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転生先の世界では美女でした
しおりを挟むどれくらい意識を失っていただろうか。
気がついた時、私はふかふかのベットの上に横たわったいた。
体を起こし、辺りを見回す。
暖かそうな暖炉。
広々とした部屋。
天井には漫画でしか見たことないようなガラス製の大きなシャンデリア。
目に映る景色は、今までいた世界とは明らかに違う所へ転生してしまったのだと一瞬で分かるほどの光景だった。
ベットを降り、部屋の隅に設置された鏡へ向かった。
全身鏡に映る自分の姿を見て思わず声を漏らした。
まるで光を纏うように輝く銀色の髪。
透き通るように白い肌。
宝石のように煌めく紫色の瞳。
鏡にはどう見ても絶世の美女が映し出されていた。
「なんて綺麗なの……。」
自分の姿に思わず見とれていると、部屋の扉がノックされた。
「お嬢様、部屋へ入ってもよろしいでしょうか。」
この家の使用人だろうか。
この部屋と自分の姿を見る限り、どう見てもファンタジー小説に出てきそうな貴族だ。
男爵家?それとも伯爵家?
もしかして1番地位の高い公爵家?
色々と思考をめぐらせながら入室の許可を出した。
「入りなさい。」
「ありがとうございます。」
入ってきたのは、メイド服を着た痩せ型の若い女性だった。
「お嬢様、旦那様が食事に呼んでおります。広間へお越しください。」
メイドはそれだけ伝えるとそそくさと部屋を出ていった。
それをみて、思わず首を傾げた。
これがどういう世界かは知らないけど、貴族の娘なら着替えや髪をセットするのもメイドの仕事なんじゃないの……?
疑問に思いつつ、とりあえず部屋にあるクローゼットを開けた。
そこには、着古したドレスが1着入っているだけだった。
もしかして、部屋は豪華に見えるけど貧乏な貴族なのかな?
とりあえずボロボロのドレスに着替え、パジャマを畳んでしまった。
3面鏡の前に座り、引き出しの中に入っていた櫛で髪を整える。
癖のない髪で、とく何もしなくてもサラサラで纏まっていた。
顔も、化粧する必要が無いほど綺麗な肌と長いまつ毛に大きな目なので辞めた。
身なりを整えた私は広間へ向かうべく部屋を後にした。
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