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俺にプレゼンなんて無理なんです
塩気の無い肉の塊を平らげたあと、ルンルンちゃんがお茶を入れてくれた。
この家には小さいキッチンがちゃんと付いているのだ。
そして俺はお茶をすすりながらふと思い出した。
やはりまだ、俺が番いだと勘違いされているこの状況を。
竜王はまだ俺をナージュだと勘違いして、番いへの求愛を給餌行動として表現している。
あれから全く姿を現さないのが気になるが、ルンルンちゃんとミルさんの話を聞くに、給餌用の魔獣狩りか料理でもしてるんだろう。
もうミルさんに言っても埒が明かないので、見た目美少女で中身がオジサマのルンルンちゃんに訴えることにした。
ひょっとしたらメイド頭とかかもしれないし。
「ル……メイドさん。聞いてほしいんです。俺、間違って連れてこられただけで、本当に竜王陛下の番いじゃないんです。」
「ほう……?」
なぜかルンルンちゃんの目がスッと細められた。
えっ、俺名前には触れてないよ?
その目に剣呑なものを感じたが、ここで怯むわけにはいかない。
「国では俺の双子の姉が竜王陛下の番いだと、俺達が生まれたときから言われて来たんです!……あっ、毎年竜王陛下からドレスや宝石も姉に贈られていました!」
「……続けよ」
「姉は今でも竜王陛下を待ってると思うんです。…ちょっと現実的過ぎる姉ですが、生まれたときから竜王妃になるのを見据えてしっかり勉強……は、してなかったな。あっいや、礼儀作法とか……も、微妙って聞いたな。えっと、何かしら良いところがあっていい感じに頑張れる姉ですので是非とも誰か迎えに行ってください!」
そうだ、俺が誤解を受けているせいで帰れないなら、番いである姉のナージュを連れてきて貰えばいいんだ!
思い付きにしてはこれ、めちゃくちゃいい案じゃね!?
二人並べばどっちが番いかなんてわかるだろ!?
「あ~……番い殿ぉ……」
ミルさんが苦虫をかみ潰して飲み込んで歯磨きを許されなかったような顔をしている。
いつ見ても飄々としているこの人にとっては珍しい。
「今それ言わないで欲しかったなぁ~……なんてねぇ……」
「ミルよ」
ドスの聞いたルンルンちゃんの声が響く。
極々小さな声なのに、妙に通る声だ。
俺は寒気を感じて、ブルリと身震いした。
「ミル、番い殿の言っている事に相違は無いか?」
「ハイぃ…」
ミルさんが目を泳がせている。
何かやましい事があるのか。
「あの愚か者は番い殿に何の説明もしておらぬと。よもやお前までそれに便乗したのか。
ま、さ、か?お前ともあろうものが?番い殿に説明もせぬまま同意を得られぬまま連れてきたとは言わぬよなぁ?」
悪い顔!
ルンルンちゃん悪い笑顔が出てるよぉ…。
言われたら俺ホントに出会ってすぐに連れてこられたなぁ。
その辺のくだりは事実だよね。
なんか……キ、キスされたけど!!
「…ん?そう言えばミルさん、竜王陛下からつるっとした塊(かたまり)飲まされたけど、あれってなんだったの?」
そうミルさんを見ると「あちゃー」って顔をしてる。
え、俺マズイこと聞いた?
えっ、なんかこの部屋寒い。
えっえっ、なんか床が薄く氷が張ってる!?
欠陥住宅!?
今冬じゃないけど!
「ミル、お主はあとで王宮裏に来い」
「はぁい……」
なんなの、王宮裏って体育館裏みたいな扱いなの?
シメられるの?まさかミルさんこの美少女にシメられるの??ヤキ入れられるの?
それ程の何かをしちゃってるってこと?
「なお、番い殿は後ほど我の部屋に来るように」
あっ、これはお前もシメるぞって顔だわ。
あのルンルンちゃんの見事な蹴りを思い出してしまった俺だった。
この家には小さいキッチンがちゃんと付いているのだ。
そして俺はお茶をすすりながらふと思い出した。
やはりまだ、俺が番いだと勘違いされているこの状況を。
竜王はまだ俺をナージュだと勘違いして、番いへの求愛を給餌行動として表現している。
あれから全く姿を現さないのが気になるが、ルンルンちゃんとミルさんの話を聞くに、給餌用の魔獣狩りか料理でもしてるんだろう。
もうミルさんに言っても埒が明かないので、見た目美少女で中身がオジサマのルンルンちゃんに訴えることにした。
ひょっとしたらメイド頭とかかもしれないし。
「ル……メイドさん。聞いてほしいんです。俺、間違って連れてこられただけで、本当に竜王陛下の番いじゃないんです。」
「ほう……?」
なぜかルンルンちゃんの目がスッと細められた。
えっ、俺名前には触れてないよ?
その目に剣呑なものを感じたが、ここで怯むわけにはいかない。
「国では俺の双子の姉が竜王陛下の番いだと、俺達が生まれたときから言われて来たんです!……あっ、毎年竜王陛下からドレスや宝石も姉に贈られていました!」
「……続けよ」
「姉は今でも竜王陛下を待ってると思うんです。…ちょっと現実的過ぎる姉ですが、生まれたときから竜王妃になるのを見据えてしっかり勉強……は、してなかったな。あっいや、礼儀作法とか……も、微妙って聞いたな。えっと、何かしら良いところがあっていい感じに頑張れる姉ですので是非とも誰か迎えに行ってください!」
そうだ、俺が誤解を受けているせいで帰れないなら、番いである姉のナージュを連れてきて貰えばいいんだ!
思い付きにしてはこれ、めちゃくちゃいい案じゃね!?
二人並べばどっちが番いかなんてわかるだろ!?
「あ~……番い殿ぉ……」
ミルさんが苦虫をかみ潰して飲み込んで歯磨きを許されなかったような顔をしている。
いつ見ても飄々としているこの人にとっては珍しい。
「今それ言わないで欲しかったなぁ~……なんてねぇ……」
「ミルよ」
ドスの聞いたルンルンちゃんの声が響く。
極々小さな声なのに、妙に通る声だ。
俺は寒気を感じて、ブルリと身震いした。
「ミル、番い殿の言っている事に相違は無いか?」
「ハイぃ…」
ミルさんが目を泳がせている。
何かやましい事があるのか。
「あの愚か者は番い殿に何の説明もしておらぬと。よもやお前までそれに便乗したのか。
ま、さ、か?お前ともあろうものが?番い殿に説明もせぬまま同意を得られぬまま連れてきたとは言わぬよなぁ?」
悪い顔!
ルンルンちゃん悪い笑顔が出てるよぉ…。
言われたら俺ホントに出会ってすぐに連れてこられたなぁ。
その辺のくだりは事実だよね。
なんか……キ、キスされたけど!!
「…ん?そう言えばミルさん、竜王陛下からつるっとした塊(かたまり)飲まされたけど、あれってなんだったの?」
そうミルさんを見ると「あちゃー」って顔をしてる。
え、俺マズイこと聞いた?
えっ、なんかこの部屋寒い。
えっえっ、なんか床が薄く氷が張ってる!?
欠陥住宅!?
今冬じゃないけど!
「ミル、お主はあとで王宮裏に来い」
「はぁい……」
なんなの、王宮裏って体育館裏みたいな扱いなの?
シメられるの?まさかミルさんこの美少女にシメられるの??ヤキ入れられるの?
それ程の何かをしちゃってるってこと?
「なお、番い殿は後ほど我の部屋に来るように」
あっ、これはお前もシメるぞって顔だわ。
あのルンルンちゃんの見事な蹴りを思い出してしまった俺だった。
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