人生を斜交いに生きた男 実話

人生を斜交いに生きた男 実話 ４５

そう都合のいい人が集まらないので、昼勤務の　メンバーをそのまま深夜勤務に就くので、朝６時迄で。夕方２～３時間の仮眠したり、寝付けない人も、そのまま１０時から３日連続なのでかなり応える。
　先ず、１０時前から片側一車線への規制準備作業から、トンネル入口の　手前約５０メートルからカラーコーンの　設置に入る。作業車に乗り約１０キロ程度の　スピード走行しながら片手で車の把手に捕まり、片手でコーンを受取り地面スレスレになりながらコーンを建てていくのだが、倒れない様に置いていくのが難しい。それも歪まず真っ直ぐに。然し、過去に頭が道路側に出過ぎてトラックの側面に接触して、ヘルメットは被ってても余り意味が無さない。業務上の事故が２件発生しているがキッチリ労災扱いになったのか⁈は不明である。
　１０トントラックの通過する時は轟音と風圧は凄まじい。この作業が怖くて嫌で辞める人も多い。トンネルの　の入口には注意車を止めているが、居眠り運転車が突っ込んで来たり。トンネル内ではドイツ製の大きなブラシを装置した大型車が徐行しながら水と洗剤を混合してパネル板を磨いていくのだが、その後ろから放水車が追尾走行していく。一晩でトンネルを２本程終わらせるのだ。排気ガスで汚れが酷くなり暗くなるので。この作業で事故が発生しても保証は望めないのだ。下請側が契約違反なので労災も適応され難いのでは⁈当然労働組合も無いので泣寝入りなるのか⁈
　それとこの仕事は建前上は入札制度になっているが、元ヤクザを雇って圧力を掛けたり、自民党議員の秘書を天下りしたりで、他社に圧力を掛けたり他社に仕事が回らないように睨みや脅しを暗黙の圧力掛けていたのだ。議員の元秘書は総務に配属し、元ヤクザが６人居て１番年長は５６才で両手の小指が欠損している人を部長職に付けているので、社員や外部からの苦情とかは部長と対面しただけでびびってしまい会社の　思う壺になっているのだ。他の５人のヤクザは其々の現場で働いている。
　１年以上働いていると内部事情が色々と見えたり、耳に入ってくる。劣悪待遇の　不満が特に多い。面と向かって抗議出来ないもどかしさに悶々としながら日々を流していた。真夏になるといつもの海水浴シーズンに入るので、神戸から淡路島へと多くの人がフェリーで渡るので大混雑になるのだ。当時は明石大橋が未開通だったので車の誘導に社員も駆り出されるのだ。　　　　続く