人生を斜交いに生きた男 実話

人生を斜交いに生きた男 実話 １０

特に英語、数学の教師はあからさまに馬鹿にした態度に反感を持ったものだ。強い偏見が有ったのか、汚い物を見るような目付きに嫌気が差しこの科目は殆ど０点に近かった。これでは皆んなと同じ様に卒業出来るのか⁉️落第するのではと気を揉んだりしたが、嫌でも学校は休まず行ったので卒業時には皆勤賞を貰った。他の科目では美術は４点をとっていた。〈当時は５段階評価だったと思う。〉
これが後々の人生で物作りに興味を持ち色々と評価されるのだ。
　で、９時前には勉強が終わり〈勉強の振りをしていただけだが、、これも苦痛で嫌な時間だったのだ〉
　女子はそのまま母屋の部屋に移るだけなので安全なのだが、男子部屋は離れにあるので普通に歩いても１分以上掛かるので、この道中がいつも恐怖心で嫌で嫌で堪らなかった。当時最後の一年は私１人で相方もいないので、防犯上石垣の上に樹木が有るがきっちりとした塀が無いので、大の男なら簡単に乗り越えられるのだ。庭園内には大きな石灯籠が３基も配置されて昼間は雰囲気が有って良いのだが、夜は灯りを付けてないので、大きな暗い影の塊に見えて逆に恐怖心を煽っているのだ。その影に泥棒や変質者、痴漢が隠れていたり、気の利いた懐中電灯も持たせてくれないので、わざと大きな音を立てて信号を発して早足で歩くのだが、たまに相手と目が合い固まって動けなかった。やがて相手が静かに離れてくれたので、もし大声で叫んでいたらどうなっていたやら、、、声が出なかったのが良かったのか⁉️暗いので顔の輪部は分かり辛い。電気代節約の為に外灯も無く、犬２匹は別々に離れて飼っていたが余り役にはたたなかった。

　此処での最大の楽しみはクリスマスだ。毎年２メートル程のモミの木に全員が寄って集って飾り付けをした後にシスターがチェックをして手直しをする。２４日の晩は明日が楽しみで中々寝付けない。
　朝８時迄に各自の掃除を済ませ顔を洗いさっぱりし、清潔な服装に着替えてツリーの前に集い、お祈りと讃美歌を歌うのだが、子供達はプレゼントに気を取られて気もそぞろだ。毎年送られて来る日本赤十字社と近くの企業や大学からのプレゼントが届くので、これらをシスターと保母さんが吟味して其々の子供に合うように種分けをして各自の名前が書かれているので其れを見付けて何やかやとワイワイ騒いでいる。　　１０  続く