ビターな初恋

かぼす

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(4)ある日の事件

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やがて、私はオフ会で出会った何人かの人と特に仲良くなった。オフ会だけでなく、ちょっとした隙間時間にスペースを開きリアルタイムでその友達たちと会話したり、DMを使って二人でしゃべったりする事も増えた。
そんなある日だった。その日も何ら変わらずTwitterを見ていると見知らぬ人からDMがきていた。その人も自分と好きな某バンドが好きで自分と同じ地方に住んでいると連絡してきたため、友達になれるかもしれないと思い、私はとても喜んだ。しかし、彼は私が連絡をする度に違和感を抱いた。なぜか彼は某バンドの話より自分の個人情報を尋ねてきているように感じたからだ。でも、自分が返信してしまったし、自分が浮かれていたのが悪いのだと感じ、相談ができなかった。親に相談してしまっては、そんな事もうやめろと言われるのが目に見えていたから。しかし、悩んでいる間にもDMは毎日きて自分が疲弊してしまっていた。また、よく分からない彼に押されてついに二人で会う約束をしてしまったのだ。そんなとき、支えになってくれたのが、オフ会で仲良くなった一人の人、丈さん(偽名)という人だった。丈さんは、私がたまたま開いたスペースで、真っ先に私の異変に気づいて相談にのってくれた。丈さんは私の話を真剣に聞きこう言った。「彼はあなたに執着しているんだよ。あなたが優しいから、会えると思って調子にのっているよ。」と。私は、これを聞いて納得がいき、ようやく彼に関する問題を対処する必要があると感じた。また、丈さんはファン歴が私より長く、私のような事で困っている人を対応した事があったため、私に的確なアドバイスをくれた。そして、何週間かかけてその粘着質な彼を怒らせることなく、撃退する事ができたのだった。
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