう完全にメロメロになっちゃっているはずだ。
「別にウヅキを裏切って浮気するとか、そういうんじゃないんだし。ただちょっとだけ二人の心の距離が近づいた――二人だけの秘密ができたってこと。だから、ね。お・ね・が・い♪(キラキラキラリーン!)」
最後の上目づかいを受けて、《神焉竜》がビクゥッ!! って大きく身体を震えさせた。
この反応は間違いない。
堕ちたな、王竜……!!
「……そ、そうまで言われては仕方ないのじゃ。奥方殿を裏切るわけでもないのじゃし……ふふっ、妾と主様の秘密の共同作業じゃ……これぞ真に愛が深まった証なのじゃ……ふふっ、ふふふふっ……ヌフフフフフフ……」
《神焉竜》がニヤニヤニュフフと、過去一番に邪悪な笑みを浮かべた。
邪悪すぎて本気で怖い。
この顏、どう見ても世界征服を企む悪のドラゴンです……。
「うーん、ちょっとやりすぎたかな……?」
俺もチートの魔性に引っ張られて、完全に別人みたいになっちゃってたし……。
今後の関係性が少々不安になる俺だった。
俺の言葉の意図が分からなかったのか、《神焉竜》がキョトンとした。
「これからやることはさ、俺たちの初めての共同作業なんだよ」
「初めての、共同作業……?」
まだよく分かってないみたいな感じの《神焉竜》。
俺はそんな初心で可愛い《神焉竜》に、優しく微笑みかけながら語りかけていく。
「そうさ、俺と君にしかできない、他の誰にもできない。これは俺たち二人だけの、初めての共同作業なんだ」
「主様と、妾だけの、初めての、共同作業……」
「そう、みんなには今話していることは全部内緒だ。俺と君だけが知っている、二人だけの秘密の共同作業だ」
「う……なにか、いかにもとってつけたような調子の良いセリフなのじゃ……あ、いや、素敵は素敵なのじゃが……少しもやもやするのじゃ……まさかとは思うが、主様は妾をたばかろうとして――」
「ははは、そんなまさか?」
ちっ……さすがはSS級だ。
女心をもてあそんじゃうこのS級チートたちも、完全には効いてくれないか……!
だけど《神焉竜》がタイマンでの勝ち負けにこだわってるところから論点をずらして、「二人の初めての共同作業」って大きな餌をぶら下げる作戦はかなりいい感じだ。
だったら――!
俺はここを説得の勝負所とみて、さらなる追撃のチートを――母性くすぐり系S級チート『上目づかいで可愛くお願い』を発動した!
必殺の上目づかいで《神焉竜》を完全に落としにかかる……!
「君が負けるなんて俺は1ミリも思ってないさ。でも、俺にも戦うチャンスを分けてほしいんだ。これは俺のワガママだ。だから俺のためと思って、一緒に戦ってくれないかな? ね、お願い(キラリーン!) ね?(キラキラリーン!)」
・ラブコメ系S級チート『ただしイケメンに限る』
・自律感覚絶頂反応系S級チート『ASMR』
・たらし系S級チート『すけこまし』
・母性くすぐり系S級チート『上目づかいで可愛くお願い』
超ナンパなS級チート四重奏――ドヤァ!!!!
「う……いやしかし、奥方殿の目をたばかって2人で一緒などと、そのようなことは妾……」
「燃えてきちゃうだろ?」
「あ、う……」
図星をつかれたのか、《神焉竜》が押し黙った。
もうちょっとだ、一気に行くぞ、最後の一押しだ!
「演出系S級チート『星の王子様』発動!」
俺と《神焉竜》の周囲に、キラキラとした星が瞬き始めた。
少女漫画でイケメンが登場する時、背景に花やら星やらが舞っているのを再現するという、ただそれだけのアホみたいなS級チートである。
「君と一緒に戦いたいな」
「う……ぁ……」
しかしこれらS級チートのごり押し連打によって《神焉竜》の心の堤防はもはや決壊寸前。
ただでさえ俺に惚れているせいで甘い言葉に弱い《神焉竜》は、もう完全にメロメロになっちゃっているはずだ。
「別にウヅキを裏切って浮気するとか、そういうんじゃないんだし。ただちょっとだけ二人の心の距離が近づいた――二人だけの秘密ができたってこと。だから、ね。お・ね・が・い♪(キラキラキラリーン!)」
最後の上目づかいを受けて、《神焉竜》がビクゥッ!! って大きく身体を震えさせた。
この反応は間違いない。
堕ちたな、王竜……!!
「……そ、そうまで言われては仕方ないのじゃ。奥方殿を裏切るわけでもないのじゃし……ふふっ、妾と主様の秘密の共同作業じゃ……これぞ真に愛が深まった証なのじゃ……ふふっ、ふふふふっ……ヌフフフフフフ……」
《神焉竜》がニヤニヤニュフフと、過去一番に邪悪な笑みを浮かべた。
邪悪すぎて本気で怖い。
この顏、どう見ても世界征服を企む悪のドラゴンです……。
「うーん、ちょっとやりすぎたかな……?」
俺もチートの魔性に引っ張られて、完全に別人みたいになっちゃってたし……。
今後の関係性が少々不安になる俺だった。
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