【完結】悪役令嬢に仕立てあげられそうですが、私は絵を描きたいだけなんです。

ぴえろん

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夜会に参加しました1

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招待されたお城は、今まで見てきた建物の中でも群を抜いて大きかった。



見上げるのに苦労するほど大きい城に、テオと二人で入った。

私をエスコートするテオは、正に王子様で、なぜ今まで疑わなかったのか不思議なくらいだった。


今日はいつも来ているフードが無いせいで余計そう思うのかもしれない。



城の中は、ドレスで着飾った女性と、中世の貴族衣装を身に纏う男性で溢れていた。


高い天井からぶら下がる大きなシャンデリアの明かりで、城の広間全体を照らしている。



見慣れた蛍光灯とは違う、オレンジ色の独特な光が、非日常感を強めていた。




「ぼやぼやするな、行くぞ。」



テオに手を引かれ広間を突っ切るように歩いていく。




「テオドール・ロックウェル皇太子殿下のご入場です!」



広間に響き渡る大きな声がした途端、テオの周りに多くの視線がこちらに集まってきた。


テオを見ているのと同時に私も見られている。


それもそうか。皇太子殿下の横に立つ女なんだから、誰なのか気になるのは当然よね。



「殿下の横にいる女性は誰なの?」


「見た事ないわね、何処の家のご令嬢かしら。」


「羨ましいですわ……。」



私に対する声が薄ら聞こえてくる。
思った通りかなり注目されているらしい。

ユリアが美人で良かった……!

そうでなければここで盛大な批判をくらっていた気がする。






「顔は出したし、後は適当に過ごせばいいだろう。」


面倒だし、とテオの表情が物語っている。 

そんなに嫌なのね。


今日が夜会初めての私とは反対に、テオはこういう集まりに嫌という程参加してきたのだろう。


でも、それなら……



「じゃあ、あそこにあるスイーツ食べてきてもいいですか??」


私の視線の先には、つやつやと輝く沢山のケーキたち。


この世界に来てからケーキの類を全く食べていない。

ローラは父親が買ってくるのをよく食べているみたいだけど、私の分はいつも無いしね。



だから!ここで食べないともういつ食べれるか分からない!



私の食欲に呆れたのかテオがため息を吐いた。



「仕方ないな、食べすぎるなよ。」


テオのその言葉を合図に、私は一目散にケーキへ向かった。



目の前に並べられているケーキをお皿に乗せて早速頬張る。




「お、美味しい……!」



「幸せそうだな。」


いつの間にかテオが横に来ていて、ケーキを頬張る私を見つめている。

そ、そんなに見られると食べ辛い……。






「女性と一緒なんて、珍しいですね兄上。」



親しげな声が聞こえてきたので思わず振り返ると、そこには1人の男が立っていた。

テオと同じ金色の髪だ。

いや、ちょっと待って、今テオのことを兄上と呼んだ?!



「お前には関係ない事だろう?」


「そんな冷たいこと言わないでくださいよ。」



テオとの会話を聞く限り、あまり仲がいいようには見えないけど、やはり兄弟のようだ。





なんだか険悪な感じだが、私はどうしたら……。


戸惑っている私に気づいたテオがこちらを見た。




「少し席を外すが、私の事は気にせず過ごしてくれ。」



そう告げて弟と共にどこかへ行ってしまった。



1人取り残された私。



どうしよう、1人だと慣れない場所にいるのは不安だ。



そう考えた時、そういえば今日は星が綺麗なことを思い出した。



ここにもバルコニーはあるみたいだし、そこなら人もいないよね。



そう思った私は、ケーキを片手にバルコニーへ向かった。




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